2012年8月23日木曜日

『インファナル・アフェア』がすごかった

※ややネタバレ注意
『インファナル・アフェア』という映画がすごく面白い、という話を以前から聞いていたので、先日DVDを借りて観てみました。

いやぁ、よかった。

久々にヒットでしたね。

アジア人の作るアクション映画は、どうしても嘘っぽく感じられてイマイチでした。だって、アメリカだったら市街地でドンパチするのは時々あることかもしれませんが、日本や中国、韓国では銃器の所持が厳しく制限されています。警官隊と犯罪者集団が銃撃戦を起こす余地は、あまりありませんからね。

ところがこの映画では、銃撃戦はできるだけ少なく、心理的な駆け引きに重点が置かれています。それが逆にリアルで、話の中にグイグイと引きこまれて行きました。

内容は数多くのブログに書かれていますから、私が書くと屋上屋を架すような無駄を感じますので、敢えて書きません。ただひとつ言えることは、
トニー・レオン、カッコイイ。
アンディ・ラウ、カッコイイ。
ということですね。
この作品には、正義とは何か、愛とは何かに真摯に取り組みむ登場人物が、数多く出てきます。

日本ではホリエモンのように、正義や善悪ではなく、欲望こそが大切だ、という露悪的な人物が最近もてはやされる傾向があります。それはそれで真実なのでしょう。

でも、おカネだけに価値を置かない生き方をしている人は、世の中にたくさんいます。彼らにとって、カネを稼ごうと汲々とするよりも、善く生きるとはなにか、この世界の中で自分の倫理を貫くためにどうすればいいのか、という問題の方が大切です。

しかし、日常生活では日々の雑事に追われて、真実の追求がおろそかになりがちです。この映画では、真実の追求をせざるを得ないギリギリの淵へと追い立てられた男たちをスタイリッシュに描き、もう一度、自分の生き方を考えてみないか、とうったえかけてくるのです。

だからでしょうか、ラストは悲劇で終わるのに、映画を見終わった後、自分自身が浄化されたような気持ちになりました。

切ないのに爽快感がありました。これは、何度でも観たくなる映画です。


本日読んで、気になった記事はこちら↓


★ 陰りゆく日本の電子関連企業 その凋落の理由
日本企業が「自分たちの強みは『ものづくり』だと思い込んでいるために、消費者が本当に望んでいる物をみつけられなかったそうです。実際のところ、ソニーの創業者たちが目指したのは、「いい音楽」というソフトを消費者に届けることでしたし、パナソニックの創業者が何よりも重視したのは営業でした。それがいつの間にやら、日本の性向を「ものづくり」という言葉に収斂させてしまったのが、事実誤認だったのかもしれません。



★ 「日本の家電」に未来がない理由

端末は歯車であり、システムの構築こそが大切だった、という指摘です。上の記事を並べて読むと、いろいろなことに気付かされます。

これ、アングロ・サクソンの戦略と他民族の戦略の違いに他なりませんよね。日本やヨーロッパが、線でものごとを考えるのに対して、彼らは面で物事を考えます。アマゾンもアップルもツイッターもフェイスブック、どれもアメリカの企業です。システムを構築しようとする人間に勝つことはできません。



★ キッズ・ファミリー向けアニメが存在感、日本で一番価値のあるキャラクターは?
なぜドラえもんがないのでしょうか?





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