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2015年1月24日土曜日

裁判所の前でスピーカーで訴えている人に話しかけてみた

知人が雇用問題でもめています。彼になにか助けになれないかと思いまして、代休のとれた平日に、東京地方裁判所に傍聴に行ってきました。

私が傍聴したのは、527号法廷で行われている裁判。「未払賃金支払請求事件」の証人尋問です。医療法人社団T会とU氏との間で争われている事件のようでした。知人の助けになるような知識は得られませんでしたが、面白く、裁判に抵抗感がなくなりました。これから裁判を考えている方、度胸をつけるためにも傍聴はお勧めですよ。

さて、傍聴を終えて東京地方裁判所の門を出ると、スピーカーで司法制度の不当性を訴えている方がいらっしゃいます。それに興味を持ちました。

手渡しされたビラを見ますと、
「集団ストーカー犯罪にご注意を!」
と題され、個人を組織ぐるみで追い込む手口などが書かれています。

たしかにこういうの、実際にあるんですよね。

★ オリンパス敗訴で明らかになった女弁護士のブラック過ぎる手口
★ オリンパス事件は氷山の一角 現役産業医が語る「リアルでブラックなクビ切り術」
悪質な企業では、会社にとって都合のよくない社員に対して『精神的なケアをする』との名目で、会社お抱えの産業医に診断をさせるんです。この産業医が会社とグルで、その社員を『君は精神分裂症だ』『重度のウツなので治療が必要』などと診断し、精神病院へ措置入院させたり、合法的に解雇してしまい、事実が隠蔽されてしまう。
ひどい話です。

もしもビラを配っているこの人が、このような不当な目に遭っていたというのならば話を聞いてみたいと思いました。

でも、統合失調症を患っている方である可能性もあります。集団ストーカーに襲われている、と思い込んでいる統合失調症の患者さんは案外多く、ネット上に多数の動画がアップされていますが、残念ながらほとんどは、彼らの妄想です。

★ 【集団ストーカー】駅前、車内のつきまとい

(この人が精神障害者だったら、話を聞いても無駄だな……)
と思いながら彼の風体を眺めていました。特に服装にだらしなさはなく、挙動不審な様子もありません。

そこで、思い切って話しかけてみました。少し話せますか? と断ったうえで、単刀直入に、
「失礼ですが、精神病院への通院歴はございますか?」
とね。

もう、面倒臭かったんですよ。たしかに大変失礼な物言いです。話は聞きたいけれども時間の無駄は嫌だ、というワガママな思いが、こんな直截な言い方になってしまいました。

それに、いきなりこんなことを聞いたら怒られたり殴られるたりするかもしれないけれども、裁判所の前だからすぐに警察が飛んできてくれる、命の危険もないだろう、という姑息な計算もありました。

ところが、私の大変失礼な質問に対して、ビラ主は怒らず、淡々と、
「いいえ。通院歴はありませんよ。頭がおかしいと思われること、多いんですけどね。集団ストーカーは事実です」
と答えてくれます。

ああ、これはまともな人だな、と最初は思いました。

そこで、興味がずずっと湧きまして、これまでどんな嫌がらせを受けたのか、うかがってみたのです。

彼が集団ストーカーされたのは、S価学会。その職場にはS価学会の会員が多く、ビラ主が勧誘されたのに入会しないのに腹を立てられて、集団で嫌がらせを始められた、というのです。その一環として、盗聴されたのだ、と。

彼らは盗聴をする、と。そして、それを司法に訴えても、司法がまともに取り合ってくれないと。S価学会は司法と裏で取引をしているせいである、と。だから、ここで訴えているのだ……と。なるほど、なるほど。

彼らが通話記録などを盗み出してたことなどは、裁判でも判決として出ているので事実でしょう。

★ 創価学会幹部(当時)らに賠償命令 東京地裁 ドコモの責任も認定

しかし、この眼前の男性の証言が本当だとは限りません。そこで、突っ込んで尋ねてみました。

「あなたは、盗聴器を発見したのですね? それはいつごろでしょうか?」
私の質問に、彼は答えました。
「いえ、残念ながら盗聴器は見たことがありません」

……えっ?

「盗聴器がみつからないのに、なぜ自分が盗聴されていると確信されたのですか?」
「私しか知らないはずの家庭内の会話を、彼らが知っていたからです」

……私の頭の中のアラームが鳴り始めました。

「それだけですか?」

私の疑問に、いや違います。盗聴しているところを見たことがあります、とビラ主は言います。なんだよ、早く言ってくれよ、と思いながらどんな方法か尋ねると、彼は明快に答えてくれました。

「自衛隊の飛行機が、空から盗聴するのです」
「……空から?」
「私が家のドアを開けると、空の上を自衛隊の飛行機が飛んでいたことがありました。彼らは空から指向性のマイクを向けて、私の会話を盗聴していたのです!」
「……ほう」
「それだけじゃなく、私が床をドンと叩くと、それが隣の人間に聞こえているのです。彼は盗聴していたに違いありません!」




……私は、そっとその場を離れました。




2014年10月30日木曜日

自衛隊員から暴力をふるわれたときの話

大半の自衛隊員は、自然災害復旧活動などに尽力する素晴らしい方々だろう。だが、中にはどうしようもないクズもいる。部下をイジメ倒して自殺に追い込む事件などもときどき耳にするが、ときには民間人に向かって牙を剥くようだ。

★ 空自幹部 線路に男性投げ落とした疑い
 航空自衛隊の幹部自衛官が29日夜遅く、東京のJR大久保駅で酒を飲んで帰宅途中に肩がぶつかったと声をかけてきた会社員の男性を、ホームから線路に投げ落としたとして、殺人未遂の疑いで警視庁に逮捕されました。
 逮捕されたのは、防衛省航空幕僚監部の3等空佐、鶴田義明容疑者(39)で、(中略)大久保駅のホームですれ違った際に肩がぶつかったと声をかけてきた44歳の会社員の男性に対し、「殺してやる」などと言って胸ぐらをつかみ、線路に投げ落としたとして、殺人未遂の疑いが持たれています。
この話を聞いて、蓋をしていた嫌な記憶を思い出した。昨年末、海上自衛隊の男(自称)にケンカをふっかけられたことが私にはある。

昨年12月の半ば、待ち合わせをしていた彼女と落ちあい、新宿マルイを通りすぎて新宿三丁目の交差点で信号待ちをしていたときのこと。

彼女が私に、
「あの人達、危ないね」
と声をかけた。

たしかに危ない。クルマが通行中の片側2車線の道路の中央寄り車線上に、そのカップルはしっかりと抱き合って夢中になってキスをしている。それに気づいたクルマは徐行しつつ、動こうとしない障害物を避けて、横の車線に移る。クラクションを鳴らさないのは、からまれるのを恐れてか。

(ああ、酒に酔ったバカ外国人だ)

と私は思った。女性は金髪の完全な白人で、男性も190cmほどある。六本木などでよく見るシーンで、酒に酔った外国人が酔って道路に飛び出ることがある。そういうときに私はよく、危なくないように彼らを歩道へと引き寄せる。

そのときも何の気なしに道路に駆け寄り、彼らの手首を掴んで、
「ここ危ないよ。赤になっているよ」
と言いながら歩道へと連れて行った。渋滞しかけていたクルマが動き出す。そのとき私は、男が20代の日本人で、酔っていないことに気づいた。

それからすぐに信号が青になったので、なんとなく不穏な雰囲気を感じながらその場を立ち去ろうとしたところ、男が追いかけてきて私の肩をつかむのである。
「おい、コラ。なに人の女に触ってんだよ」
そして私をつきとばした。

ふいをつかれて少々よろけた。私の彼女が、
「ちょっと、何してんですか!」
と声を上げたので、私は彼女に、
「この場から離れてもらえる?」
とお願いした。彼女にはこういう場合、その場から逃げるよう、日頃からお願いしている。彼女はすぐに走ってその場を去ってくれたので、安心して男に向き合った。

彼はGIカットと言われる髪型で、筋肉質で体格がいい。横にいる女性は白人だが、流暢な日本語で、
「ちょっと、やめようよ」
と彼氏を止めようとしているから、少しはまともなんだろう。完全な金髪だったから北欧人かとおもっていたが、顔を見るとスラブ系のようにも見える。ロシアンパブかどこかで2人は知り合ったのかね。

「危ないから引っ張っただけでしょ」
と言って私はその場を離れようとした。
「てめえ、なに逃げてんの? いかせねぇから」
と言ってその男、私の前にたちふさがり前をふさぐ。なおも進もうとする私の胸ぐらをつかもうとする。その両手首をとりあえず、合気道で言う両手取りの要領で、つかんだ。

つかんでみて分かったのは、この男は格闘技経験がなさそうだ、ということだ。普通、手首をここまで握られたら、なんとかして振り払おうとしたり、ローキックをしようとしたりするだろうが、それをしない。ああ、それならこいつ、いざとなれば投げられるな、と目算を立てて一安心した。

格闘技を習っていた人ならば同意してくれるだろうが、素人と経験者はまったく異なる。ある程度のガタイある相手であろうと、何年間かマジメに格闘技をやっている人間ならば、いなすことはそれほど難しくない。

ただ、こちらから手を出せば、その時点で加害者だ。それよりも、被害者となった方が、文明社会では勝者となる。

今回の場合、最初に交通法規に違反した行動を取っていたのは相手で、それを注意した私を逆恨みしたという構図だ。私が被害者になれば、裁判で完全に勝てると思いながらも、そこから一歩、踏み出す勇気がなかった。

今抑えている手首を離して、こいつに殴らせればいい、と思う。だが、クリーンヒットして私が路上に転倒するかもしれない。その上からこの男に乗られたらヤバイことになる。やっぱり、190cmのガタイは脅威だ。上から乗られたら、容易に返せない。

しかも今は彼女がいる。もしかして近くで見ているかもしれない。倒れた私に驚いて、万が一にでも助けに入られ、彼女が殴られでもしたらと思うと、被害者となってあえて自分を殴らせる作戦に出ることがどうしても出来ない。

お互いににらみあっていると、相手の男が妙なことを言う。
「おい、てめぇ、誰に向かってケンカ売ってんだ? 俺は海上自衛官だぞ」

道理でGIカットか。身体もゴツイから、鍛えているのは分かる。
「公務員なら法律違反するなよバカ」
とは、私は言わなかった。彼女のことを考えて、下手に、下手に出ることにした。

「そうですか。それは凄いですね」
「てめぇ、なめてんじゃねぇよ。国のために働いている俺に対して、何のマネだ? この野郎」
「だったら、警察につかまるようなマネしちゃダメでしょ。俺を殴ったら、警察行きですよ」
「は? 警察なんて地方公務員だろ。俺は国家公務員だぞ、お前バカだろ」

私は、この言葉に一瞬衝撃を受けた。というのも、無知なことに自衛隊が国家公務員で警察が地方公務員という区分となっていることを知らなかったから。この男の言葉を聞いて帰宅してネットで調べて改めて認識した。

バカだと思っていた相手が自分の知らない一般常識を語ったことに、私は少し狼狽してしまった。

また、同じ公務員としてお互いにリスペクトしているんだろうな、となんとなく考えていたので、こうあからさまに、自衛隊員を名乗る男が警察をバカにするセリフを吐くとは考えていなかったのだ。

本来ならば、
「あんた、本当に自衛隊なの? 部隊名は?」
などと聞き出せば、翌日自衛隊に電話をしてこの男の上官にでも文句を言ってやれたのだろうが、そこまで頭が回らない。思いがけない言葉を反芻するので手一杯となった。

(公務員て、地方公務員と国家公務員の2区分だったっけ? キャリアとノンキャリアの区別とはまた違ったっけ?)

なおも繰り出す男の罵声を聞きながら、そんなことをボンヤリと考えていると、男の力が急にすっと抜けた。
「いいよ、てめぇとケンカしてもつまらないから、手を離せよ」
と言うので、私も恐る恐る手を離す。男は白人の彼女と共に、その場を去る。後ろを振り返ると、警察がやってきたのが見えた。奴はそれを見て逃げることにしたのだろう。警察の横をすり抜けて、そのカップルは新宿一丁目方向へと去っていく。

警察が来たんだからお灸をすえてもらわないと。ここで逃しちゃダメだと思って、男を追いかけてその腕をつかんだ。
「おい、何逃げてんの?」
「は? 手を離せよてめせ!」
そこに警官がやってきて、私たち2人を引き離した。

交差点には交番があった。その近くで言い争っていたから我々にすぐに気づいたのだろうと思ったが、そうではなく彼女が警官を連れてきてくれたのだった。

警官がうまいと思ったのは、争う2人を引き離すために、海上自衛隊の男を、道路を渡らせて、向こう側の歩道へと連れて行ったことだ。離れた場所の2人にそれぞれに尋問をする。こうすれば、お互いの言い分が聞こえずに済む。
「なに嘘言ってんだよ。この野郎!」
などと言い合いになり、ふたたびケンカになることもない。

こちらはケンカをするつもりはなかったので、冷静に話をする。警官は海上自衛隊の男がからんだと認識してくれているようで、私には、
「大変でしたね」
と言い、簡単に事情聴取をした後、すぐに解放してくれた。自衛隊の男も、警官と談笑していたのが遠目で見て取れたので、特にお咎めもなくその場を離れたのだろう。

……ということが、昨年あった。

ブログに書こうと思いつつも、思い出すと腹が立つために書かないまま、いつの間にか忘れてしまっていた。嫌なことで、今さらどうしようもないことは、忘れるしかない。しかし、思い出せば怒りがふつふつと湧き上がる。

今でも腹が立つのは、理不尽なことをしてきた男に対して、何ら社会的制裁を加えられなかったからだろう。あの場で、
「この男を訴えたいから相手の名前と連絡先を教えて欲しい」
と警察官に訴え、強情をはればよかったのだ。名前や所属先が分かれば、あとで職場に怒鳴り込んだり何かができたかもしれない。

それまで自衛隊の悪いうわさを聞いても他人ごとのように思い、むしろ災害時に活躍する彼らを応援してきたのだが、これ以来、自衛隊隊員に対して、やや斜に構えるようになった。

自衛隊隊員が白眼視されていた時代は今や昔、彼らは自衛隊であることにプライドを持つと同時に、やや傲慢となってきているのかもしれない。冒頭の事件も、彼らの心の緩みの現れかもしれないと、今は思う。

2014年7月19日土曜日

巨額詐欺事件で有名な、元KKC(経済革命倶楽部)の山本一郎に会ってきた 下

前日の続き)

名前を名乗り、事務所に入る。

いきなり山本一郎氏、ご本人と対面。気さくな人柄。刑務所に8年も入っていたとは思えない、くったくのない笑顔が印象的だ。

いかつい顔つきの男性スタッフが数名。その数倍の、女性スタッフがいた。みなさん、かなりの年配だった。

知人から勧められてこの会のことを知った(本当はネットで観ただけだが)と話したところ、まずはこの会の歴史から学んで欲しい、と言われて観せられたのが、かつてKKC(経済革命倶楽部)が進めていた、地球規模の事業について学ぶ動画だった。

KKCの経済戦略が、いかに素晴らしく、また、世界中の貧困をなくすためにどのような活動に取り組んでいたのかがよくわかった。動画を観る限り、素晴らしい団体だ。世界各地に学校を作り、貧しい人々に仕事を与え、社会貢献を第一に考える団体だという。

どうやら、20年前、逮捕の直前に広告代理店に命じて作らせたPRビデオらしい。カネがかかっているのがよくわかる。

そのあと、山本一郎氏直々の現在の事業の概要説明を拝聴する。

新事業の仕組み

仕組みはとても単純だ。

まず、下記が配布されたチラシだ(ポケットに入れてしまったせいで、シワができているのはご勘弁を)。
「競球事業」への投資を名目にして、1口10万円を山本氏に融資する。

それから、知人にこの事業への融資を勧める。知人が融資すれば、紹介料として5万円が入る。そのさらに知人が紹介をすれば、5万円が知人へ、3万円が自分に入る。山本氏には、2万円のみが融資されるのだそうだ。
(チラシの「本の印税を利益償還させていただきます」という文言にはバカバカしいから、敢えて触れなかった)

ただ、山本氏はさすがに抜け目なかった。そこからさらに新しい階層ができても、知人の知人より先からは、紹介料がもらえない。これにより、無限連鎖講(ネズミ講)を防止する法律の適用を免れると、山本氏は主張する。

(なるほど。反省はされているようだが、これでは儲からないだろう)
と思ったが、山本氏の話は、ここからが本番だった。

「こんなことしていても儲からない。もっといい方法がある。それは「競球事業先払いコース」に投資することだ」

この先払いコースとは、どういうものか。

「20万円をこのコースに投資する。10ヶ月以内に、50万円が確実にあなたのものになる」

その仕組を示したのが、下のチラシ。
(考え過ぎかもしれないが、「◯月度」の◯の部分や短期コースの配当金の部分を黒塗りとした。チラシには、参加日時とまったく異なる月が記載されていたし、数回に分けて支払われる配当金の組み合わせは、妙にランダムだった。これらの数字によって、顧客監視をしている可能性がある)

20万円を融資すると、毎月5万円ずつ、10ヶ月に渡って支払われることが示されている。

支払われるのはいいが、その原資はいったい何か?

……新しい融資者が支払う20万円だという。

そんな馬鹿な。自転車操業じゃないか。破綻しないのか?

「破綻するわけないじゃないか。現在、何百人という人が噂を聞きつけて、この事務所に日参している。その人々のカネを、前の人に渡すだけ。そうやって、順送りにしていけば、決して破綻することはない」





頭がクラクラとしてきた。融資者が増えることを前提に組み立てられた粗雑な集金システム。こんなシステムで、よくも7年もの間生き残り続けてきたもんだ。

「でも、どういう名目でその50万円は支払われるのでしょうか? ネズミ講を防止する法律にひっかかるのではないでしょうか?」

法律違反の不備を誰かが突いた。すると山本翁は、こう言ってのけた。

「なるわけないでしょ。私が支払うのは、紹介料ではなくて、利子なんだから」

紹介料ではなく利子

「利子……」
「そう。あなた方が私に融資する。それに私が高い利子を支払う。それだけでしょ」

別の女性が、それに反論する。
「でも、高利でお金を貸すことは、貸金業法で禁止されているんじゃないでしょうか?」
山本氏は手を振った。

「なるわけないでしょ。貸金業法が守るのは、カネを借りた方。私ですよ。私が『いいんだ、俺が利子を支払うよ』って言っている以上、警察はどうしようもないよ」

いやいや。もしも山本氏が心変わりして、我々を、
「法定利息を越えた暴利を貪ろうとしている」
と訴えたら、どうなるだろう? いつ彼が豹変するか分かりやしない。これに融資する人は、山本氏に首根っこをつかまれるのに等しいじゃないか。


私の心配をよそに、他の参加者は納得顔だ。隣の女性はセミナーが終わるとやおら立ち上がり、この説明会には2度めの参加だと言いながら、カバンから数百万円の札束を取り出して、山本氏に渡して契約書を書き始めている。なごやかな雰囲気が信じられない。

事務員に契約手続きをまかせて、今回は投資をしない人々相手に、山本氏の独演会が始まった。

「それしても腹が立つのは、俺を追い詰めた宇都宮弁護士だ。あいつはなんの罪のない俺を、新しい罪をこしらえて牢屋へ入れた。おかしいじゃないかと、俺は彼に1日に何度も電話をしている。でも、絶対に出ない。居留守を使っている。俺はゆるさないよ」

……弁護士も因果な商売だ。かつて告発した人々を相手にしながら、毎日商売をしなければならないのだから。私は前の都知事選では彼に投票しなかったし彼の政治主張に共感していなかったが、初めて宇都宮弁護士を心から応援したいという気持ちになった。

山本氏は、さらに、ロッカーにしまった何百という通帳を見せてくれた。これが、すべて会員の通帳であり、それに山本氏が入金しているそうだ。

なぜ通帳を本人ではなく山本氏が持っているのか。解せぬ。まったく解せぬ。

ここまでわかれば、これ以上あまり深く突っ込んでもしょうがないので、その場をすぐに去った。

ビルを見上げる。
美しい、きれいな建物。あの喧騒が、まるで嘘のようだった。

彼らは信念をもっていた

この記事では、彼らの事業の可否判断をおこなうつもりはない。以前、多くの人を騙してきた人物の人となりについて述べることが目的だ。

写真から受け取る、ちょび髭の怪しげなオヤジ、というイメージは、実物に会って払拭された。威圧的でもなく、むしろ優しげな表情である。

周囲に細かく気を配る(風邪引いていないか? などと知り合いに声をかけていた)心遣いにもあふれている。

他人をだまそうとするのではなく、自分がこの事業を心から信じていて、楽しんでいるといった風情であった。

事務所にいた人々とも話をしたが、誰もが、山本氏がかつて逮捕されたことについて、まったく納得していないのである。ネズミ講の残党などというのは彼らに対して失礼だ。彼らはこれまでも、正しいことをしていると思ってKKCなどの活動に関わってきたし、これからも正しいことをしていると信じて競球事業に携わっていくのだろう。

(ちなみに「競球」とは、直径数メートルの巨大な玉を、巨大なパチンコ台の上から落として、丁半の穴のどれに入るかを賭けるという博打であり、現在関係各所に新しい賭博を認めてもらうために活動中、らしい)

思えばこのところ世間を騒がせている人々は、みな、何かしらの信念にもとづいて罪を犯しているように思える。

典型的なところでは片山祐輔被告だ。PC遠隔操作は、
「自分を認めない社会をかき回すことは正しい」
という信念に基づいて行われた結果、嘘をついていても堂々とした受け答えで世間を煙に巻くことに成功した。

信念をもっておこなう人間から、悪を嗅ぎ取ることはできない。彼らにあるのは、情熱だけだ。

犯罪であることを知りながら他人を騙そうとする場合、本人が信じていないからバカにされてもくじけない、情熱など生まれてこない。バカにされないように虚勢を張り、強要、脅迫などを行うのが関の山なのである。

信念を持つ人は違う。犯罪などとはつゆほどにも思わず、社会を幸せにするためだと信じて、周囲を説得する人には、威嚇は必要ないのだ。

かつて世間を騒がせた元詐欺師は、決して巷間言われているような極悪人ではなかった。魅力と信念にあふれた人物だった。むしろ社会改革の信念にあふれているからこそ、多少の逸脱もやむをえまいと考えているフシがある。

人格で人間を判断しがちな人は、要注意だろう。直感も大切だが、定量的なデータ、合法性などによる客観的な判断が必要だし、それが出来ない人は、ひとりよがりにならないよう、友人の意見も取り入れた上で、判断せねばならない。

むしろ、まともな人間は、人格なんかで他人を判断できない、という諦めがあるからこそ、客観的にものごとを判断しようと心がけているし、他人の判断も謙虚に仰ぐことができる。

それが出来ない人間、人間性を見れば他人を判断できると豪語する人間は、信念を持つ逸脱者と出会ったときに、ダマされて泣くハメになるのだろう。


2014年7月18日金曜日

巨額詐欺事件で有名な、元KKC(経済革命倶楽部)の山本一郎に会ってきた 上

今年は、堂々と嘘を吐く人々のニュースでもちきりだ。このブログで、彼らの話題を何度とりあげたことかわからない。

正直に話すと、私は彼らに魅力を感じている。羞恥心が強く、嘘をつくことがヘタな私(笑)とは真逆の、明らかな嘘を平気で吐ける人々に、好奇心をかきたてられてやまないのだ。

彼らはどうして、多くの人を騙すことが出来るのだろう? そして周りの人々は、どうして騙されるのだろう?

これまで、新宿のマンションで7~8人に明け方まで監禁されてネットワークビジネス加入を説得された経験や、詐欺師から新規未公開株購入を熱心に勧められた経験が私にはある。そのことを記事にしたこともあった。他にも、まだ書いていない、深刻な経験もしてきた。

だが、私が会ったのは所詮、小物だ。日本中を騒がせるような、本物のペテン師に出会ったことがない。

「本物の偽物」だった人物に出会って、話を聞いてみたい。

……そう考えた私は、かつて日本中を騒がせた、元大物詐欺師に会いにいくことにした。潜入取材先は、経済革命倶楽部(KKC)の元代表である、山本一郎氏の事務所である。

経済革命倶楽部事件とは

1996年から97年にかけて日本中で大騒ぎになった事件だが、もう20年近く前のこと。知らない人も多いかもしれない。Wikipediaから簡単に引用してみたいと思う。

日本の詐欺事件。経済革命倶楽部はKeizai Kakumei Clubとも表記され、略称としてKKCとされていたことから、KKC事件とも呼ばれる。
「未常識経済理論」なるものを主張し、約1万2000人から約350億円を集めた。
しかし、KKCには高額な配当を生み出せるような事業の実態はなく、単に新規会員からの金を配当に廻す自転車操業をしていたにすぎない。
KKCの商法は、無限連鎖講に類似している。しかし、無限連鎖講の場合「…段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者…」(無限連鎖講の防止に関する法律 第2条)が要件とされているのに対して、KKCの場合「新たな会員を1人増やす」だけなので無限連鎖講には該当しない。このため立件には詐欺罪が適用された。
350億円の詐欺事件。規模がでかい。

とはいえ、代表は実刑8年の有罪判決を受け、組織は完全に解体されてしまった。その名前も、もはや聞くことがないと思っていたのだが、このところ、妙な話を聞いた。

ここ数十年のうちに、数多く会った詐欺団体(KKCとか円天とか法の華三法行など、昔はいろいろあった)が、警察当局の手によりほぼ壊滅状態となった。
弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWSより

ところが、その残党……マルチネットワークやねずみ講が大好きな人々……の行き場がなくなり、大勢が出口を探してさまよっているとか。

そこに7年前、出所してきたのが山本一郎氏。最後の一花を咲かせるために、彼らが、山本氏のもとへ大勢集まっている、というのだ。

果たしてその実態はどうなのか? それとも、みなさん悔い改めて、まっとうな事業を始めていらっしゃるのか?

ネットで調べると

まず、インターネットで情報を集めてみた。

数年前の日刊ゲンダイに、山本一郎氏のインタビュー記事が載っている。

★ 新しく編み出した“競球”で大儲けを企んでいる
刑務所から出てきて、すぐに売り始めた毛生えシャンプーがウケちゃってねえ。それとローヤルゼリー。市価2万5000円のところ、2万円で売ってる。原価が3500円だから、1万6500円の利益がある。そのうち1万円くらいを会員のみなさんに分配してます。
上記の記事は、いつの間にやら、キャッシュでもみられなくなっていたが、リアルライブというサイトでも、出所直後の山本氏にインタビューした記事が掲載されていた。

★ 11年ぶり出所 KKC山本会長 独占インタビュー
私はね、逮捕されてから11年も刑務所に入っていたんだよ。出てきたのはつい5日前。刑務所を出るに当たって、私が固く決意したのは、お金を出した方々に全額弁済をする、ということです。

次に、彼が新しく始めたという「競球事業」について書かれた記事を発見した。

★ 競球事業の副支部長・共同玉主募集


「敬天新聞」という右翼団体のサイトには、KKCの後継団体「経恵志」の危険性を忠告する記事もある。

★ KKCが経恵志(ケーケーシー)で復活


こういった記事を注意深くたどり、山本氏が現在主催する、「株式会社山本経済研究所」の住所や連絡先を見つけた(リンク先をご案内すると、いろいろと支障がありそうなので、興味のある方はご自身でお調べください)。

日暮里駅近くの事務所

彼のもとを訪れたのはほんの少し前。
日暮里駅からしばらく歩き、大きな交差点を過ぎると、高層ビルが見えてくる。この辺りは再開発が進んでおり、しばらく歩かないうちに、周囲を睥睨する高いビルがいくつも建っていて、驚いた。

古ぼけた雑居ビルを予想していた私は、彼の事務所の周りの風景に、いくぶんめんくらった。もっとも、ところどころに古いビルも点在している。たぶん、山本新経済研究所が入っているのもそのうちの一つだろうと思っていたが、そうではなかった。
きれいなガラスが嵌めこまれた、ずいぶん近代的なビルではないか。山本氏の現在の活況が推測される。

入り口には下記のようにテナントの一覧がずらり。司法書士事務所のようなお固い業種も並んでいる。

(まともなビルじゃないか)

ところが、エレベーターに乗り5階に降りると、経済研究所の入り口のドアの前にいくつもの監視カメラが備えつけられていたためにドキリ。

少なくとも3台は設置されている。一気に緊張感が高まった瞬間だ。



2014年7月14日月曜日

はてブオフ会に参加してきた

読者の中には、「はてなブックマーク」というサービスのことをご存知でない方もいるかもしれないので、まずはそこから、簡単に説明したい。

はてなとは

ネットにはさまざまなサイトがあふれていていて、毎日何万という記事が量産されている。そこからあてもなく、面白い記事を独力で見つけてくるのは難しい。

そこで、誰かがある記事を面白いと思ったら、「はてなブックマーク」というサービスで記事名とURLを登録する(簡単にできる)。何十人という人が登録した記事は、はてなのトップページに表示される。


集合知を利用して、面白い記事が自然に集まる仕組み……はてなブックマークは、最近知られるようになったGunosyNewsPicksといったサービスのさきがけだったといえる。

ところがこのサービス、ITエンジニアが大勢集まっていたために、理屈っぽくコミュニケーション障害気味の人が利用者に多いという特徴を持っている。

その結果、よく言えば頭のいい、悪く言えばひねくれた人々がお勧めする記事が多く集まる。そこが魅力的だ。世間の視点と、一風変わっているのである。

ただ、利用者同士の応酬は理攻めの殺伐とした方向に流れやすいという短所も持っていた。それも魅力といえば、魅力なのだが。

その「はてなブックマーク」の愛好者同士のオフ会が、7/12(土)に開催されたので、参加してきた。

はてブオフ会に参加

主催者は、「はてな村定点観測所」のブログ主である齊藤貴義さん。

私はこの人の書く記事に共感することが多くて、はてなオフ会を主催すると宣言する前から、彼の記事にときどきブックマークをしてコメントを書いていた。現状にいろいろと不満を持っているところとか、好奇心旺盛でいろいろなところに首を突っ込むところとか、他人とのコミュニケーションが下手なところとか、その他いろいろなところが、私と似ていた(と、私は思った)。

だから、オフ会に参加したいというよりも、齊藤さんと仲良くなりたい、というのが私の一番の目的だった。社会人になると、友人ができにくくなる。ここで、新しい友人と出会えるかもしれない、という期待もあった。

場所は京急蒲田駅から歩いて5分の距離にある、大田区産業プラザPiO(ピオ)。

私の前にはid:crapmanという気さくな人物、私の右横には砂糖次郎(id:sugar_jirou)さん、左横にはid:workingmanisdeadという女性。砂糖氏は下記のブログを書いているので、ご興味のある方は御覧ください(はてブ作法にもとづき、idには敬称略)。


この砂糖氏のことは、印象に残っている。哲学科を出ていてニーチェに一時期関心を持ち、現在は西部邁に関心が移っているという彼とは、もう少し話したかった(って、ここまで書いて良かったのかな? もしもダメだったらニーチェ……云々の記事は削除します)。

id:kgkyskとの話も面白かった。彼は大学を中退して、いろいろなことに挑戦しているのだが、自分から「意識高い系」などと自嘲気味に話す謙虚な人柄の好青年だった。

私もそうだったが、若い時には時間が無限にあるとおもって、今考えれば無駄なことを多くしていた。今となっては、もっと効率的な生き方があったと思うので、そんな話をしたかったが、できなかったのが悔やまれる。幸せになるために、モテなかった自分を変えるために、路上ナンパに精を出していた時期が、恥ずかしながら、私にはあった。そこに理論を持ち込んだ人々を、尊敬していた時期もあった(今でも理論自体には興味はある)。初めて会った女性に声をかけ、喫茶店に誘い、話をするという行為が、とにかく楽しかった。

彼には、その頃の自分と同じ臭いを感じたので、ちょこっとその話をしたのだが、本当は、あれは全般的に時間のムダであり、幸せになれる相手を探すのは別の方法だといったことを話したかったが、説教臭くなるからやめた。

彼の日記は下記より。


彼らと話していたところ、派手で押し出しのいい人物が私の横に座った。
「へえ、こういう人もはてなブックマークやってたりするんだ」
と思いながら話をしていると、私もブックマークをしたことがある、「「鬼から電話」を批判してたら「弁護士からメール」がきたでござる パート2」を書いていた大彗星ショッカー(id:daisuiseishocker)さんだったことが分かってびっくり。

私の地元に、彼と似たタイプの友人がいる。お互いに違うタイプだから、友情が長続きした。私が上京したのでついつい疎遠になってしまったのだが、その友人と、話し方のふしぶしが似ていて、なつかしい。

多分彼ともっとつきあいを深めれば、楽しいのかもしれないと、友人のことを思い出しながら思った。はてブオフ会は滅多になさそうなので、その機会はなさそうだけれども。軽そうに見えて、理論的に物事をとらえていくタイプだ。ただし、私の友人はどこか詰めが甘いところがあるのが短所だった。大彗星ショッカー氏が同様の短所をもっているかどうかはわからないが。

実行委員へお礼と結末

その他の人々とも、楽しい会話となった。それだけで、行った価値はあった。実行委員の方々に、厚く御礼を申し上げたい。

なお、オフ会で実行委員のコウモリ(id:rlee1984)さんのプロポーズというサプライズがあった。


私、この人のブログがはてなブックマークのトップページに上がっていたために、何度か読んだことがあったのだ。でも、すべてをネタだと思っていた。フランス人女性とつきあっているという妄想を抱えた男性の自慰日記だと思い込んでいたのだから大変失礼な話だ。

マリーヌとやらの写真がときどきアップされていたけれども、(フランスのどこぞのサイトから画像を引っ張ってきたんだろう。やれやれ)と思っていたが、飛んだ大間違いだった。彼女が本当に、楚々としたフランス美人だってので、びっくりしてしまった。

末永くお幸せに。


ところで、肝心の齊藤さんとは、あまり会話ができなかったのが悔やまれる。やっぱり、三次会までいたほうがよかったのかな。少しだけの会話からも、良い人柄が感じられた。それを知ることができただけでも良しとしよう。

彼とは、ごくごく普通の友人として、いつかつきあえれるようになったら嬉しいのだが。

2014年5月29日木曜日

「舞の海氏が排外発言」というのは大嘘だった

私、立場的には自分は保守的だと思っていますが、本多勝一のことは、高校生の時に『殺される側の論理』を読みまして、ファンとなりました。まあ、彼も一種の保守とも言えるのかもしれませんが。

その本多氏が「週刊金曜日」という雑誌を創刊したときには、頑張って欲しいと陰ながら応援していました。とはいえ、彼らの思想、運動にはあまり共感できるものもなく、新聞の広告などで見かけることはあっても、読むことはありませんでした。しかし、こんなヨタ記事が掲載されているんですね。

「週刊金曜日」オンラインニュースに掲載されていた記事です。

“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言(2014 年 5 月 22 日 6:27 PM)
(↑ほんとうに、こういう題名です。リンク先を参照してください)
 改憲を唱える政治団体が4月29日、東京・明治神宮会館で開いた「昭和の日をお祝いする集い」で、厚労政務官・高鳥修一衆院議員(自民)らを先頭に、来賓と全参加者約250人が起立し、“聖寿万歳”と称し「天皇陛下万歳」を大合唱した。
(中略)
「昭和天皇と大相撲」と題し“記念講演”をした舞の海秀平氏が「外国人力士が強くなり過ぎ、相撲を見なくなる人が多くなった。NHK解説では言えないが、蒙古襲来だ。外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」と語ると、参加者から拍手が湧いた。“日の丸”旗を手にした男性が「頑張れよ」と叫び、会場は排外主義的空気が顕著になった。さらに舞の海氏が「天覧相撲の再開が必要だ。日本に天皇がいたからこそ、大相撲は生き延びてこられた。天皇という大きな懐の中で生かされていると感じる。皇室の安泰を」と結ぶと、大拍手が起こっていた。

 最後の拓殖大学吹奏楽部による記念演奏会は“昭和のメロディー”と題されたものだが、「陸軍分列行進曲」「軍艦行進曲」など、軍歌が多かった。天皇のために人々が犠牲となる「海ゆかば」は、筆者を除く全員が起立斉唱していた。
私はこれを読んだ時に、
「あっちゃー。舞の海氏、リップサービスをやり過ぎちゃった……」
と舞の海氏のために嘆息したものです。

相撲が日本の娯楽として定着した一つの理由として、出身力士を応援できる、という理由があります。日本は地域性が高い国であり、人々は地縁を大切にします。おらが村・町の出身者が活躍するのが、我がことのように嬉しい……この感情が、力士への応援につながります。

ところが、外国人力士には、そのような感情を覚えにくいです。それを差別として否定するのならば、他人の子供よりも自分の子供のほうが可愛いと思う感情さえも否定しなくてはなりません。もっとも、今の情勢ではそうなってもおかしくありませんけれどね。

その状況への憤りは、年配層に主に強く、舞の海氏は年配者の多そうなこの集会で、思わず彼らに迎合してしまったのでしょう。

ところが、舞の海氏は、現実に外国人力士だらけの相撲界で活動する人物です。それなのに、現在の相撲界を否定するスピーチを行ってしまってはいけません。今後のタレント活動にも支障をきたすのではないか?

……と、心配していたんですね。何しろ記事のタイトルが、「舞の海氏が排外発言」ですからね。

この手の報道記事は、すべてを検証する暇はありません。記事の内容、媒体を見て、ある程度、信頼できるものかどうかを判断します。「週刊実話」は一点の真実のないまったくの嘘でも平気で書く、とかね。

「週刊金曜日」は冒頭に述べたとおり、本多勝一という、深代惇郎と並ぶ朝日新聞のかつてのスーパースター記者が責任編集している雑誌のオンライン記事です。曲解はあっても、まったくの嘘を書くはずがない、と思っていました。

ところがどっこい。これが大嘘でした。

★ 「排外発言」とは正反対だった「舞の海氏の講演」(前回エントリのお詫びと訂正)

私が先日取り上げた冷泉彰彦氏の、最新のコラムです。これを読んで良かったです。

詳細はリンク先をお読みいただきたいのですが、要点をかいつまんで書きますと、舞の海氏のスピーチは逆であり、現在の相撲界に大勢の外国人力士がいることを賞賛しているのです。

外国人力士を嫌っている人もいる、というのは、そういう声もある、という紹介です。そして、
外国人力士に関しては、排斥の声があるという指摘をした時点で、場内から拍手とともに「先生ガンバレ」という掛け声が飛んだのは事実ですが、これに対しても、舞の海氏は「それはできません」とキッパリ取り下げていました。
と取り下げているのですよ。

おいおい。

もしも私が、
「この日本にはイジメを肯定する人々がいる。しかし、絶対に肯定すべきではない」
と記事に書いたら、私がイジメを肯定することになるのでしょうか?!

あり得ないんですよ。

この記事を書いた永野厚男という教育ライターは、いったいどんな人物なのでしょうか? Amazonを見ましても著書はなし。

そうしますと、それほど経験のない記者なのかも。だから、この会の主催団体であるとか、会の雰囲気であるとか、その前後の論者の発言であるとか、その流れの中で、雰囲気に飲まれて発言自体を誤ってとらえる、ということはあると思います。もしかしてこの記事を書いた時点で、そういう誤解をしたのかもしれません。

そうだとしたら、今ではYouTubeに舞の海氏の発言がアップされているのですから、検証して訂正するなりなんなりすればいいと思うのですけれどね。

……とにかく、「週刊金曜日」には失望しました。自分の意見に都合のいい部分を集めて、真実を覆い隠すという行為を行う媒体からは、今後も距離を置いていきたいものですね。


もっとも、永野記者を一概に責めることはできないのかもしれません。

たとえば、手鏡で女性の下着を覗いたり女子高生に酒によって痴漢をした罪で有罪判決が出されてメディアを追われた植草一秀氏が、下記のような記事をアップしていました。

★ 横綱白鵬会見拒否と舞の海のモンゴル力士発言

植草氏はかつて、エコノミストとしてメディアで大活躍していた人物。それが、YouTubeを確認した上でこう判断するのですから、永野氏ばかりを責められませんね。

それにしても、植草氏もしょうがない人物です。
舞の海氏の発言で一番の問題箇所は次の部分だ。
1時間0分25秒時点の発言だ。
「彼らの目的は何か。
日本のこの大相撲界に入って、そして早く強くなってお金をかせいで。
そして、両親家族の面倒を見なければならない。」
ところが植草氏、舞の海氏のこの後の発言を故意にカットしていますね。舞の海氏は、琴欧洲のお父さんが交通事故で亡くなり、琴欧洲が家族のためにお金を稼ごうと頑張っている、というエピソードを紹介しているのですから。

まあ、その後、朝青龍の父親の、
「相撲に勝つためには、敵を、自分の母親を殺した相手だと思って戦え」
という教えも紹介していましたから、外国人力士の完全な美談とはなりませんでしたが。

長いスピーチの前後を切り取って、問題だ問題だと騒ぐところをみますと、この人も信頼できませんね。

植草氏によれば、私の嫌いな竹中平蔵に反対した政策を提案し続けたせいで、国家から睨まれたのが痴漢冤罪を受けた理由だ、などと主張していました。それも信用出来ないな……。

2014年5月27日火曜日

引っ越しの予定があるなら、シングルベッド「アブサロム」がオススメ

今日の記事は、coloponさんの「引っ越しの予定があるなら、IKEAの家具を安易に買ってはいけない。」よりインスパイアされて書いてみました。

今年初めに転居した際に、ベッドを買い換えることにしました。

これまで使っていたベッドがこれ。


大変便利でした。狭い部屋では、「たためる」ことはとても助かります。
・友達が大勢やってきた時に、部屋を広く使える。
・掃除するときに折りたためば、簡単にベッドの下のホコリを掃き出せる。
・布団を敷いたまま、ベッドを窓際に置くだけで、簡単に布団を干すことが出来る。
たためるメリットは、上記のほかにもたくさんありました。

逆にデメリットとしては、使ううちに、ベッドの天板にヒビが入り、腰が沈み込むようになり身体が痛くなることとか、ネジを締めてもギシギシと音がするようになったところ、でしょうか。まあ、5年も使えばそうなって当然なのですが。

ただ、とにかくメリットのほうが大きく、私は気に入っていました。

ところが今回、転居するに当たって、いろいろと考えた末に、そろそろしっかりとしたベッドを買うことに。今まで使っていた折りたたみベッドは廃棄処分にしました。お疲れ様です。

理由の一つが、このたび、値段の高いマットレスを思い切って購入したことです。お値段なんと7万円です。奮発しました。そろそろ良質の睡眠が欲しくなり、そのためにマットレスに妥協しないことにしたのです。

重いマットレスを置くにあたって、折りたたみパイプベッドでは不安があります。しっかりとしたベッドフレームを購入することにしたのです。

マットレスの良さはいずれまた改めてレポートすることにしまして、今回ご紹介したい商品はベッドフレームです。

ベッドフレームを買うにあたって、気をつけたポイントは下記の点。
・重いマットレスを置いてもびくともしない頑丈性
・マットレスが7万円(!)もするので、値段が安いこと
・見た目がチャチでないこと
・いずれ引っ越しを予定しているため、解体して持ち運べること
・ベッドの下に物をおきたいので、足の高さがあること
・中国製ではないこと
以上です。

最後の「中国製ではないこと」という項目は、こだわり過ぎかも……と思いました。いまや日本の生活には中国製のものであふれています。品質もいいものが多くなっているのも事実。

でも、今回は安いものを求めています。お値段がそれなりの中国製のものは、安全性に問題がある可能性があります。木材の防腐や漂白のために、どんな薬品を使用しているのやら。

睡眠のために1日の3分の1を過ごすのがベッドの上。微量のホルムアルデヒドなどにより少しずつ被曝する可能性もあります。中国製は、その点あまり信用できません……。

最初は大塚家具や多慶屋で探しましたが、ベッドはどれも高いですね! いいものはどこでもそれなりの値段がするため、店舗で確認して購入することは断念。

次に探したのが、通販サイト。ニトリだとかニッセン、Amazonのサイトだとかを探し回りました。

そして見つけたのが、この商品。


評判が圧倒的にいいです。今確認した時点で、62件のカスタマーレビューがついていながら、4つ星以上の評価をした人が60名もいます。ここまで評価が高いと、業者のステマを疑いましたが、レビュアーの一人ひとりの過去のレビューをできるだけ確認しましても、どれも本物の消費者のようです。

私はカスタマーレビューに賭けることにしました。

届いたものを組み立てて(45分もあれば組み立てられます)、使用して数ヶ月。これはいい買い物でした。

間違いなく頑丈です。なにしろ、150kgでも耐えられるように作られているので、そんじょそこらのものを置いても、びくともしません。
・とにかくしっかりとしている。上で跳ねても、まったく揺るぎません。
・安い。13.000円台というお値段は、この品質では考えられません。
・見た目も美しい。安っぽさがない。
・組み立てが簡単。一人でも組み立てられたし、高さを後で変えることも簡単だった。
・下に物を十分置ける。
・安心のベトナム製。
IKEAの某製品のように、引っ越しの時に部屋から出せなくなることは間違いなくありませんので、ご安心を。通販製品だからと不安に思っている方に、使用者として自信をもって薦められる製品です。

2014年4月7日月曜日

東京都の家探しのポイント 引っ越し・転居では、これが大切

東京で/に引っ越しするために ~家を選ぶ基準~」という記事で先日触れたとおり、年末から年始にかけて引っ越しでバタバタしておりました。ようやく新居に落ち着きましたものの、まだネットにつながっていないために、最近更新が滞っています。

それにしても、何度も引越しているはずなのに、数年も経つと、いろいろなことを忘れてしまいますね! 引っ越した当初に感じた「不便だな!」という感覚は、数年も経つうちに失われてしまうのです。

「慣れれば気にならなくなる程度ならば、大したこと、ないんじゃないの?」

……そうかもしれません。
しかし、人間は我慢強い動物。多少の困難には慣れるものの、それが不便であることは変わりはなく、ただそれに、目をつぶっているだけなのかもしれません。ストレスは少しずつ蓄積し、余裕が失われ、ちょっとしたことで怒りっぽくなる人もいることでしょう。

今回選んだ新居に、大変満足しています。その経験を踏まえ、家探しのポイントとするべき点を、主に東京都内の人向けに、覚書としていくつか挙げてみたいと思います。

1.やっぱり駅から近いのが一番!

駅から5分圏内に住むことになりました。これが思った以上に、快適です。

「部屋の広さ」「家賃」「築年数」などにもこだわって探してきましたが、実際に見つけた部屋は、当初の条件を満たしていませんでした。

でも、それを補って余りあるのが、「駅に近い」ことによる快適さです。

東京は鉄道網が発達しており、たいていの移動は鉄道で間に合います。そうしますと、1日のうち、通勤、通学で鉄道を利用する時間がとても多いのです。

そう考えますと「駅近」は、大変重要なポイントです。他を多少妥協してでも、「駅から近い」「職場や通学先から近い」家にこだわるのは大切だと思います、徒歩10分圏内を選んだほうがいいのではないでしょうか。

2.家を探すのならば、2月から4月、あるいは9月などの転居シーズン

引越しシーズン以外の時期は、掘り出し物があまりありません。私、去年の11月から少しずつ不動産屋を見て回っていました。しかし、ある程度見回りますと、それ以上にいい物件は、ほぼ見当たらなくなりました。

考えれば当たり前で、まともな人物が、
「これこれこういう条件で部屋を探しています」
と不動産屋にやってくれば、不動産屋も商売です、早く部屋を決めてほしいため、手持ちのデータの中でそれに適合した、もっともいい物件を紹介していくものです。繁忙期には、とにかく機械的に、どんどん取引を成立させていくことが、売上を上げる一番の方法ですから。

そうしますと、物件データにいつまでも残っている物件は、何かしら問題があるものがおおいのです。だからシーズンオフになっても売れ残ってしまうのです。

例えば「駅近」を謳いながら実際は徒歩で20分以上あったり(道が曲がりくねっていて思った以上に時間がかかるケース)、南向きでも民家に囲まれ日当たりが悪かったり、共同スペースに階下のクリーニング屋の業務用機器がところ狭しと置かれて大変汚かったり、隣の家に大変うるさい住人がいたり、窓が駐輪場の真ん前だったり……まあ、いろいろとあるものです。

金銭的に余裕があるならば、家賃が高いところを選べばいいでしょう。そうでなく、掘り出し物をみつけたいのならば、人々が転居するシーズンがいいと思います。

3.部屋が新しいとノンストレス

今回、前回と、築浅の綺麗な部屋を選びました。その前に住んでいた築30年以上の古い部屋に比べると、ゴキブリなどの虫の心配をしなくて済むので、ホッとしています。

日本はかつて、台風や地震が多かったために、庶民の民家は「建てやすく壊しやすい」という観点で建てられてきました。

一言で言えば、安普請。特に、高度経済成長時代までに建てられた物件にはその傾向がまだ残っています。

それに比べますと、ここ20年以内の物件は、何十年ももつことを考えて設計されているものが多いように思います。材質が長持ちするよう、それなりのものが使われているのでしょうね。耐震性能も大幅に上がっているようですし。

家賃を抑えようとすると、ある程度の妥協が必要でしょう。しかし、せめて平成以降の物件にこだわった方がいいかもしれません。

4.家電製品は、家を選んだら、すぐに買え!

ようやく家を選ぶと、そこでホッとして、休みたくなるものです。
「家電製品は、引っ越しが終わってからゆっくりと選ぼう」
とか考えてしまう人、多いと思います。

でも、繁忙期に引っ越した場合ですと、これはアウト。特に冷蔵庫。繁忙期には届くまで時間がかかります。ヘタすると、2ヶ月待ちということだってあり得ます。まだ春先ですからいいものの、これが夏場ですと悲惨でしょう。

・冷蔵庫 ・掃除機 ・洗濯機
は、早めに買っておくことをお勧めします。




以上、これから家探しする人の参考になれば、幸いです。





2014年4月1日火曜日

『笑っていいとも!』が終わった


昨日、『笑っていいとも!』がグランドフィナーレを迎えました。大勢の人々と感動を分かち合いたくて、昨夜は新宿アルタ前に行ってみたのです。

大勢の人混みで歩けないほどだろうと踏んでいたのに、思ったほどは混んでいません。写真では大勢の人で賑わっているように見えますが、土日の新宿ならもっと人が多いので、拍子抜けしました。

ワールドカップ並の混雑を予想していたのに。

アルタビルの液晶大画面の向こうのギャグは冴え渡っていました。タモリやさんまがボケるたびに、私はクスクスと笑います。しかし落ち着いて周囲を眺めると、周りの10代から20代の人々は、画面の向こうほどの盛り上がりを見せず。中にはスマートフォンをいじっている人が、チラホラいます。

せっかく新宿前まで来て感動を分かち合いたくても、周りの10代や20代の関心が、携帯の向こうとテレビの向こうを行ったり来たりするのが悔しくてなりません。あのタモリの最後の『笑っていいとも!』だというのに!

私と同年代は周りにほとんど見かけず。タモリやさんまに夢中なっていた30代から40代の人々は、仕事が忙しくてテレビどころじゃないんでしょう(家でゆっくりとテレビを観ているのだったら良いのですが)。

時々私と同年齢の人が通りかかりますが、画面を見上げ、一瞥して素通りしていきます。笑ってる場合じゃないのかもしれません。

テレビの向こう側と、我々視聴者との間の温度差が、そこにはありました。

私にとっては間違いなく面白い話ばかり。ダウンタウンととんねるずの絡みには感動しましたし、ネットの笑いを取り込もうとする彼らの努力にも感心しました。

とはいえ、彼らのやっていることは、もはや伝統芸能ですね。さんまのことをよく知っているから、彼が口に自分でガムテープを貼るだけでおかしくなります。タモリがニヤリとしただけで彼が何を考えたか分かった気がして、苦笑します。松本がしつこく同じギャグを繰り返す「天丼」という技法に食傷しつつ笑い、木梨の無茶振りにハラハラします。彼らを知っているからこそ、彼らのキャラクターの醸し出す雰囲気だけで可笑しくなるのです。

しかし若者はそれでは笑えないのかも。芸人と共に時間を過ごした者だけに許される笑いは、ハードルが高いのです。ちょうど、私が子供の頃に落語を聞いて笑う年寄りたちを理解できなかったように。

時代はいつの間にやら、変わろうとしています。それを感じて、感動を分かち合うためにやってきたはずなのに、逆に寂しくなりました。

2014年3月31日月曜日

本日スタジオアルタに勝手に入ろうとしたら……

笑っていいともが、32年間の歴史に幕を閉じました。感慨深いものがあります。

思えばフジテレビは、日本のバブルを牽引する存在でした。勢いがあって下品で、浪費が素晴らしいという価値観と、貧乏・バカ・真面目は笑い物にしてもいい、という風潮の発信源でもありました。

エネルギッシュで明るくて、即興を重視する「ニワカ」の精神に満ち満ちていて、面白いけれでも観た後に徒労感に襲われる作品を量産し続けたのです。

「笑っていいとも!」はその筆頭株と言える存在でした。

ただ、どれほど面白いものでも年月は残酷で、人々は飽きてしまいます。夢中になって観ていた若者たちは、やがてテレビを観ることよりも仕事や子育てで忙しくなります。

そして、新しい世代は老人のジョークに笑わなくなります。子供は年寄りがバカをやっても、視聴している瞬間ですら「本当のバカだ」と錯覚することは出来ませんから。

世代交代の波は必ず訪れます。一世代は30年と言われていますので、「笑っていいとも!」にとっては、今回の番組改変はちょうどいい節目だったのかもしれません。ただ、タモリを始めとするお笑い芸人の全盛期を知り、会場の人々と一緒に、テレビのこちら側で腹を抱えて笑っていた者としては、番組が終わるというのは、とても寂しいものでした。

……寂しさを紛らせるためという訳ではありませんが、たまたま夕方に時間が空いたので、新宿アルタへ行ってきました。

「新宿アルタ」の現在の正式名称は「新宿ダイビル」。新宿アルタは通称です。Wikipediaによれば、
名称の由来は「オルタナティブ(ALTernAtive)」で、「既存のものに対する新しいもの、常に新しいモノを発信する」という意味合いで名付けられた
そうです。

私が訪れたのは本日夕方16時ごろ。その時はアルタ前にはもう、人混みはありませんでした。昼時は大変だったようですが。

ビルの上にはドドーンと大きなタモリのイラストが飾られていました。
看板をしばらく、じっと眺めていたのです。
「タモリは本当に、面白かったな」
なんてことを思いながら。そこでふと、学生時代、友人から、
「テレビ局は、放送の最終回には、一般人にこっそりと開放される。それは公表されることはなく、訪れた人にのみドアが開かれる」
という話を聞いたことがあるのを思い出しました。

「……行ってみるか」
ものは試しとエレベーターに乗り、「笑っていいとも!」が毎日放送されていたスタジオアルタのある7階のボタンを押してみます。
すると、普段はこのエレベーター、7階には止まらないようになっているのに、
止まるじゃないですか。

……あの都市伝説は本当だったのか。

期待に胸震わせます。エレベーターは7階で止まりました。エレベーターから中へ入ろうとしたところ……
……激しく怒られました。

今日は関係者の出入りが多いために、特別にエレベーターが7階に止まるようになっていただけのようです。

……都市伝説は嘘でした。残念。

2014年3月25日火曜日

電通でiWire(インフルエンサーワイヤー)の説明会に参加してきた

ブログで時事ネタを扱う人が多くなり、ブログが人々の情報獲得手段になって久しくなりました。ニュースを扱うブロガーを「ニュース系ブロガー」と呼ぶそうですが、電通が彼ら向けにニュースレター「iWire」を発信することなり、その説明会が3月19日にありました。

一応私もニュース系ブロガーの端くれになるのでしょうか、微妙なところですが、面白そうだったので参加してきました。

iWire」の正式名称は「インフルエンサーワイヤー」(インフルエンサー=influencer、影響力、感化力のある人のワイヤー=wire、線)というもので、当日配られた資料によれば、
「旬な企業情報を中心に、クチコミ分析の技術を活用し世の中の『話題』を立体的に捉えたレポートをお届けするニュースレター」
だそうです。

この説明会のことを知ったのはアジャイル・メディア・ネットワークのメルマガでした。アジャイル・メディア・ネットワークはブロガーの地位向上に熱心な会社ですので、私も信頼しています。ここが電通と手を組んだサービスとはいったいどんなものだろうと、興味がわきますよね。

当日配られた資料がこれ(シワクチャで失礼)。


会場は大きく立派なもので、さすが電通といったところです。


思ったほど人数は多くなく、拍子抜けしました。仕事が終わった後に参加できる時間帯だったのですが、年度末のために、みなさん、お忙しかったのでしょうか。


欧米ではブロガーが記者会見に参加するのは当たり前のようになってきているのに、日本ではそのような環境が整っていません。「iWire」は、そのための機会を提供してくれるそうです。また、単なる記事のリリースではなく、それにビッグデータなどによって手を加えた「ゆるいネタ」を中心としたニュースレターが「iWire」の特徴だとか。

……正直なところ、拍子抜けしました。

「iWire」が提供するのは、ニュースを電通が加工した二次データ。登録すれば誰でも入手できるそうですし、わざわざブロガーがそのデータを利用する必要性があまり見当たりません。「iWire」のニュースレターと、GIGAJINやGizmodoの記事の違いが、今ひとつ分かりませんでした。

もっと、ブロガーを優遇してくれるようなサービスを提供してくれるのではないかとも期待していたのですが、そうでもないようです。

外部編集委員の1人が、
「ニュースを誰よりも早く知ったからといってドヤ顔で『俺が一番にこのネタを書いたんだ!』と自慢するような記事が面白いですか? つまらないでしょ?」
と発言していました。でも、私が期待していたのは、既存メディアに対抗できる、まさにそんなサービスだったのです……。

考えてみれば、電通の一番のお得意さんはテレビや新聞です。ブロガーを彼らよりも優遇するはずがありません。むしろ、ブロガーをうまいこと電通陣営に取り込み、既存メディアの延命を図ることが電通側の目的なのかもしれません……というのは勘ぐり過ぎかもしれませんが。

海外にはニュース系ブロガーがマスコミ等の既存のメディアに対抗できるためのサービス「BuzzFeed(バズフィード)」があります。こういったサービスをはじめてくれるのでは? と勝手に期待してたために、少々残念でした。

とはいえ、まだサービス自体も始まっていない状態です。それに、アルファブロガーでもあるコグレマサトさんも参加していますので、サービスとしてより充実してくるかもしれません。しばらく様子見、といったところでしょうか。

2014年3月24日月曜日

ソフトバンクへキャリアチェンジ 高額キャッシュバック経験

いまだネットにうまくつながらない環境にいるのですが、少しずつ記事を更新していきます。

まずは先日、中途半端になっていた携帯電話のキャリアチェンジの話から。

これまで利用してきたauと袂を分かち、乗換キャッシュバックキャンペーンの波に乗ることにしたのが3月上旬。

もっとも手厚いサービスが行われていたソフトバンクへキャリアチェンジすることにしたのです。

ただ、不安が沸き起こるのを抑えられなかったのは確か。これまで仕事用に2台目の携帯を持っていたことも、Yahoo!BBを利用していたこともあり、ソフトバンクを初めて使うわけではありません。だからこそ、不安が沸き起こるのです。当時の印象が最悪でしたから。

コールセンターの対応がまず、ひどかったです。2年間の縛りが終わり解約しようとしても、なかなか解約させてくれなかったこともありました。電波もあまり繋がらず、ストレスフルでしたね。

ただ、在日韓国人ながら明るく行動する孫正義という人物のことを尊敬していましたので、ソフトバンクを嫌うことまではできませんでした。それに、その頃に比べるとソフトバンクも大きくなりました。

今ならば、まともな対応をしてくれるはずだと思いまして、向かったのが「7万円キャッシュバックキャンペーン」を謳っている都内の某ショップです。時期は今年3月上旬でしたでしょうか。
気さくな男性が担当者となり、対応してくれました。

ところがこの男性、開口一番、
「どこでキャッシュバックが7万円もある、というお話を聞いてきましたか? うちではそのキャンペーンは、今はやっていないのですが」
と言うのです。
私はインターネットの該当ページを見せました。すると、
「それは、Androidに乗り換えた場合ですよ。iPhoneのバージョンアップだと、キャッシュバックは2万円の商品券のみです」
と言うのです。

(来たよ。ソフトバンク商法の悪いところだ)
イラッとしながらホームページに再度目を走らせます。
「このページからはそうは読み取れないのですが」
抗議しますが相手がそう言うならば、仕方ありません。即座に帰ろうとしました。

すると呼び止められまして、
「分かりました。これから上司にかけあいます」
と言うのです。それから30分ほど待たされた後、担当者が相談をしていた事務室から現れて、
「5万円ほどならば、キャッシュバック可能です」
と言いますので、
「インターネットの記事を読み違えてノコノコやってきた私が悪いのでしょう。今日は帰宅させてください。7万円のキャッシュバックがないならば、ソフトバンクへキャリアチェンジするつもりはありません」
と言って、その場を離れることにしました。

すると「しばらくお待ち下さい」と言われてその場を離れ、40分近く待たされます。最終的に彼の上司が出てきて、
「他の方に内緒です。あなたの意思は大変固そうですし、我々も誤解されたという責任がありますので、7万円のキャッシュバックでキャリアチェンジ、お受けいたします」
と言われ、ようやく手続きに入りました。ここまでで1時間半はかかっているでしょうか。

……猿芝居ですよね。
高額のキャンペーンを掲げるも、店舗にやってきた客にはそれ以下のサービスをまず提示、
「面倒だから7万円もいらないや。ここでキャリアチェンジしてもいいや」
と客が思えば、低いサービスで手続きさせてしまうのでしょう。頑固な客にだけ、宣伝通りのサービスを与える、という手法で、経費削減を狙っているのでしょう。

その後も時間がかかり、最終的に手続きが完了するのに3時間はかかりました。

もっとも、店員の態度が恐ろしいほど低姿勢でさわやかだったために、怒る気にはなれず。インチキめいた営業をやるけれども、店員の姿勢は素晴らしいのです。それに、なにしろ7万円のキャッシュバックです。我慢する価値はありますよ。

どこのお店でキャリアチェンジしたのかは、ショップ店員が言わないでほしい、と言っていたので内緒。ただ、
「携帯 高額キャッシュバック」
などのワードで検索すれば、すぐに見つかると思います。

こういった高額キャッシュバックキャンペーン、どうやら行政から指導が入ったようです。

★ MNP祭り終焉。高額キャッシュバックは2014/03/16で最後に

MNP=携帯番号ポータビリティ(携帯番号をそのままで、携帯会社を変えることが出来る制度)により携帯会社の間の競争が苛烈になったために、ここ数ヵ月、携帯キャリアをチェンジするだけで数万円のカネが簡単に手に入っていましたが、さすがにまずい、と思われたようです。

ただ、携帯キャリア間の競争は相変わらず続いています。禁止は建前だけかもしれません。実際のところ、今でも高額キャッシュバックは行われているのですから。

ただ、あと少しすれば本格的に規制されるでしょうから、私は最後の電車に乗り込めたのでしょう。3ヶ月後にキャッシュバックされるそうなので、楽しみにしています。

さて、ソフトバンクを利用して約3週間の感想です。

「こんなもんかな」

iPhone5sの4Gという通信規格は、auの3Gよりはスピードが早いのですが、店頭で使用したことのあるauのLTEよりは、明らかに遅いです。Wi-Fiスポットも、auよりも少ないです。それに、電波が途切れることがauよりも間違いなく多いです。ストレスを感じることが、やや多くなったかもしれません。2年後にはauに再び、キャリアチェンジしそうです。

ただ、電波それ以外はさほど文句なく利用できています。携帯キャリアの間の差は、昔よりは小さくなっているという印象を受けました。

2013年12月3日火曜日

電子書籍を出版するまで ① 原稿の用意の仕方

電子書籍出版に興味を持っている人は結構いると思うが、情報が多すぎて、どれを参考にすればいいのか、悩んでいる人も多いだろう。

その人々のために、これから数日、私がどのようにして電子書籍を出版するに至ったかを、簡単にご紹介しようと思う。

第一回目の今日は「原稿の用意の仕方」について。

既存の文章を元にする

まず問題になるのはある程度の文量の原稿を用意する、ということだろう。文章を書くのが好きという人なら何の問題もないが、多くの人はここで引っかかることが多い。そんな人にお勧めなのが、すでにお持ちの何らかの文章を元にしてはどうか? ということ。たとえば日記だとかブログだとかホームページだとか、あるいは手帳に何かの覚書を書いていたら、それを元にしたらいい。一から用意しようと気負うよりも、手始めは簡単なことから始めてもいいと思う。

私の場合、このブログを元にしよう、という目論見があったからそこは軽くクリアー。たとえば一昨日の記事は912文字ある。原稿用紙二枚分だ。それが毎日積み重なっているから、本を書くだけの文量のものはすぐに用意できるはず。

そこで、最初はブログ記事からピックアップして一冊の本にしようと思っていたが、途中で考え方が変わった。私の中で、イチオシの記事……それでいながらほとんど注目されていなかった記事を、もっと膨らませてみようと考えたのだ。すぐに思い込んだのがこれ。


ここに書いていること、実は、私が今回出版した『クソ野郎の成功者が自伝に書かない成功哲学』に出てくる"山本"という登場人物のモデルになった人物から実際に学んだことだった。彼とその周囲にいる、彼のお仲間たち……彼らの共通点を10にまとめたこの記事が、まずは出発点だった。

元原稿を掘り下げる

ただ、これだけでは内容が薄い。文字数は4,512字あるし、それなりの文字数だから、これだけでも出版できる。しかし、これだけだと面白くない。

そこで、10の項目について、エピソードをつけくわえたり、加筆修正したりして、元の原稿を3倍にした。また、それ以外に"山本"から聞いたこと、彼の行動を再度見つめなおして、彼の「成功哲学」を改めて考えなおした。

ストーリー仕立てにする

最初は、これをそのまま売ろうと思った。文字数15,000字ほど。原稿用紙に直すと40枚ほど。悪くない。99円で売るならありだろう。

ただ、ふと思った。これ、小説仕立てにした方が、読みやすいのではないの?

"山本"の下で働き始めてから辞めるまで……その場面場面ごとに適切な教訓項目を当てはめてみてはどうか。面白いと思った。小説をまさか書くとは2ヶ月前には考えてもいなかったけれども、書き始めたら毎日が面白く、あっという間に30,000文字に膨れ上がった。

完全な"小説"へと変える

ところが最初はドキュメンタリー仕立てで、すぐに、モデルとなった本人に私の事、見られたらバレるようなものだった。先方はマスコミにもよく出るような著名人だ。どこから本人に伝わるか分かったもんじゃない。これはまずい。

そこで、読まれても分からないくらいに、登場人物の設定も、エピソードのディティールも、大きく変えることにした。

彼の実話をそのまま載せることは、復讐的な意味合いがなかったとは言えない。しかし、こんなところで私のチンケな復讐心を満足させてどうする?

こうして、モデルとなった人物たちと、この小説の中の登場人物とは、かなり外見も設定も変えた。職業なども彼の実際の仕事からコンサルタントへと大きく変えた、はず。

このような改定により、原稿は結局、60,000文字へと大きく膨れ上がった。原稿用紙に直すとおよそ200枚。薄手の文庫本一冊分の文量だ。出版されているものと分量的には遜色なかろう。

こうして、私は本書の基になった原稿を書き終えた。


……と、こういった話を時々、更新していこうと思う。

2013年11月28日木曜日

手白澤温泉の魅力 3

早朝。
目覚めて時計を見ると、午前6時半。

朝飯は7時半にならないと、食べられない。
それまで時間がもったいないので、一風呂浴びることにした。

露天風呂の周りに、雪がうずたかく積もっていた。 どうやら除雪を何時のまにやら、してしまったらしい。
このせいで、温泉の周りに私が顔を押し付けて雪に型取りした箇所が、ほぼ消え去っていた。

お湯に入り、周りを見回す。
白と黒以外の色が見事なほど、無い。

栃木の山岳地帯の例に漏れず、この辺りは地形が急であり、旅館の立つ狭い窪地から、切り立った岩肌が高く上昇し、その斜面から木々が生え、その上に雪が積もっている。
その様は、水墨画の、特に、雪舟の描く絵のようであった。

そんな、絵画の中の世界を堪能しながら、ゆったりと朝風呂を浴びた。

風呂の後、部屋で少し転寝をする。
扉を叩く音に起こされて、起き上がる。
旅館の仲居が、飯を呼ぶために起こしてくれたのだった。

朝食は岩魚の甘露煮をメインに、ご飯・みそ汁と、よくある民宿のスタンダード。
空腹だったので、飯を6杯お代わりする。
飯櫃には3合は入っていたけれども、全て食い尽くした。
さすがに食い過ぎたようで、ゲップが出た。

飯の後、もう一度風呂に入り、それから部屋で一眠りする。
10時になり、荷物をまとめて部屋を出て、会計を済ませた。

「雪が深いので、この長靴をお使いなさい。女夫渕温泉バス停留所の小屋の中に置いてくれれば、いつか宿の者が麓に下りた時に持って帰るから」

その言葉に甘え、長靴をお借りする。
スニーカーに比べると、雪の中では段違いに歩き易い。驚いたものだ。

宿の主人が心配するのも道理で、昨日とは違って、前が見えなくなるほどたくさんの雪が降っていた。
深い雪が道に降り積もり、歩くと足首まで埋まる。
しかし、長靴のために濡れることがなく、埋まった足が抜きやすく、前に進みやすい。
しかも風が無いため、降る雪は歩く邪魔にはならなかった。

ただ、ふと異様に静かな事に気付いた。
雪が、周囲から音を奪っていた。
風が木々の間を通る音、鳥の鳴き声、遠くの小川のせせらぎ……、そんな自然の中にあるべき音が全く聞こえず、無音なのだった。

耳を澄ませる。

そして、雪が降る音を、生まれて初めて聞いた。
粉雪が地面に届いた瞬間、「シュッ」とわずかに小さな音を立てて、融けていく。
その無数の音が周囲に満ちて、文字通り「シンシン」という“雪が降る音”をたてていた。

歩く音にかき消されるのがもったいなくて、その場にたたずみ、動かないまま、しばらく静かな音楽に耳を傾けた。

それから歩く。ひたすら、歩く。
ちょうど1時間45分歩いたところで、大きな車道に出た。どうやら誰でも車を乗り入れられる道路に辿り着いたようだ。そこへたまたま、4輪駆動の車が通りかかった。

50歳ほどの男性が私に
「どこまで行くのか?」と尋ねる。
「女夫渕温泉まで。そこから鬼怒川温泉までバスで向かう」と言うと、
「乗って行きなさい。この雪じゃ、遅くなるから」
と有難い申し出。
茨城からやってきた御夫婦は、年に6回は女夫渕温泉付近を旅するらしい。
普段は空調の整備を自営でやっている、という。

3時間かけて私を鬼怒川温泉駅まで送っていただいた。
旅先のこんな優しい出会いが、嬉しい。

鬼怒川温泉駅に着く。
私はせめてもの心づけにと、「タバコ代にしてください」と言って千円をお渡ししようとしたが、
「旅は道連れ、世は情けだから」と言って、決して受け取っては下さらなかった。

それから、鬼怒川温泉駅から、東武線の鈍行で、浅草駅へ向かった。

昔、私の友人から
「人生の喜びは、結局人との出会いだ。それ以外に価値はないと思う」
と言われ、
「知った風な口をきく野郎だ」
と反発したことを思い出す。

自然に触れたり、読書をしたり、研究したり、人との出会い以外にだって、世の中には喜べることはたくさんあるんじゃないか?

などと抗議したけれども、その時には、人との交流に感動を覚えた。
素敵な人々と出会い、過ごした時間の楽しさは、格別なのである。

しろてさわ
ゆきてたのしき
たびじかな




★ 手白澤温泉公式ホームページはこちら

2013年11月26日火曜日

手白澤温泉の魅力 2

旅館「手白澤温泉ヒュッテ」は、たった6室しかない。

非常に立派な建物で、イメージとしてはヨーロッパのスパ、といったところか。
一階建て平屋で、天井は高く、5メートルはあるだろうか。
屋根の大部分がガラス張りで、そこから採光をしている。

旅館内に張り巡らされている温泉パイプのせいで、常に暖かい。
「暑ければ、障子を開いて調節して下さい」と御主人。
言われたとおり、部屋の障子を開けば、途端に冷気が部屋に流れ込む。
なるほど、手動で温度調節出来るわけだ。

室内にテレビは無い。
館内に、娯楽設備が全く、無いのだ。

本当に、温泉を楽しむだけのために作られた、思いっきり贅沢な場所……そこが、手白澤温泉だった。

何もすることが無かったので、お茶を飲んだ後は、すぐに温泉に入ることにした。

温泉は、室内風呂と露天風呂の二つあり、どちらも湯の花の量が多い掛け流し温泉であった。

室内風呂が寒いのに驚く。
温泉を水で薄めず、もっぱら温度調整は気温に頼っているため、密閉せず、壁の一部から大量の冷気が流れこむ仕組みになっている。
そのため、早く温泉に入らないと、空気が寒くて凍えてしまう。

身体を洗う場所には、蛇口がない。
二本の筒からコンコンと湧き出るお湯が、あるだけ。
そこで身体を洗い、温泉に入る。

お湯に浮く湯の花が、最初人間の垢に見えてしまい、少しぎょっとした。それほど湯の花が分厚く、積載物のように周囲に散乱しているのだ。
源泉に手をかざすと、湯の花がチラチラと浮かび、ああ、これは確かに温泉由来のものだと、安心した。

露天風呂の周囲は完全な雪。そこに顔を突っ込んで一人で遊ぶ。
青みがかっていて、室内よりもぬるい。

(明後日に続く)

2013年11月25日月曜日

手白澤温泉の魅力 1

数年前に秘湯にあこがれて、Googleで検索したところひっかかったのが「手白澤温泉」という温泉であった。

「てしろさわおんせん」と読む。

栃木県の奥日光にある温泉で、国立公園内にあるために車で行くことが出来ない。本来ならば温泉業を営むことが出来ないのだが、国立公園選定以前から温泉業を営んでいることから、特別な許可を得てこの地で営業をしているのが手白澤温泉だ。

その時に書いた日記が出てきたので、転載してみることにする。この冬、温泉選びに迷っている人にはお勧めの温泉なので、当時の雰囲気を味わっていただき、「行ってみたい」と思っていただくと嬉しい。
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2013年11月22日金曜日

炊飯ジャーが壊れた

うちにある炊飯ジャーは2006年制のものを新品で購入したものだが、これまでよく働いてくれた。

ブランド志向を揶揄する声が世間ではあふれるけれども、やはりブランドのある製品は違う。7年たっても問題なく動く。

これが無名のメーカーだったり、中国製だったりするとこうはいかないことを、以前何度か痛い目に遭って痛感した。それ以来、出来るだけ電化製品はブランドのあるものを買うようになった。

ところが、さすがに7年も経つといささか汚れてくる。気をつけて使い、時々台拭きでこするなどして丁寧に使ってきたつもりだが、限度があった。先日時間があったので、徹底的に洗うことにした。

家電製品で、常に水気にさらされる製品だ。防水加工は万全だろうと思い、流水で洗い流しながら掃除してみたのだが……見事壊れた。電源が入らないのだ。

これは困った。

綺麗に掃除した炊飯ジャーでご飯を炊こうと米を研いだ後に電源を入れて発覚したので、私は研いだ釜を抱えて途方に暮れることになった。

何が原因なのだろう? 思い切って分解してみた。
そして驚いた。釜の周囲を包んだ断熱剤にまで水が染み込み、タプンタプンになっていたのだ。それが原因で、スイッチなどの電子部品に浸水し、結果、壊れたのだと判明した。

断熱材の水を絞り、新聞紙の上に敷き詰めて乾かそうとした。
ところが材質のせいだろうか、水気が切れず、しかもふくらまない。柔らかい発泡スチロールのようなものを思い浮かべて欲しい。
可塑性がないために、乾いても膨らんでくれないのだ。

これは困った。

様々に試行錯誤をした結果、結論として、私はこの炊飯ジャーがご臨終を迎えたことを受け入れるしかなかったのだ。

炊飯ジャーだからといって、防水機能は万全ではない。また一つ、私は賢くなった。

2013年11月9日土曜日

アシタバ(明日葉)という野菜……灯油臭すぎた

アシタバという野菜のことをご存知だろうか? 私は知らなかったが、どうやら伊豆の特産らしい。
アシタバ
アシタバ(明日葉)はセリ科シシウド属の植物。日本原産で、房総半島から紀伊半島と伊豆諸島の太平洋岸に自生する。伊豆諸島・伊豆半島・三浦半島および房総半島の個体は、古くから自生している個体であるが、紀伊半島の個体は近年紀伊大島に移植された株である。
スーパーのポップに「夕方に摘んでも翌日には葉が出ているほど強い野菜なので"明日葉"の名前がつきました」などと書かれて売られていたのが気に入って、購入した。11月6日のことである。

それが恐怖の始まりとも知らずに。

1.見た目は美味そう

見た目はミツバとホウレンソウを足してニで割ったような葉野菜であり、歯ごたえの良さそうでうまそうだった。

その日の料理の予定はエビなしの八宝菜。豚肉とモヤシ、人参の代わりにカブ、そして白菜の代わりとしてこのアシタバを使う。全部を炒めて、そこに八宝菜の素を入れて完成の予定だった。

2.部屋に漂う灯油臭

料理をしながら、ガスの臭いに気がついた。そういえば、先日鍋を吹きこぼしたままレンジを掃除していなかった。ガスの出口に何かがつまり、火が不完全燃焼しているのだろう。そう思って、火を止めて台拭きを湿らせて、火傷をしないようにガスレンジの掃除を始めた。

ガスレンジは綺麗になったが、臭いは取れない。
(かなりガス漏れしていたんだな)
アブねえなぁと思いながら、再び料理を再開した。

3.フタを開けると悪臭が広がる

頭の中ではガスの臭いだという思い込みがあるものだから、それがアシタバの臭いだとは想像もしない。というのも、この臭いはこれまで嗅いだことのある植物の臭いとは完全に異質だったからだ。

ガスや灯油という、鉱物系の油の臭いだ。

もっとも都市ガスには本来臭いはなく、ガス漏れに気づくように悪臭物質が添加されており、園においは、
「玉ねぎを腐らせたような臭い」
と表現されることが多いから、ガスの臭いが植物臭とまったく異なるということにはならないのかもしれないが。

フライパンで野菜を炒め、それに水分を加えて八宝菜の素を入れ、本来ならばいい香りが台所に広がるはずだったのに、広がったのは灯油の臭いである。その時に、
(これ、もしかしてアシタバの臭いじゃないの?)
ということに気がついたのだ。

4.慌ててネットで調べる

最初は信じられなかった。野菜の臭いがこれほど臭いということがあるだろうか? こんな、
「灯油そのもの」
のような臭いを野菜が発するものであろうか?

ところがそれを裏づける証言がネット上にたくさん転がっている。

★ あしたばのおいしい料理法
★ あしたばどっちだ
★ あした葉って・・・ [cooking]

アシタバがこの臭いのもとであることをようやく納得した私は、とりあえず食べることにした。

5.マズイものはマズイ

味はそれほど悪くないのかもしれない。
味はね……。

問題はこの香りだ。灯油の臭いが鼻腔一杯に広がる。吐き気がする。
結局この日、食事を終えるまでに2時間かかった。
……たかだか1人で自炊した食事を終えるまでに2時間、かかるか?

結論として、アシタバはダメだ。こんな臭いものを二度と食べようとは思わなかった。
ただ問題は、私の料理法だ。
自炊が面倒で、同じ食事が苦にならない私は、大鍋、あるいは大きなフライパンで料理を数日分、一気に作るようにしている。

この灯油臭い八宝菜は5日分作った。
今日でようやく4日目だ。
あと1日。臭いが薄れてきたので、明日まで乗りきれることだろう。


結論:アシタバは二度と食わない

2013年10月16日水曜日

創価学会会員とのやりとり

今日のは小ネタ。


昔、創価学会であることを隠しているバイト先の先輩から、カミングアウトを受けそうになったことがある。彼が創価学会員であることは、バイト仲間に聞いて知っていたが、ずっと知らないふりをしていた。

彼の家に遊びに行った時に、突然こんなことを尋ねられた。
「お前、尊敬している人って、いる?」
「俺ですか。王陽明を尊敬しています」
「誰だ、それ?」

私は王陽明の人物像について述べた。
中国の哲学者であり日本の明治維新に大きな影響を与えた人物で、実践を重んじ自身も政治家として大成した人物だと。

それを興味なさげに彼は聞いていた。私の話が一段落してのち、先輩は、やおら語り始めた。

「俺には尊敬している人がいるんだ」

……まさか、池田大作とか言い始めないだろうな……と思っていたら、案の定である。

「その人は教育者であり、政治家であり、指導者である。宗教に造詣が深く、仏教について多数の本を書いている。その上作家としても有名で、ベストセラーも数多くある。日本だけではなくて、国際的にも有名だ。そんな人、知ってる? 多分知らないと思うけど」

どう考えても、池田大作と言いたいとしか思えなかったので、彼に、私は言ってやった。

「石原慎太郎ですね」

彼の顔が一気に赤黒く変色した。怒りのためだろう。

すかさず、続けて言ってやった。

「いろいろ問題がある人ですけれど、法華経信者なのに全然それっぽくないのがいいですよね」



先輩は黙った。

……それ以来、彼は私を避け、そのあと一悶着あり、交遊が途絶えてしまったのだが。残念なことである。


ところで、その時は反射的に答えたのだが、今になってうまいこと言ったなと思うのだ。あの二人って、やってることは似ているなぁと。年も4歳しか違わないし、案外似た者同士なのかもしれない。

2013年10月14日月曜日

預言カフェをご存知ですか?

東京の山手線のとある駅の近くに、コーヒー1杯を頼めば未来を占ってくれる喫茶店があるという噂を聞いて数年経つ。

興味はあったものの、そこまで暇でもなく放置していたのだが、先日時間があいたので、ふと思い立って、ネットで調べて高田馬場にある「預言CAFE」へと足を運んだ。

山手線の高田馬場駅の戸山口を右に出て、道路を左側にまっすぐ進むと、通信教育講座で有名なユーキャンのビルが見える。それを通り過ぎると右側に赤い屋根の小さな喫茶店が見える。それが預言CAFEだ。

未来を当てるのは予言だが、このCAFEでもらえるのは「預言」
【預言とは】
キリスト教で、神託を聴いたと自覚する者が語る神の意志の解釈と予告。また、それを語ること。
――goo辞書より――
そう。ここは占い喫茶の体を装いながら、その実キリスト教の布教のために作られた旗艦店なのである。ところが、占いが本格的で勧誘もほとんどされないものだから、いい噂が広がり、人気店となったようだ。

平日の昼下がりだったが、店の中にはすでに数十人もの人が順番を待っていた。ノートに名前を書いて、私も椅子に座る。本名を書くのが嫌だから、私は偽名を使った。

1時間近く待っただろうか。ようやく名を呼ばれて席についた。中は小奇麗である。
テーブルの上には書籍があり、表紙にデカデカと、
「お買い求めください」
と書かれていた。アメリカの田舎で生まれたキリスト教のある一派が、日本で布教するにいたったきっかけなどが書かれていた。
注文したコーヒーはすぐにやってきた。 1、2分ほどすると、横に40から50ほどの年齢の女性が座る。それはさきほどまでウエイトレスとしてコーヒーを運んでいた女性である。

(まさかこの女性が占うんじゃなかろうな)
と危惧していたが、案の定、彼女が占い師だった。私は落胆した。
(もっとそれらしくないと、信じられないよ)

私の落胆を尻目に、彼女は淡々として、
「では、始めさせていただきます。よろしいでしょうか」
などと言うので、慌てて私はiPhoneを彼女に渡す。

ここの店は、預言を何度でも反芻できるように、録音機での録音を推奨している。
今では誰もがスマートフォンを持っているので、周りのテーブルでも、それで録音しているのがちらほら見えた。

さきほどまでの雰囲気とは一転、その女性はよどみなく、神様から与えられたという「預言」を語り始めた。その長さ、約4分である。

自分が同じ立場だとして、同じように話せるか、と問われれば自信がない。何かコツがあるのだろうが、面白い。確かに知らない人が見ると、人智を超えた何者かが彼女に憑依しているようにも見える。ユタやイタコもかくや、という代物である。

語る内容にも驚いた。ちょうど私がその時に抱えていた悩みを解決するのにドンピシャなものなのである。喫茶店に入って私は本を読み、誰とも何も語らなかったにも関わらず、私の抱えていた疑問を見透かし、それに合わせた答えをドンピシャと、よくぞ出せるもんだね。

不思議な話だ。占いだから、誰にでも当てはまることを言うもんだと思っていたので、面食らった。

コーヒー1杯の値段が700円とお高いものの、通常あの量のことを語ってもらうならば街角の占い師に3000円払う必要があるのだから、お得だろう。

暇な人は行って損はない。