2012年8月27日月曜日

新規公開株で、詐欺師がだます手口 下


昨日の続きです
それから見せられたのが、証券のコピー。
証券だけでは信用されない、と思ったのでしょうか、昨日アップしたパチロットの意匠登録証などのコピーも見せてくれました。


こっちはもちろんはなっから投資するつもりはありません。それよりも、どうして彼らがこのように嘘を平気でつけるのだろうと、彼らの経歴について尋ねてみました。

一人は三重の高校を卒業後、証券会社に入社。その当時は今ほど証券会社の地位も高くなく、営業で苦労したといいます。40代も終わりの頃、子会社に移り、給料が大幅にダウンしたので早期退職制度を利用して退社、今は知人の会社にお世話になり、こうして顧客開拓に日夜励んでいる、というのでした。もう一人も似たような経歴です。

「この事業がうまくいくとは思いませんけど……」
と突っ込む私に、二人の老人は、パチンコ業界の問題点について、語ってくれました。

既存のパチスロ機、パチンコ機のメーカー業界は、非常に排他的で、同業他社の参入を強固に拒んできたこと、公正取引委員会から排除勧告を1997年に受けても、実態はそのままであることなどなど。

そこにこの機械の参入の余地があるのだそうです。パチンコ機でもなく、スロット機でもない第3の遊技機なので、パチスロ機などとは競合せず、しかも現行の法律にも従わなくてもいい、という良いとこどりだ、というのです。

「そんなうまい話、あるわけないでしょ?」
そう指摘しても、二人は、いや、大丈夫だ、と食い下がり、こんな資料を見せてくれました。一生懸命に作ったのでしょうね。

競合企業分析もバッチリです。
彼らの態度には真心が籠っていて、いささかも嘘偽りを感じ取ることができませんでした。穏やかに、ゆっくりと、噛んで含めるように話す彼らの態度を見ると、信用しないと悪い気持ちになりました。もっとも、結局、お話だけ聞いて、その場を離れましたが。

しかし彼らは諦めません。その後何度も営業の電話がかかってきました。二度と会いませんでしたが。

ちなみにこの、株式会社ゴールデンマーケット。住所は日本橋箱崎町18-11HIKARIビル2Fとなっており、名刺に載っていた電話に昨日電話してみましましたが、予想通り、現在は不通。つながりません。

パチロットなる製品は、数年後の今にいたっても市場に出回ってはいないようです。投資していなくて正解でしたね。

詐欺に多くの人々が騙されるのは、たとえば「経済革命クラブ(略称KKK)」の会長のような(覚えてますか?ちょび髭の人)明らかに怪しい人物がリーダーだったとしても、実際の営業マンたちは虫も殺さないような人物たちばかりなのかもしれません。
よく、
「相手を見れば、信頼できるかどうか分かる」
という人がいます。でも、上京していろいろな怪しい人々に出会ってきた経験から申し上げますと、それは、無理じゃないでしょうか。

まずは、話の内容を論理的に吟味するのが重要です。話の内容以外の人柄や態度で判断すると、騙されることになります。

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