2012年8月15日水曜日

人体実験のアルバイト あるいは治験体験談 ⑤


一度参加すると三ヶ月は治験に参加できないとう規則があったため、すぐに別の治験に参加することはできません。

もう一度参加しようか、今度は、未だ募集しているクモ膜下出血の治療剤の治験にでも参加してみようか、どうしようかと悩んで、数ヶ月経ちました。

治験の参加をあきらめさせる、決定的な話を聞いたのです。

引っ越しのバイトで知り合った人間と、再び、今まで経験したバイトについて情報交換をしていたときのこと。相手も偶然治験に参加していたことを知りました。

「あれは美味しいよね」
と私が話をふると、
「まさか。全然美味しくない。俺は二度と参加しないよ」
と彼は答えます。

「なぜ?」
「俺の友達、あれで頭がおかしくなったもん」
「・・・・・・え?」

彼の話は、衝撃的でした。

彼と友人が参加したのは、50万円の精神疾患の治療薬の治験です。私と同じように、ベッドに寝かされ、治験薬を注射されて数時間後のことでした。友人が突然意識を失って、倒れてしまったそうです。

参加者のほとんども、彼も含めて全員の気分が悪くなったために、治験は中止。
それから一ヶ月、全員が強制入院となったのだといいます。

「一ヶ月後に退院したけれども、ふざけたことに、50万円しか振り込まれなかった。そりゃ、治療費や入院費は向こう持ちだったけれども、普通慰謝料くらい払うでしょ。それはないなと思ったけど『誓約書にそう書いている』と言われて終わりだった」
「友達は?」
「もう退院したけれど、後遺症は残ったまま」
「……どんな?」
「……目の焦点が合わないんだ。俺が見ても分かる。蠕動(ぜんどう)というらしいけれども、瞳がずっと、小刻みに動きっぱなしで止まらないんだ・・・・・・」


怖い。果てしなく怖い。

その話を聞いた私はようやく、今後は、たとえ塗り薬のような簡単な治験であっても、参加するのをやめようと決意しましたね。その後、TGN1412事件なdの話を聞きまして、この種の臨床試験では事故も珍しくないことを知りました。

怖い話はそれだけでは終わりませんでした。
その一年後のこと。その施設の前を偶然通りかかった時のことです。


※昨日一度公開していたのに、再編集する際に下書きに戻してしまったようです。失礼。


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