2012年12月31日月曜日

美輪明宏と死生観

地獄を極楽にする方法
美輪明宏が、本日の紅白に出場します。

紅白初出場者の最高齢である77歳であり、北島三郎よりも一つ上。方や芸歴60年の大ベテラン、方や演歌界の大御所。楽屋の序列はどうなるのだろうと、下世話なことが気になります。

この方の簡単な経歴を紹介しますと、1935年に、長崎にて、遊郭でカフェを営む裕福な家庭で生まれ育つものの、戦争の影響で家が没落、上京してホームレスをするものの、その美貌が目に留まり歌手デビューしたのが1952年、17歳のとき。

やがてスターダムにのし上がり、その存在が三島由紀夫や吉行淳之介、寺山修司などの当時の一流文化人に注目され、演劇人として特異な地位を築き上げ、今に至るというものです。

でも、今の10代、20代の人々にとって美輪明宏を知るきっかけになったのは、まずはジブリの声優としてであり、次が「オーラの泉」ではなかったでしょうか。

舞台俳優として有名でありながら、スピリチュアルに造詣が深く、時には除霊までしてしまう姿を見て、あっけにとられたに違いありません。


私は彼のそのような特異性を、「オーラの泉」が始まる前、彼の著書「紫の履歴書」を読んで知りました。

当時は三島由紀夫に愛されたホモセクシャルの俳優という知識しかなかったのですが、大変強い意思と美意識を持ち、権威を否定し、現実を直視しながら芸術を追求していこうとする信念に圧倒されました。彼のことを知れば知るほど、その反骨精神、批判精神に魅力を感じたものです。

ただ同時に、その合理精神と、輪廻転生や霊の存在を信じるという非科学的な人生観とが同居することが不思議でした。

「自分は天草四郎の生まれ変わり」
「私には背後霊がみえる」
「除霊なんて簡単」
などといった発言が彼の著書にはてんこもりでした。今では皆さん、当たり前のようにご存知の内容ですが……。

その中にすら、反骨精神が根強く、熱烈な法華経信者のくせに、創価学会が嫌いという、徹底した反権威主義者なのです。そこまで徹底しているのならば、もっとドライな合理主義者であってもおかしくないのに……と不思議に思ったのです。

「彼には霊が見えるからだ」
と言ってしまえばそれまでですが、それ以外に何かあるのではないか、とつらつら考えていた時に、死生観は死体と人生の関わりの中で生まれるのではないだろうかと思いついて、ふと合点がいったのです。


どういうことかといいますと、たとえば砂漠では、死体は腐るよりも先に乾燥していくことが多いものです。そうしますと、蛹が蝶になるのを待つように、黒く縮んだ死体が土の中で眠っているのをみる機会が多くなります。そんな砂漠で生まれた宗教は、死後、魂は眠りにつき、最後の審判の日には復活する……という考え方へと傾倒していきます。

それに比べて、インドのような亜熱帯では、死体はすぐに腐り、蛆に食べられて消えていくのを目の前にすることになります。そこでは人間の魂が、様々な動物へと生まれ変わっていく、という輪廻転生説が違和感なく受け入れられる土壌があるのではないか。

前者から生まれたものがユダヤ教やキリスト教、イスラム教であり、後者から生まれたのがヒンズー教や仏教です。

美輪明宏が人間の死を強烈に意識したのは、原爆でたくさんの人が亡くなったのを見たことでしょうし、その後彼が10代の頃に、「アポロン」と呼んだ最愛の人が自殺したことも、彼の死生観につよく影響を与えたに違いありません。何よりも、男の体でありながら、同性しか好きになれない自分の魂と肉体の齟齬に、強く悩まされてきたのでしょう。

その彼の違和感を整合的に説明できるのが輪廻転生説であり、天草四郎時貞の生まれ変わりであるという自負であり、霊の存在であるのでしょう。挫折と復活の繰り返し、堕ちても必ず救いの手が差し伸べられるという奇跡もまた、カルマの法則、正負の法則というものを確信させるにいたったのでしょう。彼が話していたことは、彼の人生そのものでしたし、だからこそ説得力があったのだろうと考える内に、彼の言葉がストンと腑に落ちたのでした。

この方、どのように批判を受けようとも、いつも堂々としています。かといって偉ぶるのではなく、大御所なのに権威になることをかたくなに拒絶するというところが素晴らしいですね。

果たして彼は、本日、どのような歌を披露するのでしょうか?

2012年12月30日日曜日

最近気になった記事 12/30

本日も昨日に引き続き、最近読んで気になった記事のご紹介です。

★ Appleを見習えとかいう経済学者たちは経済をわかってない
アップルという特別な企業をもてはやすのではなく、農業のような大量雇用を生み出す産業創出に尽力すべし、との由。

もっともですが、農業を産業として成り立たせるのは、ユニクロの柳井正も失敗したくらい難しいことです。

最小限の現金収入さえあれば自給自足できるモデルを作り、後は彼らをその中に放り込んでいく、などの発想の転換が必要なのでしょう。


★ 日本化の兆し:行き詰まった英国社会数十年前まで行き詰まって衰退していく成熟社会のことは「英国病」と呼ばれていたのを思い出します。


★ 怒鳴る上司に、怖い先輩――「恐怖」で人を動かそうとする人たち
他人を動かす一番簡単な方法は、怒鳴りつけたり暴力を振るうことであり、同時に一番ゲスな方法でもあります。日本で、これがおかしいことであり、最低の行為であるという合意が早く出来上がらないかな。


★ 中国のジニ係数がとんでもない異常値な件
北朝鮮を見ていますと、どれほど民衆の不満が高まろうと、アメリカのような敵対国が応援するのでもない限り、全体主義国家で革命を起こすことは大変困難であろうと予測できます。

それに革命が起きても、その後の社会がもっと良くなる可能性はありません。


★ 面倒な便器と浴室の掃除が一気にラクになる!! 便利な洗剤&洗浄剤 ~清潔感ある部屋に住まうライター、藤原大蔵の場合
これは便利。本日明日は大掃除にとりかかる人も多いでしょうから、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。


★ 「孫正義社長と私はやっぱり違う」
福田元首相の辞任会見での捨て台詞を思い出しました。そういえば彼と顔も似ています。


★ なぜ、若者は前略プロフィールから離れていったのか | 人気を博した理由
前略プロフィール、流行りましたね。Googleで人名を検索すると、同姓同名の学生たちの前略プロフィールが一斉に出てきて邪魔でした。


★ コンクリ-トが生んだ「作りっぱなし」の罪
コンクリートの耐用年数の限界が、これから一気にやってくるようです。大丈夫か、日本?!


★ ネットの犯罪予告ではあっさり逮捕され、現実の脅迫犯が捕まらない理由
「割れ窓理論」というものもありますからね。出来るところからコツコツと。


★ 島耕作がしたことは現実のパナソニックに当てはめると全部失敗している
島耕作の行動を以前はうらやましいとおもったものでしたが、今読むと、仕事はできるが下半身にだらしない人間にしか思えず嫌悪感が先に立ちます。

★ ライターになるために必要なたった1つの資質 - Parsleyの「添え物は添え物らしく」
ここまで割り切れるライターは少ないので、彼の需要が途切れることはないのでしょう。割り切るのは大切ですね。彼に会ってみたいな……。


★ カカオが豊富に含まれるダークチョコはしつこい咳に効果ありと判明!! 英病院調査
先日99%カカオチョコというのを食べました。苦いだけのチョコレートでしたが、あれなら健康に効きそうでした。良薬口に苦し。


★ 【動画】”水の上を歩く男” が現れ、ロンドンの街は大騒ぎに
水の下にガラスを用意したか、縄を張ったか、アクアラングを背負って棒を持った人間が潜んでいるのでしょう。すごいな。

2012年12月29日土曜日

最近気になった記事 12/29

本日は、最近読んで気になった記事のご紹介です。

★ 父親に聞いた管理職として「ダメなチームをデキるチームにする必勝パターン」
この必勝パターンは知っていると役立ちそうです。
キーパーソンをみつけて彼を中心として改革を進め、自分はボトルネックとなる人物をフォローするという裏方に徹し、誉めてチームの承認欲求を満たしながら自分の思う路線へ皆を誘導する……すべて理屈に合っています。


★ Spider shows 3D printers what's what, sculpts giant replica of self
自然はときにあり得ないものを創造します。

自分の網上に、大型のクモの模様を描くクモがいるだなんて……。
このような存在が神の手によるものではなく、自然淘汰の結果生み出されるなんて信じられませんが、事実だから仕方ありません。


★ 時事ドットコム:恋実らず凶暴化=ゾウ、次々殺人
ひどい事件でしたが、笑いました。このエネルギーを別のことに使えばいいのに。とばっちりもいいところです。


★ 「「無断で病院に多額の広告料要求」 日本肝胆膵外科学会が週刊朝日に抗議 」
経過を注目していたところ、結局、週刊朝日がお詫び文を掲載しました。
「手術数でわかるいい病院2013」に関する日本肝胆膵外科学会からのご指摘について
橋下徹関連の記事といい、週刊朝日は最近ケチがついています。
雑誌社はどこも広告集めに必死とはいえ、少々ガタが来ているのではないでしょうか。


★ サムスンの決定はなぜ世界一速いのか
トップの決定が早いということは、トップの朝令暮改に右往左往している社員が大勢いるということでしょう。壮絶なブラック臭が漂います。


★ 「柳井正は人として終わってる」 鬱→休職→退職の新卒社員が語るユニクロの人材使い捨てぶり
元ユニクロ社員の内部告発です。日本の悪いところは、労働基準法がザル法で、法令違反の中小企業を当局が放置していることです。景気が悪いときこそ労働者を守らなくてはならないのに、民主党が労働者のために立ち上がることは、政権を担っていた時代、とうとうありませんでした。彼らが保守的対応をとれないのは当然としても、せめて左翼なりの筋を通して欲しかったのに、彼らのもとでもブラック企業は変わらず跋扈し続けました。

民主党は本当に不愉快な政権でした。


★ Choke Point | 【コラム】Xboxは何故日本で失敗したのか
Xboxが日本で失敗した舞台裏の話です。マイクロソフトの社員が日本人の気持ちをつかむために会議や打ち合わせで神経をすり減らしていく様子がよく描けています。

しかし、岡目八目ですが、無駄な努力が多かったように思います。マクドナルドが藤田田という怪人物を利用して日本中にマック店舗を広げたように、マイクロソフトもホリエモンのような人物に白羽の矢を立てて彼に日本での事業を一任すればよかったのに。どうにも官僚臭がマイクロソフトには漂ってなりません。


★ 母親が純と愛とジャニーズとテレビと政治のせいで自殺した
母親が自殺したことを、アフィリエイトだらけのブログで告白するという一風変わったスタイルが、とても斬新でした。

感情の吐露を広告を使って表現する、というのは、初めての試みではないでしょうか。よくここまで客観的になれるもんです。後世において、高度資本主義社会を象徴する一作品として、有名に屋もしれません。

ただ、私が観たときはもっと広告が多かったのに、どうやら広告を減らしたようです。魚拓をとっておけばよかったな……。


★ サイゾー「ペニオク詐欺 加担した芸能人の罪」
芸能界を大きく震撼させたニュースでしたが、年の瀬も押し迫ると、もう話題にする人がいなくなりました。残念!


★ 就活論を熱く語ってる人間には、それでメシ食ってる人間か、女子大生と一発ヤリたい人間くらいしかいない。
就活論を熱く語る人間は、女子大生といいことができるようですよ!!


★ 日本軍将兵の証言・手記にみる慰安婦強制の実態
従軍慰安婦の問題を考えるとき、ないがしろにされているのが日本人従軍慰安婦の方々の存在です。本当に従軍慰安婦という存在自体を唾棄すべきものと考えているのならば、韓国人の元従軍慰安婦とそれを支える人々から、日本人元従軍慰安婦との共闘を唱える声が出てきてもおかしくないのに、それはありません。

そうしますと、結局彼らは韓国政府が自国に世論を有利に導こうとするための手駒であり、普遍的人権を大切にしようとする人々とは思えないわけです。

このid:dj19のブログでは日本人従軍慰安婦たちはどのように集められてきたのかが紹介されていて、大変興味深いです。


★ 日本が韓国に行った経済、技術支援の一部 改定版
こんなにあるんですか?!


★ 『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』 なぜ、ルネサンスが起きたのか?
『物の本質について』という本の存在を知りませんでした。知的興奮を刺激されます。


★ 代替治療 : スイス文化に根強く残る信仰療法
西洋にも民間療法があるのですね。意外でした。

2012年12月28日金曜日

TSUTAYAでしか借りられないDVDタイトルと、独占契約の影響

キック・アス DVD
近所にあるDVDレンタル店は、TSUTAYA系列以外の大手で品ぞろえが豊富です。でも、私が観たい『キック・アス』をなかなか入荷してくれません。

店員に尋ねても「入荷予定、まだないんですよね」と答えるばかりでした。

人気のある映画ですから、いつか入荷するだろうと気長に待っていた先日「レンタル独占契約」のことを知りました。

★ ツタヤの「レンタル独占」問題から見えた2つの弊害

要は、TSUTAYA以外ではレンタル出来ない映画タイトルがあるということです。こんなからくりがあったとは。

もちろん、私が観たかった『キック・アス』もTSUTAYA独占レンタルの対象でした。そりゃ、いくら待ってもあそこじゃ入荷しないはずです。

TSUTAYAのやり口は、大変汚いと感じます。寡占業界の悪いところは料金設定を供給サイドが完全に抑えてしまうことです。数年前住んでいた場所では、TSUTAYAが近所にやってきて、1タイトル1週間100円という安さでDVDのレンタルを開始した結果、半径2kmのレンタル店が軒並み廃業に追い込まれました。

ところがその後TSUTAYAは数年をかけてジリジリとレンタル料金を値上げし、最終的に一週間のレンタル料が400円近いになったのですから、暴騰もいいところです。このデフレ時代にこれほど値上がりをみせたものは、他になかなか見当たりません。

TSUTAYAでしか借りることの出来ない映画タイトルは、本日時点でこれだけあります。年末年始に映画を観て過ごそうと思っている人々は、お出かけの前にこの一覧表を参考にすることをお勧めします(だいたいアイウエオ順ですが、ずれているのもあります)。
1.『千日の約束 』
2.『2010 TAEYANG 2ND CONCERT [SOLAR] 2 』
3.『2010 YG FAMILY CONCERT2 』
4.『96ミニッツ 』
5.『アイアンクラッド 』
6.『アイアン・ドアーズ 』
7.『愛してる、泣かないで 』
8.『愛情万々歳~ブラボー!マイ・ラブ~ 』
9.『愛は簡単じゃない 』
10.『愛∞無限 』
11.『アウェイクニング 』
12.『アタック・ザ・ブロック 』
13.『アフターライフ 』
14.『アポロ18 』
15.『アメイジング・スパイダーマン 』
16.『アンジェラ 』
17.『アンニョン!フランチェスカ<シーズン1> Vol.3 』
18.『アンニョン!フランチェスカ<シーズン2> Vol.1 』
19.『アンニョン!フランチェスカ<シーズン3> 』
20.『アーサー・クリスマスの大冒険 』
21.『美男<イケメン>ですね デラックス版 』
22.『美男<イケメン>ですね 劇場編集版 』
23.『美男<イケメン>バンド Vol.5 キミに届けるピュアビート 』
24.『美男<イケメン>ラーメン店 』
25.『いばらの鳥 』
26.『ザ・インシデント 』
27.『インドシナ HDリマスター版 』
28.『INFINITEのゴマ粒プレイヤー vol.1 』
29.『INFINITE 私のお兄さん 』
30.『美しき人生 』
31.『エネミーオブU.S.A 』
32.『「F」エフ 』
33.『エージェント・ハミルトン 』
34.『エージェント・マロリー 』
35.『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW 』
36.『俺たちヒップホップ・ゴルファー 』
37.『奇跡のロングショット 』
38.『キック・アス 』
39.『キム・マンドク 美しき伝説の商人 』
40.『CAT SHIT ONE -THE ANIMATED SERIES- 』
41.『キルショット 』
42.『キング~Two Hearts Vol.1 』
43.『百済の王 クンチョゴワン(近肖古王) 』
44.『雲を抜けた月のように 』
45.『クライムダウン 』
46.『クリスマスに雪は降るの? 』
47.『グラバーズ 』
48.『ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ) 』
49.『結婚って、幸せですか 』
50.『結婚の裏ワザ 』
51.『恋する国家情報局 』
52.『恋するポルノグラフィティ 』
53.『広開土太王-こうかいどたいおう- 』
54.『ゴートゥーヘル 』
55.『Shine A Light1 』
56.『シュガーケーキガーデン Vol.4 』
57.『新少林寺/SHAOLIN 』
58.『CNBLUE SPECIAL vol.1 』
59.『INFINITE JAPAN 1st LIVE LEAPING OVER 』
60.『ジャングル・フィッシュ 』
61.『スカイライン-征服- 』
62.『スキャンダル~春香を愛した男~ 』
63.『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション 』
64.『ススメ!アシュラくん 』
65.『スピーク 』
66.『スーパーヒーロー ムービー!! -最‘笑’超人列伝ー 』
67.『7 赤道の男 』
68.『『07-GHOST』 』
69.『センチュリオン 』
70.『捜査官X 』
71.『ソウル・メン 』
72.『孫子兵法 』
73.『ソード・ロワイヤル 』
74.『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら 』
75.『タワー・ブロック 』
76.『大丈夫、パパの娘だから 』
77.『チュノ~推奴~ 』
78.『チョ・グォンとガインの私たち結婚しました collection vol.4 』
79.『テレビ小説 ボクヒ姉さん vol.6 』
80.『TEN インターナショナルバージョン Vol.2 』
81.『天使の誘惑 』
82.『ザ・デイ 』
83.『ディア・ブラザー 』
84.『This Is My Style -Brown Eyed Girls- 』
85.『トキメキ☆成均館スキャンダル<完全版> 』
86.『トキメキ☆成均館スキャンダル <劇場編集版> 』
87.『トキメキ☆成均館スキャンダル<ディレクターズカット版> 』
88.『トランジット 』
89.『トータル・リコール 』
90.『ドラゴン桜<韓国版> 』
91.『ぬいぐるみのラパン 』
92.『ヴァンパイア検事 Vol.6 』
93.『ヴァージニア 』
94.『パスタ ~恋が出来るまで~ 』
95.『パッション・プレイ 』
96.『PAN AM/パンナム 』
97.『パンパカパンツ 』
98.『パーフェクト・スナイパー 』
99.『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会 』
100.『2009 Live Concert BIG SHOW 2 』
101.『2010 Live Concert BIG SHOW 2 』
102.『2011 Live Concert BIG SHOW 2 』
103.『ビーストリー 』
104.『ファンボーイズ 』
105.『フランス、幸せのメソッド 』
106.『ブラザーズ・ブルーム 』
107.『ブレイン 愛と野望 』
108.『プッシング・デイジー~恋するパイメーカー~ 〈ファースト・シーズン〉 』
109.『ヘッドハンター 』
110.『へんしん!!じゃがポテ仮面~煮っころがし~ 』
111.『ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー 』
112.『ボクとマウミの物語 』
113.『ポセイドン<完全版> 』
114.『マザーズデイ 』
115.『manny(マニー)~ママが恋したベビーシッター 』
116.『迷わないで 』
117.『マリリン 7日間の恋 』
118.『ミス・リプリー <完全版> 』
119.『ミッシングID 』
120.『ミヘギョル~知られざる朝鮮王朝 』
121.『メイク・イット・ハプン! 』
122.『ザ・メタ・シークレット 』
123.『モリのバンピーノ 』
124.『モンスター・イン・パリ (インターナショナル版) 』
125.『闇を生きる男 』
126.『雪の花 』
127.『LIGHT UP NIPPON 』
128.『ラバー 』
129.『ラブ&マネー 』
130.『ラブリー・モリー 』
131.『リトル・フィッシュ 』
132.『レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース 』
133.『レイク・マンゴー~アリス・パーマーの最期の3日間~ 』
134.『レイン・オブ・アサシン 剣雨 』
135.『レコード~シッチェス別荘殺人事件~ 』
136.『レッド・ヒル 』
137.『恋愛ルーキーズ 』
138.『ロイヤルファミリー 』
139.『ROCKER 40歳のロック☆デビュー 』
140.『ロマンスが必要 』
141.『私だけのハッピー・エンディング 』
142.『10億円稼ぐ 』
それにしても、こんなことをやっていては、業界自体が衰退してしまいます。

インターネットの技術革新で、大量の情報をやり取りできるようになった結果、簡単に映画を自宅で観ることができるようになりました。ネット上で有料会員になれば、映画を簡単にダウンロードできる時代、来店型の業態は少々古めかしいかもしれません。

でも、すぐになくなるものでもなく、衰退のスピードは、遅ければ遅いほどいいはずです。ところがTSUTAYAの映画タイトルレンタル独占は、DVDをレンタルする習慣のある顧客総数を減らすことはあっても増やすことには貢献しません。

タイトルの囲い込みによって顧客を独占できるのは、都心部で競合店がひしめき合っているような環境だけです。そもそもTSUTAYAのない地域では既存TSUTAYA店に影響を与えません。

近くのレンタル店でお目当てのDVDを借りれない人々は、我慢するしかありません。そこをTSUTAYAが宅配レンタルやオンライン配信ですくい取ろうという計画でしょうが、宅配レンタルにはすぐに借りることができないという欠点がありますし、TSUTAYAのオンライン配信では定額料を取られることに抵抗感がある人々が多く、そうそう普及するものでもありません。

そうなると、TSUTAYAを通すよりももっと手軽な、動画配信アプリでもダウンロードしようか、という人が指数関数的に増えていくでしょう。その顧客はアップル社などに取り込まれていくでしょう。彼らが転居してTSUTAYAの近所に住んでも、TSUTAYAでDVDを借りることは最早ないでしょう。

この流れがある臨界点を突破したとき、せっかく創出されたレンタル顧客層は壊滅状態となり、DVDレンタルという行為自体がAMラジオを聴くことのように古めかしく嘲笑の対象となり、ついには業態自体が成り立たなくなってしまうのです。

どうせ衰退するにしても、飛行機が段々と着陸するようなソフトランディングと、隕石の衝突のようなハードランディングとは異なります。ゆっくりゆるやかに衰退していけば、他の業態へ時間をかけて移ることも比較的容易なのに、自分の首をしめるTSUTAYAさんはバカだなぁとしきりに思うのです。

2012年12月27日木曜日

田中みな実の演技と素顔

テレビを捨てて以来、芸能界の話題はいつも周回遅れで入ってきます。

「田中みな実」というアナウンサーのことは、オリエンタルラジオの藤森との交際報道で名前を知ったくらいなので、モノ知らずもいいところです。とはいえ、彼女に興味が沸かず、関心の的は藤森でした。それも、直後に週刊誌で大層な醜聞が報道された後、週刊誌の中吊り広告で彼の名前を電車の中で見かけて、
「どうやってこの問題に決着をつけるのだろう」
と、ふと考える程度でした。

彼の醜聞を心配する田中みな実アナウンサーのことを取り上げた記事を読んだこともありましたが、その時点でも彼女に関心を持てませんでした。

俄然関心を持ったのは、伊集院光のラジオ番組の聞き書きを紹介する、この記事を読んでからです。

★ 伊集院光「田中みな実の性格の悪さを暴露した青木裕子」

彼女の冠番組『田中みな実のあったかタイム』では、同僚をゲストに呼んで話を聞くコーナーがあるそうです。そこで語られる女性同士の本音トークを前に唖然とする伊集院光の解説が面白く、
(いったい、この田中という女性はどんな女性なのだろう?)
と興味を強く引きつけられたのです。

動画を見ると、すぐに見つかったのがこの映像(たぶんもうすぐ消されると思いますが)。
これは凄いですね。皆さんから人気が出るのも分かります。

割りきって「女子アナ」を演じる度胸、そして時折漏れ出る図太さに感心しました。ところが、ラジオでは彼女は自分の素らしきものを出しています。勝気で、嫌なものは嫌だとはっきりと主張し、他人の間違いを決して許そうとしない自己中心的な姿です。
彼女が普段演じる、期待されるかわいい女性像と、ラジオで青木アナが披露した勝気な田中アナの姿の間には、かなりのギャップがあります。そこまで演じ切ることが出来るのは、相当の技量が必要です。

普通は、視聴者に対して、
「本当の自分を見せたい」
という欲求が立ち現れるもので、キャラを演じていても、その中になんとか自分を割りこませようとするものですが、彼女は割り切っていて、自分を消し去り、普段と異なる女性像を堂々と演じ、
「あなた方が要求するのはこんな態度のアナウンサーですよね?」
という提示を彼女は行えるのでしょう。
その演技力に感心しました。仕事と素顔が完全に別なのでしょうね。

ところが、職場の同僚との交際は、半分仕事で半分プライベート。キャラと日常にギャップがあり過ぎる彼女にはどう振る舞えばよいのか分かりません。彼女が「そこにいるだけで緊張してしまう」と告白しているのは、理解できます。その場のとまどいが目に見えるようでした。

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ただ、彼女の話を聞いていて、ふと考えたのは、ときおり見せる素顔ですら、実は作り上げたものなのかもしれない、ということです。

彼女を観ていて、元TBSアナウンサーだった、故・川田亜子さんのことを思い出しました。彼女も、ぶりっこキャラを演じていましたが、その小悪魔キャラ、嫌な女キャラと、普段の自分とのギャップに苦しみ、その迷いに魑魅魍魎どもがつけこんだため、彼女の人生は滅茶苦茶になりました。

同じTBSにいるので、田中アナは川田アナの悲劇のことを充分すぎるほど知っているはずです。川田アナが女子アナを演じて自滅したことはもちろん、陰で本当は何があったのかも、私達よりよく知っていることでしょう。そして、自分は同じ悲劇を決して犯すまい、と強く決意しているはずです。

そんな彼女が取ろうとしている方法の一つが「仕事では演じきる」ということでした。真剣に演じることで、逆に「この人の素顔は本当は別にあるはずだ」と誰もが気づいてくれるでしょうし、そのことにも彼女は気づいているでしょう。

そして、もう一つの方法が、たとえプライベートでも気を許さない、ということなのかもしれません。

相手が嫌がろうと、間違っていたら絶対に許さない、という固い決意。おかしかったら一歩たりともひかない。多少露悪的であってもかまわない。むしろ、他人から嫌がられるくらいがちょうどいい。そういう風評が広がってくれたほうが、騙されなくて済む。そうすれば、他人からつけこまれることもありません。

どちらも本当の自分ではないからこそ、青木アナからいくら指摘されても、さほど腹を立てることがなかったのではないでしょうか。
「あ、裕子さんでも、自分のことをここまでしか分かってくれていないんだな……」
という、諦観と自負が、青木アナの退場後の、田中アナの落ち着いた語り口に垣間見えました。

嫌な女の部分も演じていたとしたら相当なものですが、多分後者は、無意識のうちの自己防衛です。絶対に負けない、譲らないという固い決意の現れです。

しかし、本当に気を許せる人の前では、また別の素顔があるはずです。

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2012年12月26日水曜日

臭い息のせいで街中の人が倒れるドッキリ

事情がありまして、しばらく英語漬けになる予定です。
そこで、今日からしばらくは省力モードでの更新となることをお許し下さい。

さて、本日はTic Tacという会社が仕掛けたドッキリ動画が面白かったのでご紹介します。

街で道を尋ねられたので教えてあげたところ、周りじゅうの人が、次々に倒れていきます。

そして、広場に自分だけが立ち尽くし、周りの人ば全て倒れてしまうという事態に陥るのです。

どうしましょう~?
振り返ると、なぜか巨大スクリーンがそこに登場します。

映像には、世界中の人々が次々に倒れている情景が映し出されるのです。

ここまで大掛かりだと、ドッキリだと分かりますよね。
そして、最後にTicTacというブレスケア商品を渡されて、それを口に入れたとたん、感動のフィナーレを迎えます。
周りじゅうが倒れたのは、道を教えてくれた人の息が臭かったせいだったのですね(笑)。

この感動を味わうためには、ぜひ動画をご覧ください。




2012年12月25日火曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ⑦

「猪瀬直樹・東京都知事候補の支援者たちが堂々と選挙違反!」より
A 作家・猪瀬直樹が交通事故鑑定人・林洋を週刊文春誌上で批判(1994.10)

B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否

D 林氏、『交通事故……』所収の全5事例全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)

F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)

H 林氏、上記小冊子を元に下に掲載した本を上梓(1996.3)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)
の続きです。

林氏が指摘することに対して、猪瀬氏と彼が連れてきた二瓶弁護士の反論はお粗末なものでした。

テクニカルタームが間違っていたことに対して、
「あのね、ここには『左折による巻き込み事故』とは書いてあるけれど、『内輪差による事故』とは書いてないでしょ」(猪瀬)
「それは単なる言葉の問題だよ」(二瓶)
という反論にならない反論を行います。
「自転車に刻印された二条のタイヤ痕は、タンクローリーが左折するときの内輪差によって生じたものだった」
と書いていたのは、猪瀬さん、あなたですから!! 残念!!

専門用語の使い方が間違っていれば、そうだと認めればいいのに。

宝島編集部は討論の前に、猪瀬氏のもとを訪れ「自転車は左の前前輪と前後輪でひかれたと説明された」そうです。それを討論の場で確かめられた猪瀬氏は「それは内輪差の説明をするため」だったという意味の分からない言い訳をします。

さらには、死角がどのように動くかについて林氏が、
 「二瓶氏の言うとおりだとすると、たしかに交差点の手前でタンクローリーが停車していれば、斜線の部分は見えませんよ」

「しかし車が左折するために前進を始めると徐々にこの死角は狭くなって、手前の横断歩道を越えた時点でなくなるんです。仮に自転車がタンクローリーの左手から来たとしても、運転手は衝突前に充分視認できた。死角の事故なんかじゃまったくありません」
という、もっともな反論を行います。そりゃ、目の前に自転車がきても、分からない運転手は普通いません。

それに対して二瓶弁護士は、
「死角の事故なんて一切言っていない」
という苦し紛れの反論をします。

林氏が、本にそう書かれている、「じゃあ、嘘が書いているということになるね」と畳み掛けたところ、猪瀬氏「嘘とはなんですか、嘘とは」と答えるので精一杯。

二瓶弁護士も
「だからこれはS鑑定に対する私の感想というか、裁判で主張したことを猪瀬さんに伝えたものなんですよ」
という苦し紛れの助け舟を出すだけでした。

結局猪瀬氏はどう結論づけたのか。
 「タンクローリーが右の車輪で自転車をひいたことは明らかである」ので、前輪と前前輪との間の内輪差によって、自転車に二箇所傷がついたということを「内輪差」という言葉で説明しただけ、という趣旨にすり替えたのです(「宝島30」)。

私も、このように毎日ブログを書いておりますと、大量の文章が積み重なっていくために、前後矛盾するようなことが出て参ります。そこを、ブログを読んだ人に指摘されることがありますが、その時には指摘されたことを感謝して、訂正に応じるようにしています。

ところが猪瀬氏は、反論自体を丁寧に精査するのではなく、相手との力関係を推し量って、発言権の弱い人間だと怒鳴りつけることで主張を通そうとし、相手が強いとこうやって言葉をすり替えることで、ことを済ませようとするのです。

上杉隆というジャーナリストがおりまして、この手の言い訳をよく行います。
ジャーナリストには、この手合いが多いのでしょうか……。

次第に林氏に反論できなくなった猪瀬氏は、
「あなたは鈴鹿氏の鑑定を直接みずして、自分の本だけを元に判断している、よっていい加減だ」
という、ドキュメンタリー作家としてどうなんだろう? 自分の本に対してプライドはないのか? と首を傾げる発言でなんとか誤魔化そうとして、この討論は終わりました。

……でもね、猪瀬さん。 さきに林氏の鑑定を一つも読まずに林氏を批判したのは、あなたなんですけれどね。


H 林氏、下掲載の書籍を上梓(1996.3)

林氏は一連の応酬をまとめて書籍にしていますが、ここにはその他の、猪瀬氏の犯したミスがいくつも網羅されています。

鈴鹿氏が鑑定をした裁判の結果が出た翌日に運輸省が大型トラックが巻き込み事故を起こさないような対策を取るように指示した、これは鈴鹿氏の功績だ、とかいう主張は噴飯物。運輸省が一裁判の翌日に、省令を出すようなことがあるはずもなく、半年前に決まっていたことを鈴鹿氏の功績に無理やり結びつけてみせるのです。

猪瀬氏の様々な牽強付会ぶりを喝破しているので面白いですよ。

林氏は、猪瀬氏が全共闘運動でアカデミズムを超えられると錯覚したものの、実力、考察が足りないために、権威によりかからねばアカデミズムを引き倒せないというコンプレックスを抱え続けているのではないか、という佐高信の分析を引用しています。

猪瀬氏には、権威へ挑戦しようとするスタンスで大衆を惹きつけるものの、そのために別の権威に頼らなければ自己を主張できない知識不足がと自身の欠如があるのでしょう。

その弱さを糊塗するために、より弱い者を叩いて自分を強く見せよう、という傾向があるように思えてなりません。そして、昨今の発言をみていくと、その傾向は強まりこそすれ、改めようとする気配に乏しいように感じられます。

猪瀬氏にこれから注目していく上で、この傾向を一つの指標として考察するのも、面白いかもしれません。



……ようやく終わった。明日からは別のテーマです。

2012年12月24日月曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ⑥

「猪瀬直樹・東京都知事候補の支援者たちが堂々と選挙違反!」より
A 作家・猪瀬直樹が交通事故鑑定人・林洋を週刊文春誌上で批判(1994.10)

B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否

D 林氏、『交通事故……』所収の全5事例全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)

F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)

H 林氏、上記小冊子を元に下に掲載した本を上梓(1996.3)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)
の続きです。

この時の討論の題材となったのが『交通事故鑑定人S氏の事件簿』の第三章第一話のタンクローリーの当て逃げ事故でしたので、この事故について簡単に説明します。第三話である小学校教頭の当て逃げ事故についても取り上げられていますが、冗長になるため、ここでは割愛します。ご興味のある方は、下記の本を購入ください。

事件の概要はこうです。
タンクローリーの運転手が交差点を左折しようとしていたとき、自転車に載っていた電力会社社員をひいてしまいました。この会社員は死亡、運転手が罪に問われますが、運転手の勤める運送会社が鈴鹿鑑定人に鑑定を依頼して「運転手には過失責任がない」ことを証明した、というものです。
この事件の目撃者である交番の巡査が、
「被害者は自分の立っていた交番から、横断歩道を自転車に乗って反対側へ渡ろうとしていたときに、タンクローリーがやってきた。被害者が右足で踏ん張ったために自転車がひっくりかえり、そこにタンクローリーがぶつかって被害者も跳ね飛ばされて亡くなった」
と証言しています。
運転手の言い分はこうです。
「横断者に気づかず、横断歩道を渡ったところでガチャガチャという音がしたので車を停めて確認したところ、右前後輪に自転車がからまっていた」
被害者はタンクローリーの右2、3メートル後方にうつ伏せに倒れて即死状態だったそうです。

さて、鈴鹿氏はどのように推理したのでしょうか。
タンクローリーのタイヤに踏まれて折れ曲がった自転車に、鈴鹿氏は注目します。
Aの右側支柱(下図の見えている側)には、タンクローリーのフロントバンパーの塗料痕がついていました。
もしも自転車が警察官の証言する通りに交番側からやってきたのならば、Aの部分の左側支柱に、タンクローリーのバンパーの塗料痕がついていなければならないのに、それがないのはおかしい。

そして、BとCの2ヶ所には裏側にタイヤで踏まれた痕があります。
このようなことが起こる理由は、タンクローリーのフロントバンパーによってまず自転車にぶつかり、Aの部分がひかれた後、さらにタンクローリーの左後輪で自転車のBとCの部分が押しつぶされた、ということです。

猪瀬氏はこう結論づけました。
自転車に刻印された二条のタイヤ痕は、タンクローリーが左折するときの内輪差によって生じたものだった。(中略)そして被害者の自転車に残された二条のタイヤ痕をあてはめれば、左折による巻き込み事故であることが証明できる。(中略)N弁護士に語らせよう。『被害者はまずタンクローリーのバンパーにぶつかり、それから車輪に巻き込まれました。歩道にあった工事のための高さ三メートルの鉄柵によって、U運転手には被害者が横断しはじめるところは見えませんでした。それでバンパーにぶつかってしまったのです』(中略)U運転手にとって、H被害者の自転車は死角に入っていて見えなかったということになった(『交通事故……』P126~128)
――鉄柵。
もしも、被害者がタンクローリーの左側から走ってきたのだとすると、タンクローリーの左側にあった鉄柵が、視界を妨げていたということが証明されます。運転手のせいではなく、工事のための三メートルの鉄柵が、運転手の視野を妨げていたのであり、運転手の責任ではなくなります。

結局、運転手は実刑を免れました。

ところが、討論以前に、猪瀬氏は交通事故における「テクニカルターム(専門用語)」が全然分かっていませんでした。
「内輪差による巻き込み事故」
とは、バンパーにぶつかり、前輪でひかれた後に、後輪でひかれること、ではありません。
大型トラックのように大きな自動車が、交差点を曲がる時には、前輪を避けても、後輪はそれよりももっと内側の軌道を描きます。

車体側面にぶつかった被害者が、自動車の床下に押し倒され、巻き込まれるようにして後輪にひかれることが「内輪差による巻き込み事故」といわれるものです。

よって、この事故は自転車が右側から走行したにせよ、左側から走行したにせよ、「全面押し倒し事故」(『偽りの……』P205)と呼ばれるものです。決して「内輪差による巻き込み事故」ではありません。それは、「宝島30」の編集者が警察庁広報課に確認して、厳然としたテクニカルタームであることが判明しています。

さらに、タンクローリー左方から自転車がやってきて、その荷台後輪(Aの部分)がぶつかったとしたら、自転車がタンクローリーの全面にすっぽりと入っていたというこであり、そこまで自転車が視界に入っていながら「横断者に気づかず」、ひいた後もわからない、ということは考えられません。

その上、自転車もはねられた人も、タンクローリーの右側に倒れているのです。それが何故なのか、猪瀬氏はまったく説明しておりませんし、鈴鹿氏もこれについて言及していないのです。

さらに、討論で明らかになったことは、自転車が引かれたのは、タンクローリーの右の車輪だったと鈴鹿氏が証言していたことです。それだと、内輪差などはなんの関係もありませんよね?


次回がラストです。いやぁ、長かった。

2012年12月23日日曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ⑤

「猪瀬直樹・東京都知事候補の支援者たちが堂々と選挙違反!」より
A 作家・猪瀬直樹が交通事故鑑定人・林洋を週刊文春誌上で批判(1994.10)

B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否

D 林氏、『交通事故……』所収の全5事例全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)

F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)

H 林氏、上記小冊子を元に下に掲載した本を上梓(1996.3)


F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)
林氏の主張は黙殺されてしまいそうに見えましたが、猪瀬氏が林氏の反論に反応したために、逆に業界の注目を浴びてしまったようです。
「雉も鳴かずば撃たれまい」
といいますが、まさに猪瀬氏、墓穴を掘ってしまいます。
『偽証鑑定』を書き上げ、マスコミ各社に送付したにも関わらず、反論の場を提供しようという出版社はなく、半分諦めていた私のところに『宝島30』の編集長から連絡があった。
昔は猪瀬のようなメディアの寵児に反論するためには、ひたすら出版社などのお声がかかるのを待つしか方法がありませんでした。

それが今なら簡単に自分のサイトで反論し、そこに説得力があるのならば、すぐにTwitterで拡散していくのが今の世の中。当時、林氏はご苦労されたようです。隔世の感があります。

それはともかく『宝島30』の誌面を提供された林氏、『偽証鑑定』に書いた内容のうち、2鑑定をさらに掘り下げて、検証を行ったのです。その影響は小さくなかったようです。

林氏にとって、猪瀬氏や彼が師事する鈴鹿氏の考え方は到底我慢できるものではありませんでした。
・最低限の知識のない人間が現場にきても、意味ある情報を把握することが出来ない。
・事故の直後にノウハウを持った警察官によって行われる実況見分や、事故調査会社の調査報告書から意味ある情報を手に入れることのほうが大切。
という信念を持っている林氏にとっては、闇雲に事故現場を歩き出して珍説をひねくり出す鈴鹿氏も、交通事故や自動車の構造上の仕組み、物理法則について知識を持たずに専門外から口を挟む猪瀬氏も、我慢ができない存在だったのです。


G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)
林氏、猪瀬氏、それと猪瀬氏側には交通事故の専門家なる二瓶弁護士がつきそい、1995年11月17日に宝島編集部で討論が行われました。

このときの討論の題材となったのは、猪瀬氏が鈴鹿氏の名鑑定として第一話に挙げた「左折事故の恐怖」でした。

これ、説明が難しいので……。続きは明日にしましょう(汗

~猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ⑥に続く~

2012年12月22日土曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ④

「猪瀬直樹・東京都知事候補の支援者たちが堂々と選挙違反!」より
「新都知事・猪瀬直樹氏について、あなたはどの程度御存知ですか?」
最近、折にふれて友人知人に尋ねるようにしています。そして、最多得票を得たというのに、新都知事のことを誰もがほとんど知らないことに驚きました。猪瀬氏はこれまで、小泉純一郎や石原慎太郎のようなカリスマの手足として活躍してきました。それ故に、日中の月のように、彼に注目が集まることがなかったせいでしょう。

果たして、猪瀬氏は指導者として適切な人物なのでしょうか?

誰もがすぐに挙げるのは、思い込みが強く、頑固、といったところです。……これは、指導者として一見、必要な資質です。

ただ、その強固な価値観に合致しない相手が自分よりも劣っていると、かさにかかって難癖をつけ、怒鳴りつけるような人物だったとしたら?
弱い立場の人間を威圧することで、自分の社会的地位を確認するタイプの人物だとしたら?
もっと言えば、理屈の通らない弱者イジメが好きな嗜虐的性格の持ち主だとしたら?

決して指導者としてふさわしいとは言えません。


もちろん、威圧的でも優秀な人間はいます。例えばスティーブ・ジョブズとか。ただ、彼は間違いがあれば即座にそれを認め、謝罪はしなくとも、すぐに何らかの対応を行うという美徳がありました。だからこそ、優秀な指導者として亡くなった後でも敬愛されています。その上、彼自身が複雑な生い立ちで、なおかつ大きな挫折を味わってきたため、弱者に対して優しい目を向けることを忘れませんでしたし、自分の欠点を正直に開示し続けてきました。

ところが猪瀬氏の昨今の言動からは、自分の欠点を覆い隠し、それを指摘されると見当違いのことを言ってはぐらかし、論理的に説明をすることではなく、威圧的に命令し、怒鳴りつけて物事を進めていくという人物であることが透けてみえます。

そんな彼が今から約20年前、権力を持たない弱い人間だと思って噛み付いたものの、一癖も二癖もある有能な人物が相手だったため、しっぺ返しをくらったことがありました。その時の彼の態度、行動を紹介することで、彼の人間としての原理原則をあぶりだす……これがここ数日のブログの目的です。

A 作家・猪瀬直樹が交通事故鑑定人・林洋を週刊文春誌上で批判(1994.10)

B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否

D 林氏、『交通事故……』所収の全5事例全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)

F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)

H 林氏、上記小冊子を元に下に掲載した本を上梓(1996.3)


D 林氏、猪瀬直樹著『交通事故鑑定人S氏の事件簿』所収の全5鑑定全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

林氏は『偽証鑑定』という小冊子を作って、猪瀬氏が紹介した鈴鹿氏の5鑑定が、どのように誤っているかを指摘する冊子を作りました。

そもそも猪瀬氏は、林氏の鑑定数が異常に多く、自身が信頼する鈴鹿氏の鑑定が少ないことをもって、林氏の仕事ぶりを杜撰だと決めつけたのですが、事実は逆なのです。

裁判では、交通事故時の記録と、それをもとにした鑑定が、裁判資料として利用されます。証人尋問時には反対尋問によって裁判官の目の前で徹底的に批判されます。三審制のもと、あるときは検事に、あるときは弁護士によって徹底的に検証されるため、それに耐えうるものでなくてはなりません。曖昧な鑑定、論理性の低い鑑定はすぐ、その矛盾を突かれるので怖くて利用できません。

ところが鈴鹿氏の鑑定は、インスピレーションや思いつきによるものが多く、科学的検証に耐えうるものではなく、仕事がこなくななったのです。逆に林氏の鑑定結果は大変論理的整合性に優れていたために、依頼を受ける鑑定数が多くなったのです。それがこの両者の差なのです。

実際のところ、林氏は鈴鹿氏の交通事故鑑定を2件叩き潰しているのだとか。

結局、鈴鹿氏は仕事がないので、勝ち目の薄い仕事を受けざるを得なくなり、
……まともな鑑定人は依頼を断るような事案が、もっぱら最後の受け手であるエセ鑑定人の許に届くことになる。また仕事が減っているから、後先を考えずに何でも引き受けてしまう。こうしてエセ鑑定人の悪循環が続くことになる(『偽りのノンフィクション作家猪瀬直樹の肖像』P126)
のでした。

そんな鈴鹿氏の晩年の交通事故鑑定を集めたのが『交通事故……』なのですから、いい加減なことばかりが書かれていたのも、当然だったのかもしれません。

内容については『偽りの……』をご覧になっていただきたいところです。大変精緻な検証が続くので、興味のある方は本を手にとって直接お読み頂いたほうが早いと思うので、詳細はここには書きません。

このブログに、そこを事細かに記しても、あまり面白く無いかもしれませんから。詳しくは後で一例だけ述べることにして、今は先に進みます。

とりあえず、この小冊子がほとんど黙殺されたことだけは確かです。
評論家の佐高信が『エコノミスト』が林氏の小冊子を「現場の怒りを体現して鋭い」と書き、『週刊新潮』が1995年9月14日号に少し触れただけで終わったのですから。


E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)
猪瀬氏は林氏がそれ以上、何もできないということを見越した上で、「週刊文春」1995年10月26日号にて、林氏の小冊子について、次のように反論を載せました。
交通事故の鑑定人を主人公にした単行本を出したところ、最近になって、奇妙な人物が現れて、「嘘と誤解を世間に間違った認識を与える悪書」だから回収しろ、と声高に叫ぶのである。(中略)いったい、なにを根拠に、どのような資料にもとづいて、このような判断が可能なのだろうか。ほんとうに驚いてしまう。なにしろ、交通事故鑑定は、まず交通事故鑑定人が現場に行く事が先決で、手間の掛かる仕事だからである。(中略)僕を批判するためにS氏(鈴鹿氏)の鑑定まで偽証だと言ってのけるのである。これでますます僕は確信を持った。なにしろ二次資料から鑑定するほどの"やり手"ということを。(中略)S氏は、ある事件解決のため、現場を再現しようと精密な模型を作ったことがあった。おかげでそれほど広くない借家の一間はその模型で占領されてしまった。(中略)ようやく模型が完成したとき、S氏は「わかった」と言った。それから「もう壊してよい」と付け加えた……。僕は晩年のS氏と対話を繰り返し、法廷にも通い、弁護士とも話し合い、また現場にも訪れて目撃者や被告人などに取材した。その結果、S氏の完全主義の仕事哲学に共鳴したのである。
林氏制作の小冊子には、林氏による詳細な図解入りの反論が載せられていましたが、
猪瀬氏はそれに具体的な反論を一切行いません。
ひたすら印象操作だけでことをすませようとします。

~猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ⑤に続く~



ところで、上記の内容と全く無関係ですが、靴紐のほどけない結び方というのを先日見つけました。
★ Ian's Secure Shoelace Knot  “Secure Knot Shoelace Knot”
この結び方に変えて以来、靴紐がほどけることがなくなり大変重宝しています。

2012年12月21日金曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ③

A 作家・猪瀬直樹が交通事故鑑定人・林洋を週刊文春誌上で批判(1994.10)

B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否

D 林氏、『交通事故……』所収の全5事例全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)

F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)

H 林氏、上記小冊子を元に下に掲載した本を上梓(1996.3)



B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議
昨日は、Aについて説明しました。
猪瀬氏は林氏の鑑定数が大変多いことを挙げて、異常な数だ、だから杜撰だろう、という推定を述べています。
ただし、
・どう杜撰なのか、証拠をまったく挙げない。
・「数が多いから杜撰だろう」という印象を述べるだけ。

という問題点がありました。

その上猪瀬氏は、林氏の自己申告する仕事量自体、嘘ではないかという疑いを文章にさらっと差し込んで、林氏の根本を否定しますが、そんな、当時の事故資料を調べれば簡単に分かるようなことを、まったく確認せずに濡れ衣を着せていたことが分かりました。

私、高名な職業作家が、ある人物の業績を批判する際は、証拠をもとに行うものだと思っていました。
ところが猪瀬氏、何の証拠もなく、印象、インスピレーションだけで、そもそも江守氏批判という論文趣旨とは関係のない人物を、イメージの傍証のために突然公共の場に引きずり出して、自分の有利な社会的立場を利用してエビデンス無しに面罵を加える、ということを平気で行うのです。

ちょっと驚きますよね。


結局、この2人の応酬の過程で、猪瀬氏は最初から最後まで、林氏の仕事がほんとうに杜撰なのかを具体的に示すことは「何一つ」できないのです。

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否
もちろん、林氏は猪瀬氏と出版社に、抗議の手紙を出します。
ところが、猪瀬氏はこれを黙殺、出版社からは、
拝啓 十月十日にお送りいただいたお手紙、さっそく拝見いたしました。私が察しますに、林様と猪瀬氏との間で、多少の見解の相違があるのではないかと思われます。つきましては、一度お二人に直接会っていただき(私も担当編集者として同席いたします。)各々のお考えについて、心ゆくまでお話いただいてはいかがでしょうか。後日あらためて当方より連絡させていただきます。よろしくご検討ください。
  敬具 平成六年十月二十四日
という手紙が届きます。

誌上討論をよびかけるのでもなく、単なる酒席の場を設けて、懐柔しようという、出版社が訴訟を起こされるのを未然に防ぐためによくやる手口です。

むろん、林氏はこれを拒絶します。
そして、訴訟を検討するのですが、林氏、
(待てよ)
と思い返します。

(向こうがその気ならば、猪瀬の作家としての仕事がどれだけ杜撰なのか、プロの交通事故鑑定人として徹底的に公開の場で戦ってやろう)

よほど技量に自信がなければ考えられない不利な方法をあえて取るのです。

『修羅の門』というマンガでは、主人公の陸奥九十九が、自分が伝承する陸奥圓明流が最強であることを証明するために相手の得意とする分野で戦います。
それを思いだしました。

くりぃむしちゅーの上田なら、
「ブハハハwwwそこは名誉毀損訴訟で一気に終わらせちまえよwww」
と笑うところですが。

~猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ④に続く~

2012年12月20日木曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ②

新都知事となった猪瀬直樹氏が、かつて1987年に雑誌に発表し、1994年に刊行した『交通事故鑑定人S氏の事件簿』(以下、『交通事故……』)。
猪瀬氏は、この本の出版を契機に、交通事故鑑定に詳しい人物としてメディアで発信を始めます。
1987年に週刊文春10月6日号で、江守一郎という交通事故鑑定の権威に挑戦状を叩きつけました。
江守氏を斬り、返す刀で切りつけたのが、もう一人の交通事故鑑定の権威、林洋でした。

林氏については、
★ 交通事故鑑定人  林洋のページ
★ 魂の仕事人 交通事故鑑定人 林洋氏 その一
★ 魂の仕事人 交通事故鑑定人 林洋氏 そのニ
★ 魂の仕事人 交通事故鑑定人 林洋氏 その三
をお読みになったほうが、より人物像を理解できるでしょう。

林氏と猪瀬氏の応酬の流れについて説明します。

A 猪瀬氏が林氏を週刊文春誌上で批判(1994.10)

B 林氏が猪瀬氏と出版社に厳重抗議

C 文藝春秋社編集部が林氏に話し合いを提案、林氏は懐柔されるつもりはない、とこれを拒否

D 林氏、『交通事故……』所収の全5事例全ての誤りを指摘した小冊子30冊を作って各方面に配布したが、ほぼ黙殺される

E 林氏の弾尽きたと判断したのか、猪瀬が第二弾の批判(1995.10)

F 林氏、雑誌「宝島30」にて詳細に、猪瀬本の過ちを指摘(1995.11)

G 林氏と猪瀬氏、雑誌「宝島30」誌上で討論したが、紛糾して終了(1996.1)

H 林氏、上記小冊子を元に下に掲載した本を上梓(1996.3)


この流れにそって、どのような応酬が二人の間にあったのかを、くわしくみていきます。

A 猪瀬氏が林氏を週刊文春誌上で批判(1994.10)
週刊文春誌上で猪瀬氏は、次のように林氏を批判します。
 ……拙著『交通事故鑑定人S氏の事件簿』に登場するような、徹底的に現場にこだわる鑑定人は少ないのだ。
 たとえば朝日新聞の「ひと」欄(89年3月26日)に「自動車事故の鑑定でホームズと呼ばれる林洋さん」が登場したことがあった。記事には「昨年は八十五回、法廷に」「開業以来四年間に取り扱った事故は二千五百件」とある。さらに林鑑定人自身が「迅速に、内容ごとに定価を決めてやっているので、全国の鑑定の、たぶん半分が私のシェア。月平均の鑑定料収入七百万円」と豪語している。「ひと」欄の記者は、五十七歳(当時)のこの人物の発言にいかがわしい臭いを感じなかったのだろうか。裏も取らずに自慢話を載せてしまう感覚は理解しがたい。年八十五回法廷に立つ、ということは三日に一回の割合で裁判所を回ることになり、しかもその間、一年に六百件、つまり一日に二件の割合で鑑定書を仕上げたことになる。物理的にあり得ない。もしほんとうなら、記者は逆に追及すべきだ
 こういうでたらめな人物が、最高裁のデータでは江守鑑定人の三十件に次ぐ、第二位の九件の鑑定を裁判所に依頼されてやっている。まことに憂うべき事態ではないか。
一見、もっともな指摘です。ところが、のっけからこの記事は間違っていたようです。
裏も取らずに自慢話を載せてしまう感覚は理解しがたい。
と朝日新聞記者を批判するふりをして、林氏の実績に疑義を投げかけていますが、こんなことは当時の公的な記録を調べればすぐに分かることです。

林氏はすぐさま、昭和53年当時の裁判所出廷記録、鑑定依頼・発行依頼の原簿の写しを猪瀬氏に送ったところ、猪瀬氏はぐうの音も出なかったそうです。

次に、鑑定書の多さについて。
林氏はこう反論しています。
……次に私の「鑑定書多発の罪」の告発であるが、(中略)これは、朝日新聞に記事が出た平成元年(1989)の当時は、まだ、むち打ち症関連の裁判が多かったためである。(中略)平成元年当時、私の鑑定書発行件数が多かったのは、むち打ち症疑義事案の保険会社対受傷主張者間の話合いのための、つまり、裁判以前の和解交渉段階の「簡易鑑定」が多かったためである。また、裁判所出廷回数が多かったのは、むち打ち症関係の債務不存在確認請求訴訟の証人尋問呼び出しが多かったためである。現在の証人尋問出廷のペースは年間四十回前後である。
まあ、これだけでは、簡易鑑定にかかる労力、当時の裁判の実情などがわからないので、どちらが正しいのか、なんとも言えません。

~猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ③に続く~

2012年12月19日水曜日

猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ①

昨日予告していたとおり、今は絶版となっている『偽りのノンフィクション作家 猪瀬直樹の肖像』(以下『偽りの……』)の内容をご紹介しましょう。

長くなりましたので、いくつかに分割します。

「チーム」という聞きなれない出版社から刊行されたこの本は、現在中古本市場で3,000円以上の価値がついています。

もともと1,300円の本が2倍以上の値段となっているのには、それ相当の理由があります。
今や都知事となった猪瀬氏。
彼が文藝春秋社から出版した『交通事故鑑定人S氏の事件簿』(以下『交通事故……』)を絶版に追い込み、ノンフィクション作家としての資質に「ノー」をつきつけた、匕首のような作品だからです。

その帯には、白地に黒で、このように挑戦的な言葉が踊ります。
拝啓 文藝春秋社 社長様
猪瀬直樹著『交通事故鑑定人S氏の事件簿』文藝春秋社刊)は、徹頭徹尾の欠陥ノンフィクションですので、リコール広告を出し、読者に代金をお返しして全数回収してください。
交通事故鑑定人 林洋
アマゾンレビューではすべての評者が☆5つをつけています(2012年19日現在)。
それだけ『偽りの……』の内容は凄まじいのです。

そもそものきっかけは、猪瀬氏が『交通事故……』の元となる記事を、1987年に雑誌に発表したことに始まります。

「交通事故鑑定人」とは、中立的立場から交通事故の「真相」を明らかにするプロのことをいいます。
1987年当時の日本には、損害保険会社や企業に属さない中立的立場の交通事故鑑定人は、10人ほどしかいない、貴重な存在でした。

猪瀬直樹はこの交通事故鑑定人の一人、S氏に1986年に取材をして、彼の推理、仕事ぶりに感銘を受け、ドキュメンタリー記事を1987年に雑誌に発表します。
S氏は交通事故鑑定の世界では不遇をかこっていた人物のようですが、猪瀬氏のお陰で一躍時の人となったものの、その年に不運にも亡くなってしまいました。

S氏の最後の薫陶を受けた猪瀬氏にとって、
「自分がS氏に代わって、交通事故鑑定業界に風穴を開けてやる!」
という、気負いのようなものを、そのとき、感じたのかもしれません。

ちなみにS氏とは、自動車事故工学解析研究所の所長であった鈴鹿武のことですので、これ以降は、鈴鹿氏と記述することにしましょう。
その7年後、1994年にこの一連のドキュメンタリーが、文藝春秋社から『交通事故鑑定人S氏の事件簿』にまとめられて出版されたのでした。

この書籍によって猪瀬氏は、交通事故鑑定にも一廉の見識をもつ、専門家の1人と目されるようになりまして、そこから彼の攻勢が始まります。

交通事故鑑定の権威者であった江守一郎・成蹊大学名誉教授の批判を1994年、週刊文春9月8日号から始めたのです。江守氏の鑑定が杜撰なのではないか、という疑義を呈したのです。

その反響は大きく、10月6日号で、さらに江守氏に追撃の手を加えるのですが、その中で彼が言及したのが、『偽りの……』の作者である林洋氏なのでした。江守氏を批判するついでのように林氏に痛烈な侮辱を投げかけたのです。

これには伏線がありました。猪瀬氏の尊敬する鈴鹿氏の鑑定を、林氏が生前に2度叩き潰しており、鈴鹿氏はそれを恨みながら死んでいったのです。猪瀬氏にとっては、恩師の恨みを7年ごしで討ったつもりだったのかもしれません。

~猪瀬直樹・新都知事のとある一面について ②に続く~

2012年12月18日火曜日

猪瀬直樹の人気は今がピーク

東京都知事選当選決定直後の、猪瀬直樹の会見の様子がネットにアップされていました。
都知事選史上最高得票数を得て当選したというのに、随分と浮かない顔でインタビューに答えていたのが印象的です。
当 4,338,936 猪瀬 直樹  無新
     968,960 宇都宮健児 無新
     621,278 松沢 成文  無新
     179,180 笹川  堯   諸新
     129,406 中松 義郎  無新
      81,885 吉田 重信  無新
      47,829 トクマ       諸新
      38,855 マック赤坂   諸新
      36,114 五十嵐政一 無新
               =確定得票=
選挙戦の疲労がピークに達しているからだ、というのが大方の感想でしょう。
しかし私には、猪瀬氏が自分の人気のピークが今であることを薄々感じていたからであるように思えて、なりませんでした。

今回の選挙には、石原都政の総括という意味合いが込められています。
史上最多得票は、石原都政への賛同・感謝と、他の候補者への不信感が重なったためでしょう。石原氏の影であった猪瀬氏自身の魅力ではない、というのが私の分析です。

そもそも猪瀬氏には、人を惹きつける魅力があるのでしょうか。
彼の言動を長年見てきましたが、目上の人間には大変丁寧な態度をとるのに、目下の人間、弱い立場の人間には、大変不遜な態度を取るのが彼の特徴です。
このような人間は本来、大衆の支持を得られるはずがありません。

それなのに、彼がここまでの地位を築きあげてきたのは、ノンフィクション作家としての業績、実力に加え、自分が表に立たずに上の立場の人間を補強する、脇役に徹してきたからです。
社会的立場の高い人々に可愛がられ、引き上げられて、今の地位を築きましたが、下の人間から支えられたからではありません。

まず、ノンフィクション作家としての実績について。
彼は明治大学の博士課程を終了後、36歳で『天皇の影法師』を出版して文壇デビューします。
その執筆スタイルは、丹念な取材と大量の資料をもとにして、私たちの先入観とは異なる歴史の「実像」を顕にするというものです。
その実力は、1987に『ミカドの肖像』で第18回第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した折り紙つきです。
たしかに、あれだけの資料を読み込む、彼の能力には並々ならぬものがあります。
主に土地と権力に焦点を絞った数々の著作をものにしており、行政に携わりながらも、今も執筆活動の手を緩めません。
スタミナがあり、暗記力と整理力に長けていて、なおかつどのような論理展開をすれば大衆に興味を持ってもらえるかを熟知している人物であるのは、間違いありません。

ところが彼は、有能な人間に時々いる、能力の劣った人間に批判されることに我慢できない手合いのようです。
放射能の心配をする主婦のTwitter上の発言に対して、
とツイートしたり、マンガの性表現規制を行おうとする姿勢が批判されたことに対して、
とツイートしたりしています。
彼にはこの手の蔑視発言が、とても多いという特徴があります。

放射能に恐怖を感じて発言した主婦は、確かに知識不足でしょうし、彼の主張を批判したアニメ好きの青年の多くが、社会的に評価の低い生活を送っているのも事実なのでしょう。
彼のことだから、猪瀬氏に批判的な発言を繰り返す彼らのプロフィールを読んだ上で、彼らが最も傷つきそうな言葉を投げかけたのではないかと思われます。

しかし、私は思うのです。
その発言の妥当性を批判するのではなく、批判者の背景である社会的地位、弱い立場を揶揄し、レッテル貼りを行なうのは、論理で勝てずに差別で相手を貶める、大変卑怯で汚い行為ではないかと。

そんな、社会的地位が弱い人間には強気な彼ですが、目上の立場の人間には一転、徹底してへりくだります。
テレビで石原慎太郎に接する態度を観た時に、あまりの腰巾着ぶりに驚きました。

ある種の人間には、それがたまらなく心地よいのでしょう。
社会的地位の高い人間にとって、普段から腰の低い人間に自分へ丁寧な態度をとられることよりも、普段傲慢で、かつ能力の高い人間に、自分の前で追従を繰り広げられることほど、自分の社会的地位を実感することはありません。
猪瀬氏はそこが分かっていたのでしょう。だから、目上の人間に可愛がられ、引き立てられ、その地位を上げていきました。

彼は、自分自身のポジションをよく知っています。
情報を数多く手に入れ、状況を判断し、人間関係を熟知した上で、そこに自分をどうはめこむかを考えていく……それが彼の遊泳策です。
だからこそ、今回の得票数が自分の人気のためではないことを一番知っているでしょうし、この得票数が与える影響に気を揉んでいるはずです。

今までは副都知事という立場でしたから、全ての批判は石原慎太郎に向けられていました。
※ちなみに、石原慎太郎の政治姿勢には厳しい視線が多く、私の身近にも、彼のことを嫌っている人が多いです。アンチも多かったことが、猪瀬氏を下回る得票数しか得られなかったのでしょう。しかし、それは石原氏の行政能力が猪瀬氏を下回ったことを意味しません。私は、石原氏の政治運営の手腕は大変高いと考えています。
彼が都政につく前の東京は、治安が悪化、『池袋ウエストゲートパーク』で描かれたように、チーマーやカラーギャングが跋扈して、悲惨な状況となっていました。しかし、彼を首班とする新宿浄化作戦のお陰で、東京の治安は劇的に改善されました。昔、ヤクザやチンピラが跋扈していた都下の実情は、今では記憶の外へ去りかけているようですが。
ところが、これからは、猪瀬氏が批判の矢面に立ちます。
これまで彼に興味を持っていなかった人々も、彼一人を見るようになるので、上記のような彼の性格に、おいおい気がついてくるでしょう。
そして、人気はどんどん落ちていきます。
人気が下がるに連れて、人々の心は離反していきます。
それを彼は、これから一人で耐えていかねばなりません。

その時、彼をかばってくれる目上の人間はいないでしょう。
なにしろ、老人の嫉妬は怖い。
石原慎太郎を上回る得票数を、彼が得てしまったという事実により、石原元都知事から嫉妬されることは間違いありませんからね。

それが、今回の史上最多得票を得たことの意味です。

さて、明日は猪瀬氏のノンフィクション作家としての能力に疑義を呈した『偽りのノンフィクション作家 猪瀬直樹の肖像』についての紹介記事を書きます。


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2012年12月17日月曜日

自民党の圧勝

事前に予想されていましたが、自民党が圧勝しました。
選挙結果をご覧になりたい方は、以下のサイトが便利です。

★ 選挙速報 NHK 2012衆議院選挙

それにしても、自民党が前回の118議席から300近い議席を獲得して圧勝したのに比べて、民主党は前回の230議席から60議席ほどへ減少してしまい、惨敗しました。ここまでの惨敗を、解散前の野田総理は予想だにしなかったことでしょう。

正直、私にとってもこの結果は予想外でした。前回の小泉旋風が巻き起こした郵政解散のときですら、民主党の議席数は、177議席から113議席へと、4割減に過ぎなかったのに、今回は7割減です。野田総理の解散間際の潔い態度などに好感を持った人々も多かったでしょうから、同情票も集まるだろうし、あまりに極端な議席の変動はないのではないか、と踏んでいたからです。選挙前の報道、マスコミが予想した通りでしたので、正直悔しいですね。

憲法改正に積極的な、自民党と日本維新の会だけで、衆議院の3分の2以上の議席数を獲得しました。参議院選挙が、来年控えています。前々回の2007年の参議院選挙時の総理大臣は、安倍氏でした。当時は松岡農林水産大臣の自殺などが重なって、自民党は大敗しましたが、今の勢いがそのまま続けば、来年、大幅に議席数を伸ばすことでしょう。

まさか、私が生きている間に日本が憲法を改正する可能性が出てくるとは思ってもいませんでした。長生きはしてみるものです。

また、猪瀬直樹氏が都知事選に初当選しました。彼のことは『偽りのノンフィクション作家 猪瀬直樹の肖像』という作品を読んで以来、あまりいいイメージを持っていません。近日中に、この本の内容について簡単にご紹介しようと思います。



2012年12月16日日曜日

モテたいならば、モテる場所へ

私の職場の友人に、40代の女性がいる。ほっそりとした柳腰で、ファッションセンスが抜群な、やや険のある美人である。その彼女から数ヶ月前(まだ夏だった頃)、恋愛経験談を聞く機会があった。

彼女は当時、香港にいた。20代後半のオランダ系男性と同棲していた。金融マンで、部屋は高層マンションの高層部分にあり、100平米ある部屋で2人で暮らしていたそうだ。彼はとても優しく、彼女が欲しいものはなんでも買い与えてくれていたという。羨ましい話である。

数ヶ月つきあって2人が別れた理由は、子供を作るかどうかで揉めたせいだった。彼女はバツイチで、すでに子供もいたので今更子供を欲しいとは思っていなかった。ところがオランダ人は未婚で、しかも子供を欲しがっていた。2人は歩み寄ることが出来なかった。

「もったいないですね」
「そうでもないよ。シンガポールや香港には、あれくらいいい男はウジャウジャいたし。今は日本の方が楽だからここにいるけれど、また香港に行こうかな」
と彼女は言った。

彼女の話を面白く聞いたが、果たして本当だろうかと、やや眉にツバつけながら聞いていたのも事実。20代後半で、土地事情の悪い香港でそこまでのマンションをもつような白人男性だったら、引く手あまただろう。コブ付きの15歳以上離れた女性に、果たしてそこまで熱を上げるだろうか。

疑いは、「香港の悲惨な恋愛市場」という記事を読んで晴れることとなる。なるほど、こんな背景があったとは、ね。
 香港は、今やアジアの金融センターで、世界中からハイスペックな男性が集まってくる。
 また、それに付随して多くのIT企業も集積しており、やはりインドやアジア各地から優秀な男性エンジニアが集まってくるのだ。
 さらに中国が背後にあるという特殊事情もある。
 中国は一人っ子政策の影響で、跡取りとして男の子を希望する親が多いため、(よく考えると恐ろしい話であるが)男児の方が女児よりも2割も多く生まれてくるのだ。
 こうした影響から、香港の恋愛市場は、男性にとって極めて厳しいものになっている。
 少々可愛い女子は、女王さま、トップアイドル並みの扱いを当然のごとく期待しており、実際にそれだけのことをやる男性は香港にはいくらでもいる。
 日本でいうところの中の上程度の女性と交際するためには、家でも買わないといけないぐらいの雰囲気である。
私も数年前、香港に旅行で行ったことがある。その空港の美しさ、大きさに度肝を抜かれた。日本の成田空港よりもはるかに先進的で、美しく、大きかった。栄えている都市は、インフラにとことんお金をかける。それをまざまざと実感した瞬間だった。

中国の経済は曲がり角に来ていると言われているけれども、中国を上回るポテンシャルを抱えた発展途上国は未だ表れていない。中国の繁栄はまだまだ続くだろう。そして、優秀な男性たちが香港を目指して、これからも大勢やってくるのだろう。

いい男を探すために香港に出かける、という選択肢はありだ。ハイスペックなのに、恋愛に関しては悲惨な市場が、目と鼻の先にあるというのに、それをみすみす見逃しているのはあまりにも勿体ない。

アービトラージという金融用語がある。ある商品がある場所に豊富に存在していて価格が大変安くとも、それを知らないか、遠く離れた場所では高値で取引されることがある。商人はそれを調べて、安いところで買って高いところで売る。このような取引のことだ。

アービトラージできる場所が、そこにある。そのことは、金融日記の著者、藤沢数希だけではない。私の友人女性の実体験が証明している。

ハイスペック男性にモテたい、人生に行き詰まった女性は、香港に行って婚活にチャレンジするべきだ。

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2012年12月15日土曜日

文体を時々変えようと思う

今日から、ときおり文体を変えて記事を書いてみたい。
これまで人気のサイト「らばQ」とか「TBN」などを模範として、敬体(~です、~ます)で書いて10ヶ月経つのだが、書き慣れない文体のせいで、どうにも筆が進まずもどかしくなることが多い。

(書けないのは能力不足。何事も練習が必要だ)
と思いながら書いていたが、筆がのろいのは、自分の能力不足のせいばかりでもなく、文体がなかなか自分に合わないせいでもあるらしい。
客観的観点で記事を書き、多くの人にアピールするためには敬体の方が適している。しかし、自分の思考をなぞるには、常体(~だ、~である)の方がしっくりくる。

時折書く商品紹介のような記事ならば、目的は紹介であり、主観的なものであってはいけないから(結局のところ、どんなにいい商品でも、本人がいいと思わないとダメ、というのが一応の私のスタンス)、これまでのように常体の方がよかろうとは思うが、雑感や分析、感想などは、常体で書いたほうが、私にとっては思考のリズムがしっくりくる。

たかが文末表現の違いにまつわる些細な違和感とはいえ、毎日一定量の文章を書き続けているとささやかな疲労感が積み重なる。特に今日のような主観の強い文章をもしも敬体で書いたとき、違和感は果てしなく強かっただろう。

敬体だからこそわかりやすく書けることもあり、敬体の文体を手放すのが遅く、決断は伸び伸びとなっていたが、違和感に疲弊するのを待つよりも、今後のブログは時に常体、時に敬体と日によって変えれば済む話でもあり、それならばそうしたほうがよかろう。文章表現が一貫していないと、ブログ自体に統一感が生まれないために避けてきたことだが、逆にそれがこのブログの個性となる……やもしれない。

そもそもこのブログは、誕生してまだ一年経っていない。ありがたいことに少しずつ読者は増えてきているが、この定型パターンを今後も続けて欲しい、と思われるほどの黄金パターンはまだ生まれていないので、文章表現を変えることで、期待する読者を裏切ることもなかろう。

2012年12月14日金曜日

AKB48とプロレス

元AKB48の前田敦子について本が書かれていました。
前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)
タイトルがものすごく、キリスト教原理主義者がいたら激怒しそうです。
内容は、
AKB48の魅力とは何か? なぜ前田敦子はセンターだったのか? 〈不動のセンター〉と呼ばれた前田敦子の分析から、AKB48が熱狂的に支持される理由を読み解いていく。
なぜファンは彼女たちを推すのか、なぜアンチは彼女たちを憎むのか、いかにして彼女たちの利他性は育まれるのか……。
握手会・総選挙・劇場公演・じゃんけん大会といったAKB48のシステムを読みとくことから、その魅力と社会的な意義を明らかにする。(Amazon内容紹介より)
というものだそうです。
当然タイトルには批判が多く寄せられています。
Amazonレビュー欄には、
まあ流行に乗ってお金儲けってことですよねえ。
実際にAKBファンなのはよくわかりますけど、別にこっち方面が専門の人でもないし、出さなくていい本をつい出しちゃいましたってことでしょうねえ。
別に生活と知名度向上のためにこういう本を出すことは全然かまわないと思いますけど、やっぱり問われるべきはそのクオリティですよね。
宗教学、哲学、社会学等の知を動員してAKB現象を解明するってことなんでしょうが、明らかに一過性の現象を大風呂敷広げて論じちゃって、この人これからどうするんでしょうかねえ。
以前のネット論なんかは見るべきものがあったので、本当に著者には期待してたんですけど、残念だなあ・・・。
ちなみに他のレビュアーの方が過剰反応している本書のタイトルですが、これは有名なジョン・レノンの言葉のパロディですね。
ビートルズは今でも人気あるし、影響力も世界的ですけれども、さてAKBはいかに・・・・。(By Amazonレビュー igaku (岡山県))
などの批判が寄せられていました。多分著者も出版社もそれを織込み済みで出版したに違いありません。

人気のある芸能人の魅力の源泉を畑違いの文化人が分析することは、昔からあるもので、中でも有名でかつ成功したのは、2009年に68歳で亡くなった評論家の平岡正明が著した、『山口百恵は菩薩である』でしょうか。

たぶん、前田敦子の上掲本のタイトルも、平岡氏の書籍タイトルを意識してつけられたのでしょう。

ただ、私が上記とともにより強く連想したのは、むしろ作家の村松友視が著した『私、プロレスの味方です』の方でした。

山口百恵人気というのは、当時圧倒的であり、社会現象とまで言われたほどです。また、百恵自身の凛とした立ち居振る舞い、毅然とした言動にも品格があり、『山口百恵は菩薩である』というタイトルには賛否両論があったものの、人々は納得し、概ね好意的に受け止められていたようです。

ところが、前田敦子を含むAKB48人気というのは、山口百恵人気とはどうも種類が違うと思うのです。
彼女たちはそのコンセプトどおり、クラスで五番目から六番目くらいの容姿の持ち主であり、歌もさほどうまくありません。レッスンを重ねる前にデビューするためか、演技力もありません。

よって彼女たちの自身に魅力があるというより、それ以外の部分にファンを惹きつけるものがある、と考えるべきです。

その有り様は何かに似ている……少なくとも、山口百恵や松田聖子の醸し出す魅力とは違う……そして、おニャン子クラブやモーニング娘。ともまた違う……なんだろう? と思っていた時に『前田敦子はキリストを超えた』とう馬鹿馬鹿しいタイトルの本が出て、そこで初めて「ああ、AKB48は、在りし日のプロレスと同じだ!」ということに気づきました。

ご存知の通り、一時期プロレス人気は凄まじいものがありました。

戦後間もなくに力道山が現れ、シャープ兄弟というアメリカ人レスラーを日本人がやっつける、というわかりやすいストーリーで大衆の心をつかみました。

力道山亡き後は王道プロレスを歩むジャイアントにアントニオ猪木という最強のトリックスターが挑み、そのアントニオ猪木の敷いた路線に対して長州力が挑み、前田日明や高田延彦らがさらに挑戦する、といった「挑戦する人々の群像劇」にファンは熱狂したのです。

ファンは、彼らの感情が、プロレスリング上の試合にも反映されていると信じ、その勝敗に一喜一憂したのです。

AKB48もまた然りです。たとえば恋愛禁止という原則に指原莉乃が大きく逸脱、そこからHKT48へ左遷されたり、あるいは人気が一番だった前田敦子と大島優子の友情と確執など様々なギミックが現れては消え、現れては消えていきます。

ファンはその度に一喜一憂しているようですが、外野からみていれば、それは演じているだけちゃうの? と突っ込みたくなること必至で、なぜそんなお芝居をファンが信じ、熱狂するのかわかりません。

しかし、ドラマやお芝居を嘘だと思いながら見る人はいません。見ている間は没頭し、それに浸りきって観るものです。

本物のお芝居を「嘘だ」と叫ぶのはバカげた行為です。誰もがお芝居が嘘であることを知っているのですから。

わざと騙されるーーとも、違いますね。仮装空間に没頭し、彼女たちとともに今を生きているようなつもりになるといったところでしょうか。それを作り事だと指摘すること自体、とても愚かな行為なのです。

たとえ作り事でも、たとえばプロレスの試合、あるいはAKB48のコンサートは「プロの仕事」であり、それなりに見応えがあります。

それが多少未熟でも、逆に背後の人間ドラマと相乗効果を発揮して、より魅力を増す……ハプニングを織り込んだ即興劇を、彼女たちは演じ、ファンはそれを楽しんでいます。

すぐに人気がなくなるだろうと踏んでいましたが、案外、AKB48人気はもっと長く続くかもしれませんね。

ただし、プロレス人気を一気に凋落させた『流血の魔術 最強の演技』のような最低の暴露本がかかれなければの話ですが……。


2012年12月13日木曜日

来年度の流行色は、エメラルドグリーン

世界の流行色に、ある企業が大きな影響力を与えているのをご存知でしょうか?

アメリカ合衆国のニュージャージー州(ニューヨーク州の南にある州です)に本社のあるパントン社という会社があります。この会社は色見本帳を販売しています。

色見本帳とは、このようなもの。↓
見たことのある方もいるかもしれません。

世の中には数えきれないほどの色が存在するため、この色見本帳を使ってマッチングを行うわけです。デザイナーと印刷所が打ち合わせを行う際などに、この色見本帳が大活躍します。昔はデータのやり取りを簡単にネットでやり取りするわけにはいきませんでしたしね。

それに、現代においてすら、たとえば同じ色をデータでやり取りしても、あるモニターと別のモニターでは微妙に色が異なるようなミスマッチングがあります。

この色見帳をお互いに所持していれば、そのような意思の疎通ミスがなくなるわけです。

さて、この色見帳を発売しているパントン社は、毎年"カラー・オブ・ザ・イヤー"というものを発表しています。その色を、世界中のファッション業界や化粧品メーカー、広告業界などがいっせいに作品にとりいれているのです。

流行色といえば、2年前から流行色を決定して、ファンション業界に提案しているインターカラー(国際流行色委員会)という団体の選ぶ「トレンドカラー」が有名です。

流行というものは、ある程度作っていくものです。別に毎年どの色を使おうと構わないわけですが、業界全体で歩調を合わせることで大きな流れとなり、多くの人がそれに影響を受け、その影響が圧力を産みます。周囲からの圧力ないと、人間は購買意欲をそそられません。

周りの人々の服がオレンジ色が多くなり、自分一人だけ黒い服だと「オレンジの服を買ってみようかな」という気になるでしょう。人間は(個性を大切にするという欧米でさえ)群れを作るものでして、周りから浮き立つことを嫌います。

また、毎年新しいデサインの服が発売されますが、そこにこの流行色を取り入れることで、新しいデザインに統一感が出ます。パッと見ただけで、その色とデザインに、新ししさを感じるようになるのです。

こんなことでもないと、みなさん服を毎年新しく新調しませんからね。一昔前と事なり、今は安い服でも丈夫であり、数年買わなくても糸がほつれてダメになる事はありません。しかし、長持ちするからといって、人々がものを買わないと、内需は拡大せずお金が回りません。流行を作り出すことは必要なことなのです。


インターカラーが選ぶトレンドカラーに比べ、パントン社の選ぶカラーオブ・ザ・イヤーは一企業のものなのですが、世界のトレンドに与える影響力はなみなみならぬものがあるそうです。2013年のカラーオブザイヤーは、エメラルドグリーン。冬になると皆、暗い色調の色ばかりを着るものですが、春先には一斉に彩りある服装に変わります。その時に、エメラルドグリーンの服が多数現れるのでしょう。


とはいえ、昔はかなり影響力があったカラーオブザイヤー、近年の世界的不況の影響を受けてか、今ひとつ盛り上がりませんね。不景気になると服のような奢侈品にかける費用は一番に切られます。

それに、最近は携帯にかける費用が多いため、あまり身なりにカネをかけないのかもしれません。
ちなみに今年の流行色は、オレンジだったんですって。オレンジ、今年流行りましたっけ?

……ま、そんなもんです。


2012年12月12日水曜日

ケリー・マクゴニガル氏の来日講演!(仮)

スタンフォードの自分を変える教室
まだ仮のお話のようですが……。
重版につぐ重版、現在9刷目25万部となったベストセラー、大和書房の『スタンフォードの自分を変える教室』の著者であるケリー・マクゴニガル氏が来年初めに日本にやってくることを、先般このブログにてご紹介しました。
どうやら、講演会の日程が、だいたい決まったようです。

※先日まで、ここの欄には仮の会場名や期日を載せておりましたが、出版社から「今は詳細を詰めている段階なので、詳しい日程などは公表しないで欲しい」とのご要望がありましたので、急遽削除いたしました。(12/19)。
※2013/01/08追記 正式な発表がありましたので、内容を後日の記事で紹介しました。そちらをご覧ください。
講演会への参加方法は、大和書房のホームページ、もしくは大和書房が開設した特設ページにて順次公開されます。

今回ケリー女史が来日する期間は短いために、講演会は現在のところ一日のみの予定ですが、その代わり、講演会の参加希望者は広く浅く募集する予定とのことです。

あくまで、日にちも場所も、仮のお話ですよ!!
予定は未定、変わることもありますので、ご承知おき下さい。

現在、著者をお迎えする準備のために、出版社も書店もてんやわんや。
大変お忙しいようですので、お問い合せはできるだけ控えましょう。
ホームページをひたすらチェックしてください。

さて、本日は趣向を変えまして、ケリー・マクゴニガル氏が長年連載をしているPsychologyTodayに"How Successful Couples Resolve Conflicts"(うまくいっている夫婦はどのように争いを解決しているか)という2012年12月5日に発表された興味深い記事があったため、ご紹介しようと思います。

著者はPreston Niという中国系らしき心理学者です。
彼によれば、喧嘩をうまく処理できない夫婦と、うまくいっている夫婦との間には明確な違いがあるそうです。
 時々夫婦が喧嘩をするのは正常なことである――それが一緒にいるということなのだから。喧嘩や言い争いは、必ずしも関係を危険にさらすことにはならない。事実、お互いが異なるために夫婦をより親密にすることだってあるのだから。問題は、あなたとあなたの相手が、その争いをどのように解決しようとするかである。
著者によれば、うまくいかない夫婦は喧嘩したり相手を避けたり黙り込んだりして、恨みを何年も持続させ、相手を攻撃してやり込めることばかりを考える傾向があるのに比べて、うまくいっている夫婦は問題解決に重点を置いており、問題が解決した後は、そのことを水に流して忘れるようにしているのだそうです。

過去にこだわる人っていますよね。
「あの時あなたはこう言った」
「あの時あなたはああ言った」
こういう過去の話が続くと、こちらも相手をやりこめるために、
「お前だってあの時こう言っただろ?」
「お前はあの時こうも言ったよな?」
と、相手の過去の過ちをできるだけ記憶するようになります。

こうなりますと、もう収まりが付きません。互いに相手の過去の嫌なことを、できるだけ記憶しようとします。そうしないと、相手からやりこめられてしまうから。
結局、過去の過ちをほじくり返して相手を攻撃しても、いいことなんて何もないのです。

著者は、仲の良い老夫婦のこんなエピソードを紹介しています。
 昔喫茶店に座っていた時に、とある老夫婦のすばらしい喧嘩の修復の例を目撃したことがある。夫婦は私の隣に座っていたのだが、夫が水の入ったコップを腹を立てた拍子にひっくり返し、妻へこぼしてしまったのだ。夫がおしぼりをとりに立ち上がったときに、妻は周りに対して「主人は23年間こんなことばかりしているんですよ」と訴えた。夫は妻にこぼれた水をやさしく拭き取りながら、周囲へ向き直り「女房はそれだけ価値ある相手なんですよ」と言った。妻は笑い、夫も笑い、そして周りの私達も笑った。
著者は、些細なことにこだわるのは止めようと訴えます。喧嘩というものは些細なことが原因で起こるものだが、些細なことにこだわる人間は苦労するばかりである、と。

夫婦喧嘩は犬も食わないといいますが、仲の良い夫婦、お互いに死ぬまで尊敬しあっているような夫婦というものは実際に存在します。願わくはこのブログを読んている方々が、素晴らしいパートナーと出会い、喧嘩はしても、お互いが歩み寄って修復できる関係を築けますように。

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2012年12月11日火曜日

道徳の自由のための自制心

私のサイトには『スタンフォードの自分を変える教室』という検索キーワードでやってくる方々が多いため、著者であるケリー・マクゴニガル氏の動向をできる限りお伝えしたいと思うのですが、彼女の来日講演について、いまだはっきりとした情報を手に入れられていません。
という、出版元の大和書房のTwitterを見つけたため、間もなく彼女が来日するのは確実ですし、当然講演会も行われるはずですが、直近だというのに、彼女の講演会情報がどこにも出てきません。

まあ、出版社というのはどこも締め切り間際にバタバタと行事予定を決めるところがほとんど。数ヶ月前に彼女を招待したものですから、まだ何も決まらず、今に至っても会場を確保できていない……なんてことも十分考えられることではあります。

ただ、これほど著書が売れている美女の講演会です。かなりのキャパシティのある会場を用意して、入場料を3,000円ほど取ったとしても十分聴衆は集まります。講演会では本も飛ぶように売れるのです。せっかく稼ぐ機会ですから、早く講演会日程の詳細を発表してもらいたいですね。

さて、本日は彼女のブログから、"The Self-Control Costs of Moral Flexibility"(道徳融通性のためにかかる自制力の犠牲)という記事をご紹介します。


嘘をつく時と真実を話すとき、どちらの方が難しいかをハーバード大学の心理学者が実験したそうです。
 研究者は、利益を得るために嘘をつくこともできるというゲームを実験参加者にプレイしてもらった。毎回、参加者は彼らが回答を知っていた場合を除いて、回答を正しく予想できたかどうかを報告しなければならない。彼らは正しく予想した場合にお金を稼ぐことができる。
 参加者が回答するごとに、研究者は脳の活性変化を追跡した。研究者は、自制=セルフコントロール(例えば、前帯状皮質と背外側前頭前皮質)に関連する脳領域に注目した。
実験結果によれば、正直であろうとした人も、嘘を必ずつこうとした人のどちらも、自己抑制の脳領域はほとんど活動しなかったのにくらべて、時々嘘をつく人の場合は、脳の自制心を司る部分が大変活発に活動していたことが判明したのだそうです。

当たり前といえば当たり前の話ですが、これはいくつものことを示唆しています。
「正直な人」の自制心が必ずしも強靭であるというわけではない、ということです。

この実験では、嘘をつくことも選択肢に入っていました。道徳の自由度や融通性の高い社会は、時に道徳から逸脱しても許される社会です。例えば、西洋や日本、中国などは酒を飲んで多少周囲に迷惑をかけても許される社会ですが、これが中東になると、お酒を飲む事自体一切禁止になっています。自由度の高い社会では、自制力を必要とされる機会が大変多いのです。

一律に禁止してしまえば、人間楽でしょう。でも、私たちは自由の素晴らしさを知っています。そして、自由を味わうためにはある程度の犠牲が必要なのです。そして、自由な環境でのみ、自制心あ養われます。

自由度の高い環境に自らを置きつつ、その中で克己心を養う訓練を積むことの大切さを、この実験は示唆しています。そういえばケリー・マクゴニガルはその著書の中で、「意志力筋」を鍛えることを提唱していました。
自制心を要する小さなこと(姿勢をよくする、毎日手が疲れるまでハンドグリップを握る、甘いものを減らす、出費を記録するなど)を継続して行なった場合、意志力が全般的に強くなるという結果が出ています。(『スタンフォードの自分を変える教室』P.111)
自制心は鍛えることで強くなるというわけですが、逆に言えば、原理原則を作って自動化してしまえば、どのようなこともエネルギーを使わずに正しい生活を送れることなどを、この実験は示唆しています。
何かをしようと決心した人は、できるだけその行為を自動化してしまう方がいいようです。
習慣化が大切ということですね。
スタンフォードの自分を変える教室

2012年12月10日月曜日

最近読んで気になった記事

最近読んで、気になった記事の紹介をします。

★ 過呼吸への対処法の間違い
過呼吸する人の頭にビニール袋をかけて、吸気を遮断する、という方法をご存じの方も多いでしょうが、これ、間違っているそうです。
死亡事故も多発しており、大変危険な方法だと知ってましたか?!
昔は、袋をよく使いましたが、既出のように今はあまり用いられません。
対処法ですが意外にラクです。
「しゃべらせる」
しゃべっている時って、過呼吸できないんです。
知らずしらずに危険なミスを犯さないように、気をつけたいです。


★ 英王室:偽電話受けた看護師自殺 キャサリン妃容体漏らし
イギリスの王室に、オーストラリアのDJが「女王」を名乗って電話したところ、交換の看護師がキャサリン妃の眠る病室へと電話を転送し、転送先の看護師が容態をDJに話してしまい、ニュースになりました。

ところが、電話を最初にとった交換台の看護師が自殺をしたものですから、喜劇は一転、悲劇へと変わったのです。

亡くなった看護師は46歳のインド人女性でした。異国勤めの彼女は、
「民主主義の本場のイギリスだから、インドと違って、女王陛下が突然病室に電話をかけることだってあるかもしれない」
という思い込みがあったのかもしれません。

それにしてもお気の毒です。この看護師には子供がいたそうです。これからの生活も大変でしょう。
せっかくの椿事に水をさされてしまいました。


★ 日本で最もポピュラーな冤罪事件
痴漢の冤罪を受けた場合、どのように対応すればいいでしょうか。
日本では痴漢冤罪によって、無実の罪の人が追い込まれるケースが多発しています。
これだけ冤罪が蔓延しているのに、実名報道を続けるマスゴミは何を考えているのでしょう?

どのように対応すればいいのかがまとめられているので、いざというときのために一読をお勧めします。


★ 就職面接で女性押し倒しキス わいせつ容疑で42歳専務逮捕 栃木・さくら署
就職面接で、初めて出会った女性に性行為を迫るとはね。
「同意があった」
などと意味不明の言動をしていますが、面接に受かろうと思っている女性が多少のセクハラ発言を面接時に言われても、「圧迫面接」だと考えて曖昧な態度を取ることは十分に考えられます。

強い立場を利用した卑劣な犯罪を、許すことはできません。


★ 橋下市長特別秘書の奥下氏 業務内容記録ゼロ
「大阪市に情報公開請求をしてみて驚いた。特別秘書は本来どのような仕事をするのか、条例制定にあたって何の定めもない。採用後に奥下秘書が日々どのような仕事をしているのか、その業務内容を記載した文書も一切ない。仕事は何をしているのか不明だが、給与だけは毎月確実に支払われ、80万円余の高額の夏の賞与が支給されている。
私は以前、「橋下徹の中野剛志・小林よしのり批判」という記事で、
芸風を変えることは一長一短にはできませんけれども、橋下氏の影響力が拡大すればするほど、これまでの攻撃スタイルを続けていては市民の気持ちをさかなでることが増えるばかり。カリスマ性を手に入れたにもかかわらず、このままでは、求心力を保つことは出来ません。落日の時も近いようです。
と書きました。当時の橋下人気の勢いは、週刊朝日の記事の出る前で留まるところを知らないといった風で、この末尾の一文を付け加えることはにはいささか勇気が入りました。

しかし、彼はあの暴力を反省しない紳助の盟友である(と自分でも吹聴していました)ことから、どうにも胡散臭く思え、決して好きになることができませんでした。そんな自分が狭量ではないかと一時期悩んでいましたが、今では自分の見る目に自信を深めております。

こいつはペテン師です。ペテン師はペテンがうまいから、ペテン師になれるので、一時的に騙されても恥ではありません。長い目で見たら、必ずボロが出ます。


★ 食品アレルギーの増加、水道水の殺菌剤が関係か 米
アトピーの人がこれほど多くなったのは、何故でしょう? その理由の一つは、水道水にあったのかもしれません。

思えば「環境ホルモン」も、環境中の微量の化学物質が身体のホルモンバランスを崩す原因となっていました。微量の殺菌剤の成分でもアトピーの原因となるのなら、気をつけて日常を過ごしたいですね。


★ 米ノーベル賞科学者が人種差別発言、所属研究所から職務停止処分
ノーベル賞をもらったばかりで調子に乗ったぽっと出の科学者の発言だろうと思いながらリンク先を開くと、まさかの重鎮、ワトソン博士の発言でびっくりしました。

そう、DNAのらせん構造を解析した「ワトソンとクリック」のワトソン博士です。

もともと彼には差別的な発言が多かったのですが、年を取るほどガンコになるので、最近はその手の発言に事欠かなかったようです。もっとも彼も1928年生まれの御年84歳の老人。そろそろ引退してもいい頃でしょう。


★ 自宅出産よりも病院での出産の方が失血死のリスクが高いと判明!!
「自宅出産は危険性が高い!」と声高に叫ぶ人にとっては悲報です。もっともイギリスの話なので日本にそのまま当てはまることはないでしょうが。

2年前に「玄牝」という作品が話題になりました。病院で陣痛促進剤などを利用して子供を生むのではなく、できるだけ自然に近い形で子供を産もうとする人々と、それを導く医師の活動を追ったドキュメンタリー映画です。

レンタルビデオ店にも置いていないことが多いのですが、オフィシャルサイトでは、自主映画会が各地で行われている模様。また、神奈川県伊豆市映画館で、来年1/6~1/20に上映されるようです。観に行こうかな。


★ ネコを究極にリラックスさせるマッサージ
ネコに嫌われないようにするには、触り方を学ぶ必要があります。彼らが何をすれば喜ぶのかを考えて行動する……つまりは人間関係と同じです。


★ 窪田順生の時事日想:石原慎太郎が公約に「カジノ」を入れないのは、なぜ?

 これまで賭博の何が悪いと主張して、選挙を勝ってきた2人(石原慎太郎と橋下徹)が今さら引っ込めたのはなぜなのかと首を傾げていたら、3日ほど前に気になるニュースをロイターが報じていた。
 「米当局がユニバーサル会長を聴取へ、フィリピン資金疑惑めぐり」
 パチスロメーカーの雄・ユニバーサル(旧・アルゼ)はフィリピンでカジノリゾートを計画しており、その認可をめぐってフィリピンのグロリア・アロヨ前大統領やカジノ公社会長に近い人物に3000万ドルの不正な資金を送ったのではないか、とロイターが先月16日に報じた。それを受けて、米国のカジノ規制当局が動いたという話である。(中略)ユニバーサルの岡田和生会長は石原氏の後援者として有名だ。おまけに、ユニバーサルがフィリピンのカジノ用地を購入した際、実務で動いたのは「石原銀行」と呼ばれた新銀行東京の元執行役・丹治幹雄氏だ。
 しかも、石原代表の三男・宏高氏はフィリピンのアキノ大統領のもとにホームステイもしていたほど親しく、フィリピン人脈は広い。ユニバーサル関係者が言う。
 「フィリピンのカジノ公社の人間と、岡田さんをつないだのは宏高さんですよ」
石原一族にはきな臭い話が多いですね。清廉潔白で有能な政治家が求められています。


★ 無給・虐待…メード監禁容疑 マレーシアの会社員ら逮捕
マレーシアのクアラルンプールの安宿に泊まったことがあります。そこは案外清潔で、年配の欧米の老人たちも多数宿泊していました。

驚いたのが、まるで映画女優のように美しいインドネシア美人を、彼らが部屋へ連れ込んでいたことです。

インドネシアの有名女優Asmirandah

上の写真は本物の女優ですが、この女性に勝るとも劣らない女性が、60過ぎた白人男性と連れ立ってホテルの中を手をつないで歩いている様子は異様でした。
話を聞くと、彼らは違法にマレーシアに渡った売春婦であるとのこと。
貧しい地域から渡ってきた女性を食い物にする男性は、どんなところにもいます。


★ 「今度こそ日本売りは成功する」 国債バブル崩壊に賭けるヘッジファンド
懲りもしないヘッジファンド。もっとも、このまま日本が国債を大量に発行し続ければ、必ずいつか破綻すると言われますが、はてさて。


2012年12月9日日曜日

A4にまとめるという方法

「話し方がうまくなる◯◯の方法」などを読んでいるのに、話し方がうまくならない、という経験は、あなたにありませんか?

話し方レシピを読んでも美味しい会話は作れない 」という記事に、
 こういうエントリーのポイントは、これを読んだだけでは何も変わらないということ。確かに自分の知らない話し方をしることができれば、それに意味はあります。ただし、読んだからといってその技術を使えるようになるとは限りません。会話の仕方を自分のものにするためには、実践する以外に方法はありません。
と書かれています。
もちろん、実践することも大切です。
でも、理論を実践できないのには、それ以外にも大きな理由があるように思えます。

世の中には、ハウトゥー本、マニュアルがたくさん出回っています。
話がうまくなる方法にかぎらず、勉強ができるようになりたい、もてたい、おカネがほしい……様々な欲求をみたすために、人々はそのような方法論を追い求めています。

それなのに、
・あまりに情報量が多すぎで、どれを利用すればいいのか悩む。
・いざその場になると、内容を思い出せない。
という理由で、せっかく方法が目の前にあるのに、実行できない人が多いのではないでしょうか。

まず、情報量が少なくても困りますが、多すぎても、どれを選べばいいのかわからなくなります。
「インターネットがあるから、記憶に頼らなくてもいい」
と言われた時代もありましたが、今ではインターネットに知識があふれ、肝心な知識になかなかたどりつけません。
記憶のきっかけになりそうなキーワードをGoogleに放り込んでも、目当てのページにたどりつくまでに四苦八苦する有様です。

そして悪いことには、その知識を利用しようとした時に、その知識の存在をすっかり忘れてしまうことです。たとえば、他人と話す時に、他人に好感触をもってもらうために効果的だと言われる方法に、ミラーリング効果というものがあります。

★ ミラーリング効果

かなり有名な方法ですから、ご存じの方も多いでしょう。
でも、それを実行できる人は、あまりいないはずです。
尊敬する人、好きな人、お客様、面接官……彼らと面と向き合ったときに、事前に準備していないと、ミラーリング効果のことをすっかり忘れていて、後になって、
「ああ、彼女の(彼の)身振りを真似すればよかった!!」
と後悔するのです。

では、どうすればいいのでしょうか?
それについて、ある知り合いが面白い方法を実践していたので、ご紹介しましょう。

彼の方法とは、
・手当たり次第に眼の前にある知識を貪欲に吸収し、そのあと、知識をA4の紙に集約していく。
というものでした。

サラリーマンを10年間務め上げたあと、独立して自営業を始め、今ではすっかり悠々自適な生活をしている彼は、かなりの読書家です。

ところが若い頃の彼の悩みは、読書で得た知識を実践で活用できないことでした。
(いったいどうすれば、知識を力にできるのだろう……)
悩んでいた時に彼がふと思い出したのは、
「どんなに大切なことも、A4の紙一枚にまとめられるはずだ」
という元上司の言葉でした。

元上司の言わんとすることは、企画書であろうと会議のための資料であろうと、証拠としての資料は、あればあるほどいい。しかし説明のための知識は、かならずA4程度にまとめられていないと使いものにならない、ということでした。

しかし、彼は元上司の考え方をさらに突き進めていきます。まず、

・人脈の作り方
・よき伴侶の作り方
・売上を上げる方法
・仕事上の知識
……

など、自分の興味のある分野を複数(彼は10~20程度と言っていました)定め、それぞれにA4の紙を用意、常にそこに、自分が得た知識をまとめていくことにしたのです。

(いいな)
と思った知識は、手当たり次第にメモ用紙やレシートの裏、ポストイットにメモします。
その紙を捨てずにまとめておいて、一週間ごとに、A4の紙にその知識をまとめていったのです。
新しい情報よりも価値の少ないと思われる古い情報は躊躇せずに消して、常にA4の紙におさまるように情報をまとめていったのです。

いまだに紙にメモするのをやめない彼に、
「紙にメモせず、iPhoneなどを活用すればいいんじゃないか?」
と提案したところ、
「携帯をいじっているとついついネットで調べ物を始めたりして、時間をとられてしまうから携帯にはメモしない」
と語っていました。

ところが、まとめる先のA4の紙は、やがてMicrosoft Wordへ変わりました。それ以来、作業効率はかなりアップしたようです。

彼は、2、3ヶ月に一度、その紙をプリントアウトして、クリアファイルに入れて持ち歩いていました。
普段からA4に知識をまとめているので、頭は常に整理されています。
でも、いざというときには忘れてしまうので、たとえば商談先に会いにいくときは、その紙の束を眺め、必要に応じて8つ折りにしてポケットに入れていたりして、かなり自由に使っていました。

今でも活躍している彼に、
「その方法は面白いから、『まとめてA4(え~よん)!』とか『A4"マ"とめる"プ"ロジェクト(略称:A4マップ)』などいったタイトルにして、ノウハウをまとめて、本にするべきだ!!」
と薦めたのですが、彼はなにかと忙しいため、未だ実行していないようです。

こういった方法があれば、知識を知恵として利用できるのでしょう。


2012年12月8日土曜日

寒くなる前にそろえたい 簡単に温かくなる暖房器具8種

冬になりました。
気象庁は暖冬宣言を撤回、「今年は寒い冬になる」と発表しました。その発表通り、北日本では爆弾低気圧が暴れ、大雪が続いています。木枯らしは吹きすさび、懐も身体も寒い今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

あまりに寒い冬には、暖房だけではやり過ごせません。もう12月になりましたが、これから3月まで4ヶ月近く、厳しい季節が続きます。暖房器具を買うのに、遅すぎることはありません。知らない人も多い、効果的な7つの暖房器具をご紹介しましょう。

ホット脚入れヒーター
なかぎし ホット脚入れヒーター ベージュ 115×43×43cm NA-21SHZ(BE)    
通称「ぬく袋」です。

昨年「暖房器具を買いたいけど何がいいのか分からない人におすすめする暖房器具」という記事で一気にブレイクしました。この記事の中でも紹介されている「図解ぬく袋!今冬のデスクワークはこれで乗り切れ!」のイラストを見れば、その魅力は一目瞭然です。
図解ぬく袋!今冬のデスクワークはこれで乗り切れ!... on Twitpic
もうすぐクリスマス。
プレゼントとしてこれを彼or彼女に贈るのはいかがでしょうか。
「この器具に包まれている時は、僕に(私に)抱きしめられていると思ってほしい」
などと言いながら渡せば、いつまでもあなたに感謝することうけあいです!!(えぇぇ~)


ミニマット(40角)ホットカーペット
山善(YAMAZEN) ミニマット(40角)ホットカーペット YMM-K402
上記の記事に対抗して書かれた「今年私が買ってとても良かった暖房器具」で紹介されていたのが"ホットマット"です。

上記の商品がイス派ならば、こちらは地べた派にお勧め。ホットカーペットやホットブランケットなどは大きくて邪魔になります。「今年私が買って……」の記事で紹介されていたホットマットは現在品切れ中。他にいい製品はないかと探していた時に、ミニマットをみつけました。逆に、これくらい小さい方が場所を取らず、使い勝手と収納に便利です。お値段も2,000円程度と手頃です。


対流型石油ストーブ 
TOYOTOMI 対流型石油ストーブ 日本製 RL-25C(G)   
とにかくすぐに暖まりたいと思う方にとっては、石油ストーブが一番確実でしょう。その中でもオススメなのが、こちらの"対流型石油ストーブ "です。

石油ストーブが暖かいのは当然ですが、このストーブのさらなる長所は「明るいこと」です。なんと40Wの明るさがあるので、これで本を読むことだって十分可能。電気を消して、このストーブをつけると、まるでキャンプファイヤーを囲んでいるような温かい気持ちになれるはずです。

この製品のことは、ネットゲリラの「Amazon強化月間・石油ストーブを買おう!」という記事で知りました。
東日本大震災で、この手のストーブが物凄く見直された。とにかく、電気が要らないので、停電になっても使える。おまけに明るいので、照明の用も足してくれる。(中略)とにかく、「非常時には絶大な用途」でありながら、普段でも便利重宝に使えるというのが、こうしたストーブの良いところだ。
先日も地震がありました。その前には大規模な停電がありました。いつ大規模な地震があって、送電線が倒れ、停電するかわかりません。もしもの時に備えて、石油と石油ストーブを準備しておくことは「転ばぬ先の杖」として必要かもしれません。


遠赤外線電気ストーブ コアヒート
コロナ(CORONA) 遠赤外線電気ストーブ「コアヒート」(省エネセンサー搭載) シャンパンシルバー DH-1112R(SS)  
すぐに暖まりたい。
でも、石油ファンヒーターなどは二酸化炭素やときには一酸化炭素が発生するので換気が心配、という人にお勧めなのが、電気ストーブです。

換気をするとどうしても寒い空気が肌に届いてひやりとすることが多いものです。また、窓を開けっ放しにして寝ることも出来ないので、寝落ちをするのがとても心配です。

電気ストーブが一台あれば、重宝します。最近は燃費もよく、十分エコです。テレビが1人に1台の時代、暖房器具も1人1台所有しておきたいもの。そんなときに、この"コアヒート"がオススメです。


遠赤外線暖房器 アーバンホット
ゼンケン 遠赤外線暖房器 アーバンホット RH-2101
暖房器具を使う上で、小さい子供やペットがいるご家庭は、いたずらが心配です。
電気ストーブだったら石油ストーブほどの危険性はありませんが、それでもニクロム線は大変熱く、素手でつかむと火傷をしてしまいます。

でも、好奇心旺盛な幼児は、電熱線をつかむんですよね……。

小さいお子さんがいる家庭は要注意です。その点このアーバンホットは、電熱線で暖めた空気を上下に放出するタイプ。表面を触っても熱くなく、とても安全です。

万が一の危険性をとことん小さくすれば、多くの危険性は回避できます。


あったか着る毛布 fu-mo(フーモ)

【Amazon.co.jp 限定】 大人気のマイクロファイバー製 暖かい! 着る毛布 洗える袖付ブランケット fu-mo PREMIUM (フーモ プレミアム) ボーダー/ダークブラウン FU-MO-0011-DB
着る毛布が、今流行っています。
はだけず、洗濯可能で、なおかつ薄手なのに暖かい、というとても高い機能を有しています。
単なるガウンもどきではありません。

これのいいところは、夜寝る時に、着たまま寝ることが可能なこと。特に、柵のないベッドに寝ている人にとっては、就寝中に布団がずれ落ちて寒い思いをする危険性がなくなるので、とても重宝することでしょう。

親御さんへのクリスマスプレゼントとしていいかもしれませんね。


充電式 湯たんぽ
【充電式 湯たんぽ 電気あんか カイロ 節電 省エネ ECO】繰り返し使える 充電式湯たんぽ ブラウン(A978-S2)   
・手や足をピンポイントで暖めたい!
・空気を乾燥させたくない!
・電気代を抑えたい!
・長時間使いたい!

という様々な要求を叶えたのが、この充電式湯たんぽです。15分間の充電で3~6時間使用可能。一回の充電で2円しかかからず、お湯を沸かす手間暇がかかりません。とてもコンパクトですし、水を抜けば非常に軽く、持ち運びも簡単です。


恋人
寒い時に本当に必要なのは、上記の暖房器具なのでしょうか?
もしかしたら、違うのではないでしょうか?
あなたにとって本当に必要なのは、身体だけではなく、心も温めてくれる恋人なのではありませんか?

タイトルを「魔法と見分けがつかない8つの暖房器具」としましたが、「恋の魔法」ほどすべてに効くものはありません。
クリスマスまで、あと少しです。

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