2013年7月9日火曜日

自転車でケガを相手にさせた時のために、保険に「個人賠償責任補償特約」つけちゃえば?

2008年、当時10歳の子供が、62歳の老人を自転車ではねた。老人は5年たっても植物状態で、意識が戻らない。

裁判所が出した結論は、子供の親に監督責任を問い、9,500万円もの賠償金を課す、というものだった。

★ 親に9500万円賠償命令 少年が自転車で人はねた事故
自転車で女性(67)をはねて寝たきり状態にさせたとされる少年(15)=当時小学5年=の親の賠償責任が問われた訴訟の判決が4日、神戸地裁であった。田中智子裁判官は「事故を起こさないよう子どもに十分な指導をしていなかった」と判断。少年の母親(40)に対し、原告の女性側と傷害保険金を女性に支払った損保会社に計9500万円を賠償するよう命じた。
医学の進歩のために、植物状態となっても何年も、時には何十年ものあいだ、管に繋がれたまま、ベッドの上で生き続けられるようになった。被害者家族にとっては、大きな負担である。その負担を肩代わりする責務を負う加害者にとっても、厳しい判決だ。加害者と被害者双方にとって、悲惨な結末となった。今回の加害者の子供は母子家庭で育ったそうだ。やがて成長するにつれて、子供は自分のしでかした罪の重大さに気づくのだろう。

些細な不注意でケガを負わせたせいで、一生をかけても償えないような負債を抱え込む可能性がある。自転車や自動車に乗った人々は、細心の注意をもって行動せねばなるまい。

さて、そんな時のために保険に入っておきたい。
「え? 保険? そんなのに入るだけの余裕、自分にはないよ!」
と叫んでこのサイトをそっと閉じようとした方、ちょっとまって欲しい。実は、すでにあなたが加入している保険(殆どの人は、家に保険、掛けているはずだ)に年間1,000~3,000円程度の特約をつけるだけで、賠償責任のかなりの範囲をまかなえるという。

これ、以前わけあって保険の勉強をしたときに知ったこと。意外に知らない人が多いと思う。

個人賠償責任補償特約とは?
日常の生活が原因で、偶然な事故の加害者となった時に、保険会社が加害者の代わりに被害者へ賠償責任を支払ってくれるというものだ。

普通の生活を送っているのに、加害者となる? ありえない! と思う人、たとえば飼い犬がお隣に逃げ込んで隣人に噛みつくような場合は、ないだろうか。あるいは冒頭に掲げたように、子供が自転車で相手をケガさせる可能性はないだろうか? そんな、些細なミスで莫大な賠償責任が生じた時に、役立つのが、この個人賠償責任補償特約なのだ。

個人賠償責任保険だけに加入することは大変難しい
日常の様々な事故を補償するために、保険会社にとってはリスクが高い。よって、単独でこの保険に入るのは、実際のところ、大変むずかしい。嘘だと思うのならば、近くの保険代理店に行って尋ねてみればいい。
「個人賠償責任補償保険に単独で入れますか?」
とね。たいていは断られる。私も先日「ほけんの窓口」に行ってお願いしたところ、門前払いをくらった。

自転車保険では自転車運転時にしか補償されない
「自転車保険に入れば済む話じゃないの?」
とおっしゃるあなた。相手にケガをさせる時は何も自転車乗車中だけではあるまい。道を歩いていて相手にぶつかることだってあるし、自分の子供がケンカをして相手にケガを負わせることだってあるだろう。買い物中に陳列品を壊す場合だってある。そういう場合に補償してもらえない自転車保険では、正直苦しいのではないか。

自「動」車保険に、特約をつけることができる
自「転」車保険ではなく、自「動」車保険の話をしよう。自動車に乗っている人は、当然、自賠責保険だけではなく任意保険(=自動車保険)にも加入しているはず。自動車保険に、個人賠償責任補償特約をセットできることを、知らない人が多い。

「それって、運転手が引き起こした加害事故しか補償されないんじゃないの?」
と思う人、甘い。

多くの保険会社では、、この特約の補償範囲は、記名被保険者(ほとんどは契約者と同じ場合が多いが、契約者が別の人を指定している場合もある)だけではなく、その家族の加害事故まで補償してくれるのだ。

そして、自動車保険の運転者の範囲を(本人型などへ)限定していたとしても、個人賠償責任補償特約に関して言えば、この限定は無関係である場合がほとんど。詳しくは保険代理店に確認してほしい。

ちなみに、東京海上日動に尋ねたところ、この特約をつけるためにかかる費用は、年間1,500円程度だそうだ。安い。

火災保険に特約をつけることもできる
火災保険にはほとんどの人が入っているはずだ。家を持っている人であれ、賃貸者であれ。その保険にも、個人賠償責任補償特約がつけられることをご存知ない人が多い。それも、火災保険とセットだから、さらに安くで抑えられる。

もしくは、賃貸者向けの保険の場合、この特約がセットになっている場合も多いらしい。これはお得だ。ただし、自動車保険と比べて補償の対象となる家族の範囲が狭いことが多いので、要注意。

傷害保険に特約を(ry
火災保険や自動車保険と同じなので、省略。


記事には何も書かれていないけれども、この少年の親も、火災保険に入っていたはず。この事故の賠償責任も損害保険会社がとってくれるのではないだろうか。記者にはそこを調べて書いて欲しかった。

日常生活にはまさか、という事態に陥ることが多いもの。そんな時のための保険には何かしら入るべきだと思う。

それがいつか、あなたを救う。

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