2013年7月16日火曜日

罪がないことを立証することは難しい

ジョンベネちゃん殺害事件をリアルタイムでニュースで知っている。被害者が数々の美少女コンテストで優勝していた愛らしい少女で、父親が会社経営者というセレブ一家に沸き起こった不幸だったために、アメリカでは報道合戦がヒートアップした。

よく、
「アメリカ人はアメリカンドリームを信奉していて、成功者を皆で褒め称える。成功者を皆で引きずり下ろすようなことはしない」
などと言われるけれども、成功者に不幸が訪れることを喜ぶのはどこも同じだ、と思ったものだ。

その両親の潔白が2008年7月に、証明されていた、というニュースを見逃していた。

★ ジョンベネちゃん殺害事件、両親の潔白証明される
 およそ12年前に発生したジョンべネ・ラムジーちゃん(当時6歳)の殺害事件で、新たなDNA検査の結果、ジョンべネちゃんの両親の潔白が証明された。検察が9日発表した。声明によると、ジョンベネちゃんの衣類に見つかった男性のDNAは、家族の誰とも一致しなかった。
DNA鑑定技術も進歩して、昔よりも精度が上がったのだろう。その結果、家族の誰のものでもないDNA、たぶん精液が付着していたことがはっきりとしたのだから、家族が犯人だという説は、たぶん誤りなのだろう。

でも、12年後にそれが分かっても家族にとっては何の慰めにもならないだろう。17年後の今年になっても、犯人が逮捕されたという報道もない。この事件も迷宮入りとなるのだろう。

本当に何がその場で起こったのか。立証は困難だ。先日無罪判決が出た「トレイボン・マーティン事件」でも、その感を強くした。

★ 無罪評決に全米で抗議デモ、米大統領「法治国家」強調
17歳の丸腰の黒人少年・マーティンが銃で撃ち殺されたのに、撃ったジマーマンは無罪となった。
これだけを聞くと人種差別による不当判決のようにしか思えないけれども、そうではないと指摘する記事もある。

★ メディアに歪曲された「トレイボン・マーティン事件」
という記事によれば、
・マーティンは、警戒する氏に対して腰に手を当てて睨みつけ、挑戦的な態度をとっていた
・氏はマーティンを「執拗に追っていた」のではなく、彼がどこへ向かっていくのかを見届けようとしていた
・マーティンが足早に歩き去り、姿が見えなくなった後で自分の車に戻ろうとした瞬間に左側からマーティンがいきなり姿を現した
・「てめえ何か文句あんのか」と言いながらマーティンが氏の顔面を殴りつけ、鼻を折り、地面になぎ倒した
・マーティンは氏にまたがり、「殺すぞ!」と言いながら頭部を殴りつけ、氏の後頭部をコンクリートの地面に何度も頭を叩きつけた
という事実があったという。ところがメディアが人種差別であるという構図を描くために、ジマーマンの発言を故意に順番を入れ替えて放送したりしたという。

17歳と聞くと幼く思えるが、マーティンは180cm、体重は68kgだったというから、かなりの大柄である。その頃の子供は無鉄砲だから、自分よりも10cm低いジマーマンを舐めて、むかついて殴り倒してやろうと考えたとしておかしくはない。

だが、真相は分からない。また、人種差別がからんでいるだけに、これが原因でアメリカで暴動が起こったとしたら、この判決が覆される可能性もあるだろう。

最近カメラの性能が上がり、長時間稼働することが可能となった。GoProのような、高性能のウェアラブルカメラも増えてきている。街中に防犯カメラを取り付けることは無理だとしても、ウェアラブルカメラを一人一人が身につけることは可能だろう。

盗撮を疑われるために、夜中にカメラを身につけて動くことは今は日本では難しい。今後はアメリカで、ウェアラブルカメラを身につける習慣が広まり、それが日本に輸入されたりするかもしれない。

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