2013年4月4日木曜日

SNSの流行でブログが失ったのは「読者」ではなく「書き手」

FacebookやTwitter、昨今はLINEが話題となり、それに比べると影の薄くなったブログ。Web業界でブログを書いている人々の中には、そのことに忸怩(じくじ)たる思いをしている方が多いようです。Web業界の住人は時代の最先端にいることを自認しているため、その自分が関わっているサービスが、時代遅れのものとなることには耐え難い気持ちを抱くのでしょう。

長文ブログを続けるのは正直しんどいものです。TwitterやFacebookのような「見てもらう」ための仕組みがいくつも仕掛けられているサービスに比べると、ブログは不利です。

TwitterやFacebookなどのSNSが登場してから、ブログを書く人がかなり減りました。mixiでも、日記を書く人は今やまれで、つぶやきばかりです。SecondLifeと同様に、ブログもいずれ衰退するのではないか……と危惧する人は案外多いようです。

ところが、これに対して最近、このような反論記事が書かれました。

★ 「TwitterやFacebookの次は何が来るか」だって?そりゃお前、ブログに決まってんだろ!
どんなサービスにも「最初にやったもんがち」的なところがありまして、流行の前に参加した人は、いろいろな利点があるものです。たとえばTwitterならば、初期に始めた人は多くのフォロワーを抱え、自分の一言コメントに大勢の人が反応し、時には企業から、
「広告料を支払うので、我々の商品をツイッターで紹介してください」
などと頼まれることもあるそうです。これは嬉しい。

そんな先行者利益を狙う人々に対してイケダノリユキ氏は、それよりもブログを書いて中身を充実していったほうがいいよ、と指摘しているわけです。

これに対して、やまもといちろうというアルファブロガーが、
★ このブログをどっちの方向へ進めていくのがいいんだろうね会議
という記事にて、深く賛同していました。

やまもと氏といえば、mixiへの愛憎半ばする記事を書くことでも有名でして、衰退するWebサービスには人一倍敏感な御仁。彼も、思い入れのある(面白い記事をたくさん書いていますからね!)ブログサービスが、mixiのように衰退するのではないか、という一抹の不安や、ブログを書くことに意味があるのかという思いと日々戦っていたのでしょうね。だからイケダ氏の上記発言に励まされたはずです。

私もこの一連の記事を読んで、励まされたウチの1人。先日、尊敬するあるBloggerから「あなたのブログは面白い」という丁寧なメールをちょうだいしまして、本当に嬉しかったのですが、そのようなことは滅多にありません。

ブログを書く人々は、誰もが何かしら、「ムダなことをしているのではないか」という不安、やがてこのサービスも衰退するのではないか、という不安を抱えながら、それでも表現したい、という内なる欲求に導かれて書き続けています。

こういった流れを受け、徳力基彦というBloggerが、このような指摘をしていました。

★ ツイッターやFacebookの次はまたブログが流行ると考えて、ブログを今から始めるつもりなら大間違いという話。
 実はここ数年ブログがSNSに奪われていたのはトラフィックではなく、時代の注目だけだったということです。
 私が知る限り、多くのブロガーの人たちでは、実はツイッターブームの間もFacebookブームの間もトラフィックが減少したりはしてません。
 なぜかというとツイッターもFacebookも最初からブログにトラフィックをもたらしてくれるルートであり、競争相手ではないからです。
こういったグラフを援用しながら、
 実はツイッターやFacebookの登場でブログが失ったのは、「読者」ではなく「書き手」なんですよね。
 ある程度長めのコンテンツを書くことを要求するブログに比べ、ツイッターやFacebookは一言、一枚の写真から情報共有しやすく、リアクションもすぐ見えるので書き手側としては楽なメディアです。
 そのため、ツイッターブーム以降、コミュニケーションを目的にブログを活用していた人の多くがツイッターやSNSに流れ、ブログの書き手は実際減ったと感じてます。 
 でも、実はブログの書き手が減るというのは読者獲得競争という意味ではライバルが減っているので続けている人にとっては良いんですよね。
と徳力氏は結論づけています。

TwitterやLINEをする時間が増えれば、その分ブログを読む時間は減るわけですので、果たして読者が本当に減らないのかは、再考の余地はあるにしても、書き手が減っているのは間違いない事実。これも一つの淘汰の形なのかもしれません。それに、読者の総数はせだいが交代するに連れて、年々増えていきます。

★ 大学生は「Facebook・はてな」、高校生は「YouTube・FC2・Ameba」
学生は金を使いませんが、社会人となって金を落としてくれる、将来の消費者候補たちです。彼らには、もはや雑誌を買って読んだりお互いに回し読みするような習慣はありません。雑誌とほぼ同等の読書コンテンツとなったスマフォが爆発的に普及した2010年から3年。当時高校生だった彼らが社会に参入するわけですから、ますます雑誌は売れなくなります。その分、情報に飢えた人々がネットを読むようになります。

Twitterやフェイスブックで飽き足りない若者たちがブログの読者となってくれるのですから、読者は漸増(ぜんぞう)していくはずです。これからはそういう読者向けにも記事を書こうかと、今日の記事の分かりにくい単語にはフリガナをうってますw

いろいろな流行がこれからも沸き起こるはずですが、ブームに一喜一憂する必要はあないということです。

それにしても、徳力氏のこのイベント、面白そうですね。

★ blogger summit 2013
 2013年は、日本において主要なブログサービスがはじまってから、ちょうど10年の節目となります。昨今はTwitter・Facebookにはじまるソーシャルメディアの台頭などがありましたが、結果としてアーカイブとしてのブログの立ち位置は、より明確になったように思えます。
 このブロガーサミットでは、さまざまなジャンルのブロガーさんに登壇いただき、ブログの過去・現在・未来についての話をしていただく予定です。8月24日(土)にはみなさんとお会いできることを楽しみにしています。
またブロガーサミットに向け、全国で前夜祭的なブロガーイベントを開催していく予定です。こちらもよろしくお願いします。
早速サポーターとして登録し、コメント欄には、
「日本珍スポット100景」の五十嵐麻理さんから、おもしろい珍スポットやブログには書けないウラ話などを聞いてみたいです。
などと書いて申し込んでみました。

★ 日本珍スポット100景

このサイトは面白くて、日常に飽きている人には必見です。ご本人は東京在住ではないようなので、上記イベントへの参加は無理だと思いますが(ダメ元でコメントしてみました)、やまもと氏やイケダハヤト氏、まなめ氏などのいろいろなBloggerに会えたらいいですね。

ワクワク。

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