2015年2月7日土曜日

武道を稽古するならば型稽古の方がいい

実践形式ではない武道の稽古をすることに、昔は疑念を抱いていました。

日本の伝統武道は、ほとんどが型稽古を重視しています。今の剣道のような防具をつけて竹刀でたたきあうような稽古を始めたのは江戸時代末期の北辰一刀流だそうでして、それまでの道場のほとんどは、型をひたすら繰り返す、というものばかりだったといいます。

学生の頃には、この種の稽古を小馬鹿にしていたことがありました。大学生の頃に古武術を習っていながら、
「こんなの実戦で通用するのかね」
と思いながら稽古していたのも事実。

子どもですから、ヒーロー願望があるんです。

街で暴漢に突然襲われたときに、次々に倒してやりたい、とかね。そんなシーンを夢想したこと、ありませんか?

型稽古を繰り返して、彼ら悪漢を倒せるように成るとは、到底思えず、かといって私の尊敬する武道家たちは「型稽古をやらなければならない」「強くなる」という主張をするものですから、ほんまかいな、と思いながら型稽古を不承不承、やっていたのです。

それから仕事が忙しくなって武道から離れて10年以上となりますが、最近ふたたび武道でも稽古しようかな、と思える精神的余裕を持つようになって、ふと思ったのが、今まで自分がいかに運が良かったのか、という事実。

この年で、たとえば頚椎に損傷を負って下半身不随になったとしたら、どうしようと考えると、ふいに怖くなりました。

考えてみれば、暴漢に襲われて命が奪われる可能性よりも、実践形式の武道の稽古で、打ちどころが悪くて半身麻痺になったり、骨折したりする可能性の方が確率が高いのではないでしょうか。

「危険を避けるため」
に武術や武道をやるのだとしたら、怪我をする危険性が、暴漢に襲われる危険性よりも低くなければなりません。それなのに、アクシデントの多い試合形式の稽古では、リスクが大きすぎます。

筋トレをして、走りこみをして筋力とスタミナをつけ、型稽古をすれば、いざというときに身を守る動きをするには充分ではないか、という確信が、今はあります。筋力をつけるという積み重ねを嫌う人間が、勘だとか技だとかに安易によりかかるのではないか、とも思うのです。

そう考えますと、実戦形式で稽古することには、メリットよりもデメリットの方が大きいのではないか、と思うようになりましたが、これは私が歳をとった、ということなのでしょうかね。



2 件のコメント:

  1. それは個々人の能力と目的によって変わるのでどちらがいいと言い切れるものではありません。

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  2. あなたの意見に賛成します。

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