2013年2月22日金曜日

夫婦が仲良く過ごすために ④

さて、そういう訳で、「夫婦和合家運繁栄の秘訣」にまとめられた49ヶ条のうち、㉒~㉘までのご紹介です。

㉒ 人に疑惑をもたせるような言動は禁物
智者も学者も踏み迷うのが恋の路である。賢明な人でも恋人のこととなるとつい熱して来て、傍の人が「はてな?」と思うような態度を見せたりする。
しかし、こんなことは百害あって一利なき余計なことだ。
成功すべき恋愛が、傍から水をさされて失敗に終わるようなことが起こるのは、往々こうした軽率な態度に原因しているのだ。
相手を試すために、言わなくてもいい余計なことを言う人って、いますよね。
「他に好きな人が出来たんだ」
とか、
「別れてほしい」
という、思ってもいないことを言って相手の気持ちを試そうとする人。周りも、
「それで相手の気持ちを確かめてみたら?」
などという余計なおせっかい的アドバイスをするのですが、それがうまくいくことはないでしょう。

そして、そんなアドバイスをしてカップルが壊れたとしても、いらないアドバイスをした人間は反省しません。
「もともと壊れる運命だったのよ。早く別れて正解」
などとほざくのです。


㉓ 口達者には警戒せよ
新聞に時々現れる所謂「色魔」の特徴は口の達者なことだ。
自分はこれこれの大学の教授だとか、自分の父は華族だとか、自分は有名な芸術家だとか、言葉巧みに法螺を吹いて相手を煙に巻いておいて、巧妙に魔の手を伸ばすのである。
まったくの法螺ではないとしても、とかく自己広告をしたがる者には気を許してはならぬ。
そう云う種類の者には健実な人物がいたためしがないのである。
嘘偽りで相手を欺く人、いますよね。自分をある程度飾るのは、相手に気に入られたいという一心だと思いますので必ずしも否定することではないと思います。でも、度を過ぎた看板を表に掲げて恥じない人間は、案外多いのです。


㉔ 不平家に警戒せよ
何にでも不平を抱く人がある。
そんな人物にかぎって天下国家の問題で大きな不平を抱くと云うような気概はなく、
自分の家庭、自分の友人、自分の地位に対して常にぶつぶつと不平を呟いているもので、そんな人物と結婚したが最後、箸の上げ下げにまで文句を言われなければならない。
朗らかな家庭生活なんかは望むべくもない。深く警戒すべし。
朗らかであることは、どのような場合でも重要です。「悲観主義は気分の問題だが、楽観主義は意思の問題」という言葉をきいたことがあります。将来のことを恐れるのは古代人の名残でしょう。古代人にとっては、明日天災に襲われることも病気に襲われることも日常茶飯事だったので、常に心配を怠らねばならず、野生動物のようにビクビクせねばなりませんでした。ところが現代人には、意思の力によって自分で道を切り開くという、主体的な行動が求められます。

その場しのぎと悲観主義のセットが草食動物のものだとしたら、先読みと楽観主義は肉食動物のもの。人間はその歴史の中で、被捕食者の歴史が長かったのですが、主体的な人生を歩みたければ楽観主義でいなくてはならないということです。


㉕ 道ならぬ恋は禁物
道ならぬ恋のために身の破滅を招いた人々の記事が、毎日の新聞紙上から絶えたことがない。
まさか自分がそんなことをするはずが無いとは誰もが思うだろうが、運命の戯れは神秘である。
誰も自分の将来を知っているものはない。しかし、どんな機会に、どんな立場におかれようとも、「道ならぬ恋はすまじ」と固く心に銘じておけば、他人を苦しめ、自らも苦しむこの地獄からは救われるであろう。
下世話な話で恐縮ですが、AVでは人妻物というのは確立されたジャンルです。レディースコミックでは、好きになった相手が既婚者というシチュエーションが頻繁に出てきます。10年以上前には『失楽園』という不倫心中小説が話題になりました。

道ならぬ恋の背徳感も、恋愛ジャンキーには魅惑的なスパイスのようです。覚醒剤にはまる人がいるように、浮気にはまる人も多いのでしょう。


㉖ 石橋もたたいて渡れ
恋愛に大胆勇敢は禁物である。石橋も一度たたいてみてから渡る小心と臆病が必要である。
なぜなら恋愛は一生涯に一度たるべきもので、その失敗は一生ついて廻るものだからだ。
余りに臆病なために一度の機会をのがしても、再びよりよい機会が来ることもあろう。
しかし、用心を欠いたために、一度の機会に失敗してしまったら、とりかへしがつかぬ。
他人と一緒にいるということは、日常的に様々な選択しを選び続けていくということです。彼女が何かを質問し、それにこちらがどう答えるか。彼女とどこに遊びに行くか。両親にいつ挨拶に行くか。無数の選択をおこなううちに、たまさかいい加減な気持ちで選択したことが、決定的な関係の破綻を招くということはあると思います。

そのような破綻を招かないためには、普段から慎重に慎重を重ねるという態度が重要です。


㉗ 子供たちに聞かせても恥のない恋愛を
同じ恋愛小説でも、その筋の命で発売を禁止されるような醜いものもあれば、学校の教科書にも使用されるものもある。
出来るならば、自分の子供たちに語って聞かせても恥じないほどの、美しい無理のない恋愛から、結婚への筋道を通りたいものだ。
子供からは必ず、夫婦の馴れ初めを尋ねられます。その時に、お父さんとお母さんは、そのころSMクラブの女王様と客だったんだ……などという話はあまりしたくないもの。異常な関係から始まる恋愛もなきにしもあらずですが、できるだけ王道を歩みたいものですね。


㉘ 明るみに出されても恥なき恋は最上の恋
ガラッと障子を開けられて、アッと逃げ惑うような恋はなすべからず。
明るみに出されても、恥なく、堂々と大手を振って通れるような恋は最上の恋だ。
恋愛に、無理もなく必ず成功する秘訣は、こうした恋をすることだ。
㉗の二番煎じですね。最近思うのですが、この手のライフハックはだいたい、同じネタの使い回しが多いということです。ある作家のことが好きになって貪り読む最初のうちはいいのですが、段々と同じようなことを言うことに腹が立ってきます。それに、彼の語るライフハックでは解決しない悩みが次第に多くなります。やがてその思想から卒業してしまうのです。さて、二十九番目に来て、この「夫婦和合家運繁栄の秘訣」の仕組みが段々とわかってきました。正々堂々とした積極的で快活な恋愛を心がければ、世の中うまくいく、ということを手を変え品を変え、訴えているように思えて来ました。



それでは、また。

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