2012年10月8日月曜日

悪徳不動産屋で面接したときの話 ①

★ 規制強化が逆風に… 新築ワンルーム急減  :日本経済新聞 規制強化が逆風に… 新築ワンルーム急減  :日本経済新聞
という記事を読んで、以前面接を受けた、悪徳投資用マンションの販売会社のことを思い出しました。

上記記事自体は、悪徳不動産屋のことに触れているわけではありません。
住環境改善を目的として、各自治体は30平米以下のマンションの建築を制限するところが多くなり、
その結果、2008年から急激に、新築ワンルームの着工件数が減少していることを分析した記事です。

過去のことを思い出したのは、記事の冒頭で、
>>床面積20平方メートル以下の着工戸数は2011年、直近のピークである06年の3分の1まで縮小した。
という文章を読んだからでした。

家族では到底住むのに適しない、単身者向けの20平米以下のマンションを購入するのは、ほとんどが投資用目的ではないでしょうか。

しかし、地震がいつ起こるのか分からないこのご時世、よほど資金に余裕がないならば、マンション投資などは控えるべき行為のように思います。

それでも、購入者が未だに多いのは、あの手この手の営業トークを駆使しして、不動産投資を勧める悪徳不動産屋の存在が大きいからでしょう。

以前転職を考えていた時に、求人サイトを読んでいた私の目に、
「基本給18万円保証、歩合制で年収1,500万円も夢じゃない!」
という不動産屋の求人広告が目にとまりました。

その事務所は、新宿にある大変高い建物の30階くらいを3フロアを借りきっており、地図で見ると、新宿中央公園を一望できる場所にあります。

「こういうところに面接に行くのも面白そう……」
と考えて履歴書を送付すると、翌々日には「面接しましょう」という電話がかかってきました。

土曜日に面接の予約を取り、14時頃、事務所にお邪魔しました。
土曜日は各自で営業に出かけているそうで、部長と数人の事務員だけがだだっ広いフロアで仕事をしていました。
白で統一された室内はとにかく明るく、整頓されていて、怪しい雰囲気はまったくありませんでした。
そして、窓かの眺望はとても素晴らしく、眼下に新宿の景色がひろがっています。
ところが、面接のためのパーテションで仕切られた個室へと通され、待つこと5分、現われた部長は、大手不動産屋で働くにはまるでふさわしくない、サーファーのように日に焼けた筋肉質の、精悍な顔つきの人物でした。

見たところ40代なのに、髪を茶色に染め、ネクタイピンには大きなジルコニアらしき宝石がいくつもつけられています。

「今まで営業の経験は?」
「ないです」
「なんでこの業界に入ろうと思ったの?」
「やっぱり、稼ぎたいからです!」

という頭の悪い会話をすると、それがお気に召したのか、部長はフフンと笑い、
「あんたさ、ガッツはありそうだし、面白そうだから、うちで働いてみる? 来週からおいでよ」
と、いきなり採用が決まりました。

「あ、ありがとうございます! お仕事の内容を教えてもらえるでしょうか?」
と私は尋ねました。
どうせここで働くつもりはないので、話は聞けるだけ聞いておかないと、損です。

「そうだね……入ってすぐに辞めたいとか言い出されたら困るからさ、まあ、辞めさせもしないんだけど、先に、簡単にうちの営業スタイル、教えてあげようか」
と言って、彼は会社の営業方法を話してくれました。

「うちのターゲットは、オタクなんだ」


「オタク、ですか?」
「そう。秋葉原とかよく歩いている、あのオタク」
「なぜでしょうか?」

いまいちピンとこなかった私に、その部長さん、笑いながら丁寧に教えてくれました。

「あいつらカネ持ってるよ! だって、趣味のためにお金を使えるということは、仕事か財産もってないとできないし、趣味以外にはカネ使わないしね。服装がダサいやつだからって、人を見た目で判断しちゃダメ」
「はぁ」
「それに、気が弱い奴らが多いから、多少強く言っても断れないから」
「でも、とてもガードが固そうですけれどね」
「それがそうでもないんだな。あいつらの自尊心をくすぐれば、案外簡単にカモれる」
「どうやってですか?」


(明日に続きます) このエントリーをはてなブックマークに追加

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