2014年1月19日日曜日

青年女性向けのマンガのジャンルを作ればいいのにと思ったけれども

恋愛天国 (パラダイス) 2014年 03月号 [雑誌]
恋愛天国 (パラダイス) 2014年 03月号 [雑誌]

「今の少女マンガはえげつないよ」
ということを女友達から聞きまして、数冊の少女マンガを読んでみましたが、たしかにえげつないですね。

少年マンガよりも、はるかに性的描写が多いのです。

少女マンガの金字塔となった『NANA』という作品。
こちらも、過激な部分が多く描かれ、ちょっとどうだろう? と思いました。

少女マンガの露骨さは少年マンガの妄想的なものとは違いますね。現実の延長上にあり、主人公に感情移入するとそのまますうっと現実に行動を起こしそうなものを感じました。少女にとって悪影響を与えないだろうか……と心配になりました。

インターネットで情報はいくらでも仕入れることができる時代ですから、規制の効果が昔ほど期待できないとしても、精神が未成熟な少女からできる限り性的なものを遠ざけて、落ち着いた環境に置くよう努力するのは、大人の役目。だから、子供向けの少女マンガ冊子に過激なものを載せないようにしてほしい。

それにしても、なぜ今の少女マンガがこう変化したのか? 女性は男性と異なり、性的描写をそれほど求めていないのに、と考えているうちに、男性には青年向けのマンガである「ビッグコミック」という雑誌が用意されているのに対して青年女性向けのマンガ雑誌がないから、少女マンガに20代女性向けのマンガが押し込まれてしまっているのではないか、と思い至りました。

むろん、レディースコミックというジャンルがありますが、こちらは男性向けのエロ雑誌の女性版のようなものでしょう。青年女性向けの純粋なストーリー性のある娯楽雑誌とは異なります。

たとえば『今日からヒットマン』や『リアル』、あるいは『島耕作シリーズ』のような物語の載ったビッグコミックと呼ばれる青年男性向け雑誌。あれの女性版があってしかるべきではないか。

そうすれば、現在ビッグコミック系雑誌に掲載されていた『おたんこナース』だとか『働きマン』のような若い成人女性向けのマンガがそちらに掲載され、女性漫画家ももっと女性向けに特化した漫画を描けるのではないか。

こうしたことを思って調べてみますと……以前はそういうものがあったのに、廃刊となったことが分かりました。


ヤング・レディース
 ヤング・レディースは、日本における女性向けの漫画のジャンル。大人の若年(20代を中心とする)女性の生活や恋愛を描く。
(中略)
 1980年代中盤には女性漫画(レディースコミック)が隆盛し、次いでレディース誌と少女誌の隙間とされた年代をターゲットにした雑誌が続々と創刊され、ヤング・レディースというジャンルが確立した。
 1990年代後半、女性漫画のブームが落ち着くと共に淘汰が進み、大手出版社以外はこの分野からほぼ撤退している。「ヤング」付きの誌名を持つ雑誌は『FEEL YOUNG』一誌を残すのみとなった。
なくなってしまった理由は単純です。……それが売れないから。なぜだろう? と思って友人に聞いたら、即答されました。

「だって、ファッション誌を読んだり現実に買い物している方がマンガを読んでいるよりも楽しいじゃない」

なるほど。

男性と比べると女性は現実的。妄想よりも現実にシフトする女性が男性よりも圧倒的に多く、マンガを読まなくなるため、彼女たちをターゲットとした青年女性向けのマンガ雑誌の市場が育たないのでしょう。とはいえ少ないながらも青年女性向けのマンガを求めている人々がいるので、青年男性向けの雑誌と少女マンガ雑誌に、青年女性向けのマンガが押し込まれてしまうと、こういうことではないでしょうか。

それでも少女向けの雑誌には、あまり無茶な描写を持ち込んでほしくはありません。少年漫画も同様ですがね。


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