2012年7月30日月曜日

日本とアメリカの理想の違い

2010年12月7日に、一人の女性が乳癌で亡くなり、全米が悲しみの底に沈みました。

女性の名は、エリザベス・エドワーズ。彼女のご主人はジョン・エドワーズという上院議員です。

16歳の息子を亡くした夫婦は悲しみを乗り越えて、高齢出産を決意。二人の子供をもうけたものの、無理がたたったのか2004年に妻が乳癌となり、夫婦の闘病生活が始まります。ハンサムな元弁護士の上院議員が病床の美しい妻を支える姿が全米の共感を生み、それをセールスポイントとして夫のジョンは、その年の大統領戦に出馬しました。

惜しくも落選しましたが、将来の大統領は確実とも目されていたそうです。

ところが、ジョンは大統領戦のピーアールに携わった元女優と大統領戦のさなかに深い仲になり、末期癌で苦しむ妻をほっておいて、不倫相手は妊娠。その件がばれそうになると、子供の父親はスタッフだとマスコミに発表してマスコミの追求を逃れようとしましたが、失敗しました。

なんとなれば、スタッフの別荘に隠していた男女のビデオをスタッフが見つけたために、彼の堪忍袋の緒が切れたからです。彼は暴露本を発表。父親はジョンだと告発。ジョン・エドワーズが大統領になる道は絶たれたのでした。

この、いささか旧聞に属する話を思い出したのは、

ジョン・エドワーズ裁判、大統領候補の転落

という記事を最近読み、いまだ問題が解決していないことを知ったからですが、同時に河本準一の生活保護不正受給事件を想起したからでもあります。

2つの事件に共通するのは、理想の家庭像を裏切った、という点です。

未だに河本準一は批判を受け続けていますが、事件としては、より悪質だったキングコングの梶原に比べると、やや叩かれ方に平等性を欠く嫌いがあります。

その理由は、以前このブログでも指摘した通り、河本がおかんを大切にする芸人、という「理想の家庭像を、人志松本のすべらない話などで散々演じておきながら、実は母親に生活保護を受けさせていた、という二面性にありました。

「期待」や「理想」を演じようと政治家や芸人が躍起になるのは、そこに大きな利権がうまれるからですが、怖いのは、裏切られた時に針が大きく反対側に触れることです。エドワーズも河本も、見事に文化の逆鱗に触れてしまったのでした。

逆に言えば、振れ幅が大きいものを観察すると、その文化圏では、何が期待され、何を演じれば人気者になれるのかが分かってきます。上記の2つは、2つの文化圏が期待する家族像の違い(夫婦か、母子か)についても教えてくれます。



本日、読んで、気になった記事はこちら。↓


★ ホラー映画顔負け…元カノの家に地下室を作り、監視していた男が逮捕
この情熱が羨ましいですね。地下室を作ってじっと音を聞くことに楽しさを感じる人間が、この世の中にいるというのがなんとも。


★ 日本でいう典型的な「お金持ち」は誰だ?
土地持ちが一番強いというのは、昔から言いますよね。革命でもない限り、所有した土地を自分の意思に反して奪われることはめったにありません。

ただ、土地を持つということは、その土地に縛られるということでもあり、隣近所との争いに巻き込まれる可能性もあります。

ぼかぁノマドがいいなぁ。


★ 花村萬月、文楽について「保護されなければ消滅してしまう程度の強度しかもたぬ芸術ならば淘汰も致し方ない」
この論法が正しいのならば、イジメられて自殺する弱者を邪悪な存在から守る必要はない、という考えにつながると思うのです。


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