2012年7月18日水曜日

『7つの習慣』の著者が亡くなった


スティーブン・コヴィー氏が今月17日に亡くなりました。自転車事故が原因だそうです。享年79。そんな高齢で自転車で動きまわる、というのは、よほどお元気だったのでしょう。まだまだ活躍が期待される方でした。

彼の書いた著書といえば、なにをおいても、『7つの習慣』です。自己啓発書として世界中で大ベストセラーになった本であり、数多くのビジネスマンに影響を与えてきました。

全世界で2000万部を売ったという『7つの習慣』の骨子は、以下の7点です。
  1. 第一の習慣・主体性を発揮する (Habit 1 Be Proactive)
  2. 第二の習慣・目的を持って始める (Habit 2 Begin with the End in Mind)
  3. 第三の習慣・重要事項を優先する (Habit 3 Put First Things First)
  4. 第四の習慣・Win-Winを考える (Habit 4 Think Win/Win)
  5. 第五の習慣・理解してから理解される (Habit 5 Seek First to Understand, Then to Be Understood)
  6. 第六の習慣・相乗効果を発揮する (Habit 6 Synergize)
  7. 第七の習慣・刃を研ぐ (Habit 7 Sharpen the Saw)
詳しく知りたい方は、



を是非お読みください。あるいは、こんな本も。


守れそうで守れていないのが、コヴィー氏の説く7つの、人生の基本原則です。とかく挫けそうになった時に、この本を読めば、原点に立ち返ることができます。様々な参考資料をもとにしたコヴィー氏のウィットに富んだ文章のお陰で、『7つの習慣』を読めば読むほど、ヤル気が湧いてきます。

特に、2の「 目的を持って始める 」ことはあまり実践していない人が多いはずです。とにかく始めることが重要だと思い、始めた後に、ゴールを設定しないものだから、尻切れトンボとなる、という方も多いはずです。

この『7つの習慣』が、実は、モルモン教徒が守っていた原理原則を、一般向けに抽出したものなのだとも言われていることをご存知でしょうか?

コビー氏はモルモン教というアメリカの新興宗教の熱烈な信者です。この宗教は、「キリストの本当の教えを書いた石版は、キリストの死後、アメリカに密かに持ち込まれ、ネイティブ・アメリカンの間に伝えられていた。それが1823年に発見された」というトンデモ話を元に作られていて、なぜそれを信用する人がいるのかわからないような宗教ですが、アメリカでは大変人気を博しまして、ユタ州という一つの州が、ほぼまるごと、モルモン教徒に占領されています。

日本にも天理市という宗教都市がありますが、向こうは州一つですから、日本で言うと県レベルが新興宗教の信徒でほぼ占められているようなもの。さすがアメリカ、規模が違いますよね。

ただ、内容はトンデモ宗教ですが、信者に成功者が大変多いことで知られています。成功といっても、人間関係を金に変える、ネットワークビジネスが主でして、アムウェイの次に名高い、ニュースキンはユタ州が発祥の地です。

有名人も多数信仰していて、ケント・デリカットやケント・ギルバードのどちらも、モルモン教の信者です。ちなみに、二人は、ネットワークビジネス界でも有名。いろいろなマルチ商法ネットワークビジネス団体の、顧問となっています。

ネットワークビジネス自体にはいいイメージはありませんが、それでも、成功者が多い宗教というのは魅力的です。どんな教義なのか調べてみましたが、酒・タバコだけではなく、紅茶やお茶、コーヒーの摂取が固く禁じられているところが特別な以外、伝統的なキリスト教徒とさほど変わりません。

なぜ彼らがそこまで成功しているのだろうと思いながら調べていったところ、忘れましたが、ある雑誌で、モルモン教には、外部には知られていない、様々な成功を導く決まりごとや、経験則があり、それを外部向けに解説したのが、『7つの習慣』だ、と書かれていたのを読んで、納得しました。

アメリカで迫害を受けていたモルモン教の人々が、それでも、モルモン教の価値観である「この世界を幸福に生きる」という目標のために、試行錯誤して生まれた無数の経験則。それを、コヴィー博士が経営学の手法を駆使して一般向けにまとめあげたのが、この『7つの原則』なのだそうです。

モルモン教の価値観が元になったベストセラーは他にもありまして、例えば、数年前から話題になっている、『トワイライト』という小説。


ヴァンパイアと人間のラブストーリーを描いた作品で、全世界で1億部を売ったという大ベストセラーですが、この作者も敬虔なモルモン教徒です。

そして、小説で描かれている価値観が、モルモン教徒のそれを表しているのだとか。婚前交渉を嫌い、年をとってもお互いにいたわり合い、ネイティブ・アメリカンを尊敬し、アルコールを拒否する、という主人公たちの価値観は、現代アメリカ人のものとは若干ずれています。その背景には、アメリカの新興宗教の影響があった、というのは不思議な気がします。

そう考えながら『7つの習慣』を読むと、新たな発見があるかもしれません。

コヴィー氏のご冥福をお祈りします。



本日読んで、気になった記事はこちら。↓

★ NTT、音遠ざかると腕が伸びたと錯覚する現象発見
腕が伸びる――どんな感覚なのか興味が湧いてきます。人間の脳には、臨死体験や、幻肢痛のような、なぜそのような機能が備わっているのか分からない機能がたくさん隠れているようです。こういった感覚を、一つ一つ解き明かしていくと面白いと思います。


★ 不動産市場に続き高級品市場でもバブル崩壊の足音
中国の映像が動画で出回っていますが、沿岸部となると、ほとんど日本と見分けがつきません。日本をかなり参考にして近代化を勧めた印象を持ちます。幼き頃に何度か再放送されていた、NHKの『シルクロード』のイメージが印象に強いので、この変化は強烈でした。

ただ、変化の早かった中国も、息切れしてきたようですね。そろそろ成熟化へ向かう頃なのでしょう。


★ あずさ監査法人、早期希望退職者募集 280人が応募
問題を解決した時に、費用を支払うことには納得ができる経営者も、問題がないことを証明してもらうための監査業務に大金を支払うことには内心忸怩たる思いがあるようです。

特にこのところ、監査法人がずさんな監査を行なっていた事案が多く、経営陣も腹に据えかねていたところがあるのでしょう。監査法人に対する値下げ交渉が強くなっていると聞きます。

このあずさ監査法人は、オリンパスの違法取引を見逃していた会社であり、批判が多く集まっていました。280人と言えば多く感じますが、昨年のトーマツ監査法人では、30代の若手600人が早期退職制度に名乗りを挙げたといいますから、少ない方です。



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