2014年11月28日金曜日

小4詐称サイト炎上事件は、フジテレビ抗議デモと似ている

先日から何度かこのブログで、小4詐称サイト問題について触れてきましたが、首謀者の母校の大先輩である山本一郎氏が、総括的な決定版とも言える記事を書いています。

★ 小4詐称サイト問題の周辺に“オトナ”不在のなぜ?|やまもといちろうコラム

山本氏が容赦なく切り込んでいて、笑えます。女子高生218人にNPO法人の経費を流用して焼き肉弁当をおごったという、知っている人がまだ少ないネタまで紹介している始末。これには正直、感心しました。大学の後輩にでも手心を加えない。立派だと思います。

山本氏が指摘するように、この炎上事件の功績は、
「青木さんを入塾させたり小保方問題を起こした裏口同然のAO入試の問題」
「経費の使い方が怪しいNPOのガバナンスの問題」
「明らかに問題がある詐称サイトに支援をしてしまった脇の甘いオトナたちの問題」
などを炙りだしたことです(炎上だけに)。

どれも、単体ではそれほど関心を集めるネタではないのに、青木氏というスターのお陰で、さくさんの人の関心を悪い意味で集めたため、問題意識が共有されることとなりました。

AO塾は、これから世間から監視されるようになるでしょうし、大学側も批判を受けて、今後は何らかの対策を進めることでしょう。いろいろな自浄作用が働き始めるとしたら、それは大変素晴らしいことだと思います。

私、山本氏の記事を読んで、今回の炎上事件はフジテレビに対する反韓流デモと似ていることに気づきました。

何かの問題が炎上するのは、偶発的ではありません。それまでの過程で小さな不満が人々の間に積もっていて、怒りが蓄積されていることが多いです。

もともと韓流ブームは作られた感のあるものでした。NHKの『冬のソナタ』や『チャングムの誓い』がブームとなったのは、たまたまだったのでしょう。でも、このブームに便乗して韓流を仕掛けたのは意図的、計画的なものだったはずです。だって、テレビ局がほぼ一斉に、韓国系芸能人を重宝し始めたり韓国系ドラマを放送したりしていましたからね。

リーマン・ショックなどで広告費が先細りになるのに危機感を抱いたテレビ局や大手広告代理店などが、経費削減のために、コンテンツのダンピングへと舵をとった結果ではないかと思います。

大手広告代理店がブームを仕掛けることはよくあることです。しかしそれが大衆心理と乖離していると、人々の不満が段々と溜まっていきます。

作られた韓流ブームに、違和感をもった大衆は、高岡蒼甫の不当解雇をきっかけに、大規模なデモをフジテレビに対して行いました。そして今日の反韓流の隆盛へとつながっていったのです。


同じ構図が、今回の事件にも見え隠れします。

ここ一年ほどですが、ネット上でTehu氏をむやみに持ち上げる記事を見かけるようになりました。

★ 北川拓也氏×Tehu氏 『ハーバード大学卒の天才×現役灘高校生の天才』 by Life is Tech !
★ 天才灘高生 @tehutehuapple さんのプレゼンがすごかった
★ 元旦にニッポン放送で「ももクロ」に会った

同じく、青木氏のような威勢のいい若い大学生の政治活動も、民主党を中心とした人々からやけに持ち上げられています。模擬選挙だとか、大して中身はないのに、「凄い」「凄い」と大変な騒ぎです。

正直、少し気味が悪いと思っていました。

Tehu氏のプレゼン、ほんとうに凄いですか?
青木氏の主張、そんなに目新しいでしょうか?


なにより彼らの顔。


こう言うと大変失礼ですが、人気の出る顔とはとてもじゃないですが、思えないのですね。あの手の顔に人気が出るとしたら、経験を積んで顔に渋みが出てくる30を越えてからでしょう。

それなのに、広告代理店に「使える人材だ」と認定されて、応援され、大衆の尊敬を得ていないのに尊敬を彼らが得ているような扱い方をされるということ。これ、大手広告代理店による、社会的指導者を自分たちの手でつくりあげようという計画の一環だったのではないか、と邪推するのです。

芸能人のスターを大手広告代理店が作り上げることは、これまでもよくあったことです。芸能人スターを一から作り上げたように、政治家や文化人を彼らが原石から発掘して作り上げようとしていたとしても、おかしくありません。

18歳の若者にも選挙権を与えろという、どうでもいい主張に夢中になる彼らと、彼らを妙にプッシュしてきたマスコミについて調べるうちに、その想像が確信に変わりつつあります。

で、この意図的な動きに対して、完全に気づいたわけではありませんが、なんとなく嫌だな、と思う人々が巷に増えてきて、その不満が積もり積もって、小4詐称サイト問題で一気に炎上したのではないでしょうか。

本当の人気は、こんな流れで上がっていきます。人々が無意識に共有していた時代の気分にマッチしたスターが、最初は熱狂的な一部のファンの人気を博し、そのファンが宣伝をして次第に人々に知られるようになり、テレビに出たり事件を起こしたりしたことをキッカケに一気に人気が出てきて、それに広告代理店などが群がって人気を不動のものにするのです。

それに比べて作られた人気は、いつまでも何があっても応援してくれるコアなファンを欠いていますので、すぐにしぼんでしまいます。青木氏が元代表を務めていたNPO法人の活動が、今回の件ですぐに瓦解してしまったとしてら、たぶんそういうことなのでしょう。


2014年11月26日水曜日

いろんな事実が出てくるものだ 「#どうして解散するんですか?」と入試不正疑惑

一昨日「#どうして解散するんですか」という大学生が小学4年生を装って作ったサイトについて言及しましたが、その事件が急展開を迎えています。

★ 【AO入試ビジネスの闇】小4なりすまし慶応生青木大和「NPOのスタッフ全員がAO入試で合格!」

上記記事によれば、この問題を起こした男性の友人らしき人物(たかお@o_takao104)がTwitterで、
いま話題の誰かさんの慶應法学部およびSFCのAO入試のための自由記述つくったの僕なんですけど、規約違反とかで慶應の合格取り消しにしてくれませんかね?お礼すらないどころか塾では彼が作ったとして掲載したらしいからねにもってる(´・_・`)
返信 リツイート お気に入りに登録 2014.11.22 23:00
と発言。青木氏が入試で不正を働いたのではないか、という疑惑が出てきたのだそうです(現在この発言は削除、いや、アカウント自体がなくなっています)。

上記の発言の中に出てくる塾とは、「AO義塾」という東京都渋谷区は代々木にある慶応大学のAO入試に特化した塾のことです。そして青木氏が代表を務める「僕らの一歩が日本を変える」という団体が、この塾の生徒の実績アップに利用されていたのではないか? と上記記事は指摘しています。

AO入試では、社会的な奉仕活動やその他の社会活動を通し,その成果や業績が認められていることを出願資格の一つとしていますが、社会活動の実績など、高校生がそうそう簡単に作ることはできません。ところが「僕らの一歩が日本を変える」では、国会に高校生100人を呼んで討論会を開くなど、全国規模の催しをたびたび主催していました。

★ 【学生】海江田代表が「僕らの一歩が日本を変える。高校生100人×国会議員vol.4」に参加
「僕らの一歩が日本を変える。高校生100人×国会議員vol.4」と題する討論会が27日国会内で開かれ、全国から集まった100人の高校生が国会議員らと「権利」「教育」「オリンピック」「社会保障」など多様なテーマについて討論した。
実績を簡単に作ることが出来る……全国規模の課外活動実績製造システムとして、「僕らの一歩が日本を変える」という団体が機能していたとしたら、これはたしかに大きな問題です。

現在、この団体がフェイスブックに載せていた団体ページは、閲覧不可となっています。

たった一つの過ちから、こんな問題にまで発展していくとは思っていませんでしたので、少々驚いています。20歳の若者のちょっとしたミスです。真面目そうな青年ですから、過去に妙な事件を起こしてはいないでしょうし、この事件はこれ以上進展しないだろうと思っていたものですから。

「入試制度が諸悪の根源」
などと公言する方もいらっしゃいます。実際、大学入試のせいで高校時代に疲弊したとか、青春を浪費したとか精神疾患を発症したという話は、20年前までは腐るほど聞いていましたので、受験地獄の緩和に多くの人が賛同したのも分かります。それから一芸入試など、様々な取り組みが各大学で行われ、今ではAO入試を実施する大学は大変多くなりました。



ところがそれなりに公平だった受験制度に比べますと、試験官の恣意的な判断が大きく作用するAO入試は、インチキの温床となる可能性が極めて高いと、以前から問題点が指摘されていました。今回の事件は、その指摘が決して的外れではなかったことを示唆しています。

今年初めから騒動の的になった早稲田大学の小保方晴子氏もAO入試組の一人。彼らがこう、次々におかしな騒動を引き起こしているのを見ますと、やっぱりAO入試自体に問題があったのではないか、と思われるのも仕方ありません。

AO入試組の学力に問題があるのでしょうか? いや、彼らの学力は入試組とくらべても遜色ない、という北海道大学での調査結果などがあるので、そうとも言い切れません。

ただ、学力やコミュニケーション能力は抜群でも、コツコツと何かをおこなうことを、ともすれば疎かにしがちなのかもしれません。アピールしたもの勝ち、結果が一番大切、という価値観は、過程をおろそかにすることにつながっていきます。そして杜撰な行為を途中でしでかしてしまうのです。結果が良くても、それが致命傷となることがあることも知らず。

「李下に冠を正さず、瓜田に履を納れず」
という言葉があります。

スモモの木の下で冠の傾きを正すようなマネをしてはならない。なぜならスモモを盗もうとしていると思われるから。
用もないのに散歩などで瓜畑に踏み入れてはならない。瓜を盗もうとしていると疑われるから。

という意味です。

青木氏やTehu氏など、彼らの社会を良くしたい、という志は純なものだったのは間違いないでしょう。ですが、それなら彼らが関わる団体への利益誘導となる可能性を極力排除して欲しかった。

「僕らの一歩が日本を変える」
という団体には、自分が関係するAO塾の高校生以外から集める、せめて、国会で討論する100人にはAO塾関係者を入れない、などしていれば、AO入試の実績作りにNPO法人を利用しているなどと疑いを持たれることもなかったはずです。

また、Tehu氏が電通のインターン(学生が企業で研修を受ける制度)だったことも暴露されていまして、こうした彼らの行動のすべてに、電通がからんでいたのではないか、という疑惑まで報じられています。

それにしても、彼らはネットでの炎上を甘く見ていました。
「炎上すれば大勢の人に自分たちのことを知ってもらえるから、ラッキー」
程度に考えていたのでしょうが(イケダハヤト辺りが煽ったせいです)、炎上が飛び火して、自分の関わるものすべてが焼かれてしまう危険性を知りませんでした。

それなりに地位のある社会人ならば火消しも出来るでしょうが、そうでない一般人は、炎上することはこのように大変危険だと、わきまえねばなりませんね。

火遊びはほどほどに、ということです。

2014年11月24日月曜日

下手な嘘には腹が立つ 「#どうして解散するんですか?」

今年は、嘘が目立つ年です。

小保方氏のSTAP細胞の発見の虚報に始まり、最近の元競泳選手の富田氏の開き直りに至るまで、世間をダマせると舐めてかかった人々が、世間から手ひどくしっぺ返しを受けるという事件が多く起こりました。

同じような事件は続くものです。ある大学生が世間を舐めて不特定多数の人々をダマそうとして、失敗したニュースが話題となっています。

「10歳の中村」を名乗るユーザーが作った衆院解散の是非問うサイト「どうして解散するんですか?」が21日からインターネット上で注目を浴び、「小学4年生が作ったとは思えない」と炎上。関与を疑われていたNPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」の代表・青木大和氏(20)が22日、ツイッターで「今回の一連の騒動は全て私1人が行いました」と謝罪した。
現在彼が作ったサイトには、代わりに、謝罪文が掲載されています。

もちろん、寄せられた声の中には、僕たちへの誹謗中傷、暴言、愚痴など、#どうして解散するんですか?への問いではない声もありました。
でも僕は、これだけの方が目にしてくださった今回の問い「#どうして解散するんですか?」を、いま一度日本について考え直す機会に出来ないだろうかと思っています。
(中略)
今回、僕の軽率な言動により、関係のない多くの方に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。
最初は私も腹を立てました。しかし、それなりに反省しているようですし、よく考えればまだ20歳。考え方が幼いのも無理はありません。それが見当違いの反省だとしても、立腹は収まりつつあります。

なぜ彼がこのようなことをしたのか? もともと炎上狙いと新党結成という狙いがあったことが、以前の言動から明らかになっています。

Tehu:政治ネタは炎上しやすいから、絶対に来る。
青木:それで炎上したときに、全国で「オレも意見がある」「オレも政党をつくる」みたいなツイッターのリプライが絶対に来るから、そしたら「じゃ、おまえも政党つくれよ」と言う。それで地域政党がいくつか出てきて、盛り上がってくると思うんですよ。
元々の炎上サイトを確認しましても、小学4年生が作ったという体裁を取っていながら、難しい漢字がそのまま残っていたり、文字が妙にうまかったりと、粗が目立つのは事実。このページに掲載した画像は、彼が作ったサイトのページの1部です。彼らはそもそもバレることを前提にあのホームページを作っていたのでしょうね。

「本当に小学4年生が作ったはずがないでしょ? 見て分からないの? ネタですよ、ネタ」

と言って舌を出してダマした人々をバカにするところまで、彼らは織り込み済みだったのかもしれません。

ところが予想以上にこの記事は炎上し、彼らの手では収集がつかないほどの非難を受けてしまいました。

青木氏はNPO法人代表を辞任し、Tehu氏もTwitterでの発言を自粛。今頃は弁護士などを交えて、今後の対策を考えている最中かもしれません。

なぜこの件がこれほど炎上したのか。それについて作家の岩崎夏海氏が面白い分析をしています。

2人が炎上した真の理由――それは「人々を苛立たせたこと」だ。
では、どういう理由で苛立たせたのか?
それは、2人が「多くの大人は政治に関心がない」と勘違いしているところだ。それに苛立たされたのである。
この慧眼は、さすが作家だと思いました。おっしゃるとおり。みんな、政治に関心がないわけではありません。だから、政治番組は視聴率がよく、ネット上でも政治ネタは盛り上がるのです。それなのに選挙に行かないのは、まともな政治家がいないからあきらめているだけ。決して政治に関心がないからではないのです。

しかし、岩海氏、その後の文章がすべてを台無しにしているのは残念。選挙に行かない人々と、イジメを見てみぬ振りをする人々を同列視するのは、ちょっと違うのではないでしょうか。また、
ほとんどは、「イジメられているやつも悪い」と思っているときに、見て見ぬ振りが行われるのである
という分析も自分の経験上、あたっていないと思うのです。それよりも、巻き込まれるのが怖い、めんどくさい、という恐怖の方が大きいのではないでしょうか。

閑話休題。

今回の青木氏が引き起こした事件のそもそもの要因は、安易に他人をダマせると勘違いした人間がついた杜撰な嘘を目の前にして、自分がバカにされたように多くの人々が感じたからではなかったでしょうか。

今ではネットで世論を操作しようと試みるのが当たり前の世の中となりました。まとめサイトなどには広告代理店が相当数入り込んでいますし、Twitterでバズらせて流行を生み出そうとすることも多く行われています。

その分、私たちの精神的な負荷は多くなっています。ネットの話題の一つ一つ、盛り上がっていそうに思える話題の一つ一つを、
「これは嘘かな? これは本当かな?」
と吟味しなければならないからです。10年前に比べますと複雑になりました。

嘘が横行すると、嘘に対して不感症になるのでしょうか? 逆でしょう。むしろダマされないよう、嘘について敏感になり、普段、嘘を突き止めるのが困難な分、あからさまな嘘には逆上してしまうのです。

今回の青木氏の作品には、あとでネタだと強弁するためか(見破れなかった情弱のお前が悪いと指摘できる)、小学4年生らしからぬ表現、文章、きれいな文字で作られています。そして、自民党を馬鹿にし、民主党を持ち上げる意図が透けて見えます。

一方で雑な作りをしながら、もう一方でメッセージを含ませる。つまり、嘘はやがてバレるだろうが、メッセージが多くの人に届くまではバレないだろう、しばらくはダマせるだろうと、社会を舐めてかかっているのですね。高をくくっているんです。

この青木氏には、周りの人間たちが政治に関心がない劣った人間だ、という思い込みがあるものですから、いまだに、
実際に選挙が行われることは決まってしまった事実です。僕自身も人生ではじめての選挙です。だからこそ多くの人に#どうして選挙するんですか?と問うてもらい、日本の未来を考えて1票を投じてほしいと強く願っています。
という、傲慢な文章を、謝罪文に含めています。詐欺師のお前に他人を導く資格はもうないよ、お前に言われたくないよ、と私は思いましたけれども。これも火に油をさらに注ごうとする、彼なりの炎上芸なのかもしれませんが。

「あんなチャチなサイトで少しでもダマされるほど、俺達はそこまで馬鹿じゃないよ」
と今回のニュースでは誰しもが感じたはず。でも、自分のことを頭がいいと思い込んでいる人々には、だまそうとされた側がむかつく感覚がわからないのかもしれません。そして、他人の自負心を傷つけてはいけない、という思いやりもないのかもしれません。それは政治家志望の人間としては致命的でしょう。