2015年2月22日日曜日

知っていることをまくし立てるのが説明ではない

妻の説明を「要領を得ない、わかりにくい」とけなし、自分の説明を得意がる夫の勘違いぶりが面白かったので、この問題について述べてみたい。

★ 医師「どうしました?」 嫁「子供の下痢が酷くて熱もあるんです!食べてもすぐもどしちゃうし」 俺(解りづらい説明乙!)
子供(2)が発熱、嘔吐、下痢の三重苦で病院に行った時の話

医師「どうしました?」
嫁「下痢がひどくて、熱もあるんです!食べてもすぐもどしちゃうし…」
俺(解りづらい説明乙…)
医師「えぇと…」
俺(説明しよう!)

俺「金曜日の夜から調子悪くなって、夜中に嘔吐2回、熱は8度3分。水のような便。
土曜日…、昨日は8度5分で、終日食事はとろうとせず、イチゴなどを食べさせましたが、すぐ嘔吐。併せて水のような便。
本日午前中は、8度3分で、ビスケット数枚とイチゴを食べて嘔吐無し。相変わらず、水のような便。
脱水症状防止のため、赤ちゃん用のスポドリを飲ませるようにしています。
ノロ…ですかね?牡蠣とかは食べさせてませんが…」
医師「わかりました」

その後、医師が今後の対応について話すとき、座っている嫁と、立って子供(0)をあやしている俺と、交互に見ながら説明していてちょっと申し訳なかった…
時系列にそって説明とかできないんですかね。国文学科?かなにか、文系のはずなのに
理系の方が向いているなのかな?経緯とか比較とか…

俺自身は、職業的に『状況の説明』とかの訓練を受けているので、比較はできないのかもしれませんが。
仕事をしていて、この手の男性から話を聞かされることがよくある。そしてイライラとさせられる。

相談を受ける場合に、いろいろなケースを想定しながら慎重に話を進めたい。だから、回答は短く要領よくおこなってほしい。あとはこちらの質問に答えてくれるのが一番ありがたい。

ところが件の夫のように、知っていることをまくし立てられると、その情報を理解して、夾雑物を抜き取り、それから判断しなければいけない。それも短時間に。この手の人間はたいてい短気だから、こちらが素早く判断しないと、今度はこちらをバカ扱いする。

「あんた、俺が今説明しただろ? 話を聞いていないの?」

(あんたのムダな説明をだらだら聞く気はこちらにないよ。しかも必要な情報が入っていないじゃないか)

と言いたい気持ちをぐっとこらえて、にこやかに彼に応対するのはなかなか骨が折れる。

冒頭のやりとりでも、何を食べたのかとか、体温の細かな数字など、不必要な数字がいくつもある。 ノロかどうかの判断も、医師がするものなので、余計な素人判断だ。

「金曜日の夜中に嘔吐と水のような下痢が始まり、38.3度の熱が出ました。翌日の土曜日も症状が収まらず、ビスケットなどを食べさせても嘔吐するので、丸一日何も食べられませんでした。今日午前中は吐き気はなく食欲も戻りましたが、熱と下痢の症状が止まらないためにお医者様に伺いました。今は赤ちゃん用のスポーツドリンクだけ、飲ませています。牡蠣とかは食べさせてませんが…」
ということを、聞かれながら答えれば済むではないか。体温などの数字は、医師から聞かれれば答えればいい。どうせ病院では、再び体温を測るのだから。

自分の知っていることをすべて言えばいいと思っている自称優秀な人間はこの社会に多い。彼らは、自分が馬鹿であることになかなか気づかない。「説明」とは相手の理解に応じて行なうものなのに、相手の理解度を図ろうとしない、そこまで頭が回らないという点で彼らは馬鹿であり、自己を客観視出来ないという点でも馬鹿なのだろう。

かくいう私にも、知っていることをまくしたてる傾向があるから、他山の石とせねばなるまいて。

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