2013年10月18日金曜日

日本は多神教、西欧は一神教とか言うけれども

先日、参議院議員の渡邉美樹と、作家の本田健との対談の概要を別ブログで紹介した。

★ 渡邉美樹と本田健の対談の概要

その中で、渡邉氏が「日本は八百万の神を信じているから、一神教を信じる国よりもナアナアで、お互いがお互いを受けれいている。だから素晴らしい」ってなことを言っていて、
「何言ってやがんだ、こいつ」
と思っていたところ、同じようなことを書いている記事にまた出会って読むことになった。

★ チームラボ猪子氏が語る、日本人とネットの相性が"ハンパなく"良い理由
一般的には、欧米は一神教、日本は多神教の違いと言いますよね。欧米は一神教だから客観性は確保しやすい。でも日本は多神教というか一神教的な「神の目線」を持たないがゆえに、コミュニティが近い者同士の集団主義に陥りやすく、それゆえに主観的なものの集合になる。
昔日本サッカーが世界の中でも弱かった理由として、
「日本が農耕民族だから」
という説明がされていたのを聞いて感じた違和感と同じものを、この手の言葉を聞いて感じてしまう。

そもそも、多神教について語るのならば、同じく多神教を信じている国と日本との共通項を語らねばなるまい。

文化大革命の後も道教が根強く残り、大勢の神々がまつられている中国や、ヒンズー教の神々が地域文化に浸透しているインドはどうなのか? 西欧と日本の対比を語るときに「一神教と多神教」という要因を持ち出すのならば、日本の特徴が中国やインドにもあてはまるのかどうかを考えないと。

それがないのならば、日本の特徴に多神教は無関係だ。

そもそも西欧を「一神教の文化」と決めつけること自体、論外じゃないか? 彼らの文化の根底にはローマ帝国がある。ローマ帝国はご存知、ローマ神話を国教とした多神教の文化だ。その文化的影響が強いイタリアでは、守護聖人やマリアに対する信仰心が根強いことで知られている。
【守護聖人】
カトリック教会の伝統において、さまざまな職業や地域に守護聖人がいるが、それなりに縁のある聖人が選ばれている。たとえば聖ヒエロニムスは聖書をヘブライ語からラテン語へ翻訳したことから、通訳の守護聖人である。また、聖女アポロニアは殉教時の拷問で歯を抜かれたことから、歯科医の守護聖人になっている。時にはその結びつきの理由がよくわからないものもある。――Wikipediaより――
神様に祈るのは恐れ多いから、それよりも身近な守護聖人に加護を求める。これなんかは形を変えた多神教だと言えなくもない。

むしろ、日本人が主観的で、寛容的なのは、多神教のためというよりも、合理的精神が行き渡り、神の束縛のない一種の無神教が日本を覆ったお陰かもしれない。

ローマ帝国では、多神教から一神教へと国教が変わった。数が減ることを進化というのならば、もっとも進化した宗教は0=無神教だろう。

結論としては無神経が一番強い、ということだ。

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