2014年11月12日水曜日

金融業に向いているかどうかの基準

ある職業が自分に向いているかどうか、なかなかわからないものです。
「向いている」
と思って就いてみても、想像していたものと違っているのは当たり前。仕事が面白くなく、さらには能力もなければ悲惨の一言。

かく言う私も、以前とある職についていたときに、この種の悲哀を味わいました。

「慣れるうちに好きになる」
と言われ、会社でその職に数年就いてみましたが、毎日が嫌で嫌でたまりませんでした。

それでも力を伸ばそうと思いまして、仕事と平行して専門に沿った勉強もしていたのですが、知識は身につかず、ただ苦痛の一言。

勉強時代も合わせると10年近くその業界に身をおいて、好きになることも得意になることもありませんでした。

「10年やればどんなことだって好きになる」
「やれば必ず力は伸びる」
こう断言する人は大勢います。でも、やっても力が伸びず、好きにもならなかった人々はそれ以上にいるのです。

しかし落伍者は声を上げません。自身の恥になるだけですから。そして声高に成功を語れる人だけが残ります。その陰には、不得意なこと、嫌なことを仕事としたばかりに、鬱病になったり挫折したり、転職したりした無数の声なき民が大勢いるのです。

そんな失敗をおかさないためにも、その職業に向いているかどうか、判断する簡単な基準って、ないものでしょうか。

先日このブログで取り上げた、松本大さんが面白いことを述べていました。

「金融業に向いている人、向いていない人」
が簡単に分かる基準があるのだそうです。

それは"桁"。

彼の周りで金融業で成功している人は、絶対に桁を間違えないのだそうです。例外はほとんどないのだとか。

面白い着眼点です。こういう情報の方が、職業診断テストなどよりよほど価値が有ります。

思えば私、桁の計算がとても苦手です。345ドルが日本円でいくらか、と問われても、
「ええと、1ドルが100円だとして、345円掛ける100はいくらだったっけ?……34,500円か」
と手間取るレベル。つまり、金融業に向いていなのでしょう。金融業に就かなくて本当によかったと、この話を聞いて思いました。

ジェイコム株大量誤発注事件」では、みずほ証券の社員が桁を間違えて大きな問題になりました。今から思えばこの社員は、金融業にそもそも向いていなかったのかもしれません。金融マンとして優秀な彼の周囲の先輩たちは、桁を間違えるかもしれないという懸念に薄く、
「まさか我々の仲間に桁を間違える人間がいる」
ということを想像しにくかったのかも。だからそれに備えることを怠っていたのかもしれません。

それはともかく。

これから金融業に就こうかどうか、迷っている学生のみなさん。
"桁"という基本的で簡単な概念を学生時代によく間違えている場合は、どれほど業界に思い入れがあろうとも、そもそも金融業に向いていない、と即判断して、別の道へ進んだ方がいいのかもしれません。


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