2015年2月15日日曜日

岡田斗司夫はなぜ高須克也氏には謝ったのか?

評論家の岡田斗司夫が、一時期ダイエットに成功してバラエティー番組にひっぱりだこになっていたことを覚えていらっしゃる方は多いはずだ。

ただ、ダイエットにはリバウンドの危険性が常に付いて回る(岡田氏も後でリバウンドした)。

ダイエット成功発表直後の2008年に、たまたま雑誌の企画で対談した美容外科医の高須克弥はそれを見越して、
「この際だから肥満再発予防のため、脂肪細胞を吸引してしまおう」
と岡田に提案したらしい。しかし岡田斗司夫は一度受けたその話を手術前になってドタキャンした、という事件があったらしい。

それが今頃になって明らかとなったのは、最近カネに困った岡田が、高須医師に借金の無心をしたために高須医師が怒りを爆発させて数年前のこの件を週刊誌で暴露したからだ。

★ 高須院長が激怒!「岡田斗司夫が金銭的援助を求めてきた」
高須:そう、あり得ないよね。よし、そのメッセージを見せてあげよう!(スマートフォンでフェイスブックを開き、岡田斗司夫氏からのメッセージを見せる高須院長)今回の女性問題で、岡田斗司夫が作ってた女性の格付けリストがネットに流れたでしょ。女性たちのために、それを削除したいってことらしくて。弁護士費用がかかるから、数百万円を援助してくれないか、という内容なんだよ。
「数百万円の貯金もないのか?!」
という批判の声がネット上で飛び交っているけれども、その批判に私は与しない。岡田氏が借金でここを乗り越えようとする気持ちは不思議ではないからだ。

仮にもあれだけの著作をヒットさせている男だ。数百万円の貯金は当然あるだろう。しかし、イレギュラーな高額出費のために貯金を切り崩してはならない、と判断したが故の行動だろうし、その判断は正しい。

借金をしてでも貯金に手を出さない、というのはカネを貯める人間にとっての鉄則だ。これは貯金の不思議な性質であり、詳しくは藤田田の著作「ユダヤの商法―世界経済を動かす (ワニの本 197) 」などに書かれているので、ご興味のある方は読んでみられてはどうだろう。それに財務的には、手元に自由になる現金が常にあることも重要。キャッシュフロー経営という言葉でお調べになれば、なぜそれが大切かがお分かりになるだろう。

ただ、この状況で、自分が以前迷惑をかけた人間に借金を申し込むという行動を理解するのは難しいだろう。しかしよくよく考えてもらえれば、極めて彼らしいと言えるはずだ。

彼は身勝手な人間で自分のことしか考えない。当然今、謝罪することが自分にとって有利だからそうするのだろう。そしてどん底の状態こそ、多くの人と和解するチャンスなのは間違いない。というのも、それは卑屈になれる数少ないチャンスだからだ。

怒らせた相手に謝罪するのは、不必要なリスクを抱え込まないためにも必要な行為だが、謝罪をするには下手に出なければならない。ところが岡田斗司夫という男はたいへんプライドが高い。たとえ自分に非があろうとも、相手に媚びたり卑屈な態度を取ったりすることは我慢できない。これまでもなんとかして言い逃れようとしてきた。

しかし、損得勘定に長けた男だから、カネのためだったら卑屈になれる。そしてそのことを、
「利益のために卑屈になるのは心が位負けらしているのではないから、いくらでも頭を下げる。そんな自分は他人から見ればカッコいい」
とでも考えているんだろう。

この手の傍若無人な人間は、「気にしない」と強がりながら実は人一倍外面を気にする。だから自分が他人に謝罪することで、自分が謝罪した相手よりも下に見られることに我慢できない。この手の男は、人間関係を上下関係でしかとらえないから、自分が他人よりも下の人間だと思われることをはなはだしく嫌う。

ところが現在四面楚歌、窮状にいることは誰しも認めるところだから、謝罪したことが世間に後日バレても、暴落した自分の株は、下げ止まりしていてこれ以上下がらないと踏んだのだろう。

それに、謝罪した相手よりも格が下だからなのか、窮状のせいなのか、それとも借金のために頭を下げたのか、世間は判断できまい、とも考えたのだろう。

様々な計算が働いた結果、高須医師に借金の申し出をしたのだろうが、いかんせん相手が悪かった。高須医師は全て見抜いた上で、岡田氏のメールを先に世間に暴露してしまったのだから。

私信の公開は違法だから、高須医師もずいぶんとリスクの高い行動をとっている。岡田氏が訴えれば高須医師にとってはダメージだろう。しかし岡田氏は訴えまい。訴えれば余計に自分の首をしめることになるからだ。非のある人間が居直るのを許すほど、世間は甘くない。

親告罪だから岡田氏が訴えなければ高須氏の罪を問われることはない。世間的には私信の公開はそれほどの罪だとは思われていないし(だから世間ではメールを平気でネット上で公開している人が多い)、高須氏はオープンな人間で、私信の公開を批判しながら陰口を叩いてきたエセ評論家とは異なるから、高須氏が責められることもなかろう。

そこまで見越しての高須医師の行動だったのだろうが、さすがだね。お見事である。

それに対して岡田氏、早々白旗を上げた。

★ 高須 克弥さま  お詫びと、経緯説明を申し上げます。(岡田氏のFacebookより)
その時に、すぐに僕から直に高須先生に謝罪すべきでした。しかし、後藤氏より「岡田さんが謝ると、人間味がないのでますますこじれる」と遠回しに言われ、自分でもそんな気がしたので、お任せしてしまいました。
編集さんの影にコソコソ隠れたりせず、まず、キャンセルを自分でも伝えればよかったと、今でも後悔しています。
その後、トラブルになっていると聞いたときも、編集さんに任せるだけでは無く、自分なりに誠意をもって謝るべきだった、と痛感しています。
ずいぶん殊勝じゃないか、と面食らった。乱交暴露騒動のあとの公開の場で、
「俺は、俺以外の人間はすべて犬とか虫に見える。それが人生観」
と言い放ったり、竹熊健太郎氏の盗作疑惑批判に対して、
「それが竹熊さんのあつかましいところでさ、あの当時、マンガファンみんな知ってたことじゃん。『オタク学入門』に全く新しい知見なんかないんだよ。」
「今更言うところも含めて、竹熊さんちっちぇえ」
と軽侮してみせた岡田氏と同一人物とはとても思えない。

何なんだろうね? この人……とつらつらと考えているうちに分かったことがある。この手の詐欺師の言葉に、誰もが左右されていたという事実だ。

記事が長くなったので、詳しいことは次の記事で書こう。普段は隔日連載だが、ひとつづきの記事は間を空けない方がいいから、明日記事を書こうと思う。

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