2014年12月12日金曜日

元エリート金融マンのイギリス人が日本に苦言

元ゴールドマン・サックスでパートナーのイギリス人社員が、京都の老舗企業の社長となって奮戦しているという記事を読みました。

★ 身勝手な日本人が、日本の国宝をダメにする

そもそも、ゴールドマン・サックスのパートナーとは何でしょうか? ゴールドマン・サックスは、現在世界最高の証券会社と言われている企業です。全世界の従業員34,500人のうち上級社員は409人のみが「パートナー」と呼ばれます。まさに、選ばれた者しかなれないエリート中のエリート。報酬は5,000万円~2億円と言われています。

それなのに42歳で退社して、日本の老舗の漆塗り会社に入社したのですから、大変な変わり者です。よほど、日本文化に魅力を感じたのでしょう。

頭のキレはピカ一の方です。彼が日本文化にどっぷりとつかり、日本人に指摘する言葉は大変刺激的でした。

何を言っても無駄。行動しない。日本人は農耕民族だからと平気でバカげた理由を語り出したり。何でこの国が世界第2の経済大国なのか、ずっと不思議に思っていました。
これを読んで笑いました。この手の発言をするリーダーは、確かに日本にはたくさんいます。政治家、経済人、芸能人。10年ほど前に日本人サッカー選手が世界で活躍できない理由を、
「日本人は農耕民だから決してヨーロッパの人々には勝てない」
などと記事に書かれているのを読んで驚愕した覚えがあります。

サッカー大国のフランスは日本以上の農耕民じゃないか? 日本にだって漁師や狩人、さまざまな職業の人々が大勢いるじゃないか、何を馬鹿げたことを言うのだ、と。

しかし、ステレオタイプの考え方で思考停止してしまう人々が、日本の指導者然として君臨しているのですから困ったものです。

私はこれまで、企業の社長などと話す機会が何度かありましたが、彼らは平気で、
「世界はユダヤ人が支配している」
などの陰謀論を私に語ります。 馬鹿じゃないかと。ユダヤ人が指導者層に多いことと、彼らが世界を支配していることは違うだろう、と思うのですが、この手の馬鹿げた説を大まじめに語る人々は本当に、日本には多いのです。おとなりの韓国を笑えません。

百八十度の転身と言われるけど、障壁は感じませんでした。そもそも伝統技術という人工的な線引き自体を否定しています。(中略)よく職人は10年がかりというけど、じゃあ10年かからない職種を教えてほしい。金融マンだって医者だって同じでしょ。だからこの業界を特別視してはいなかった。自分としてはあくまでもビジネスの常識を実行していくだけ。
この言葉は大変重く、心に響きました。
「10年かからない職種を教えて欲しい」
たしかにそうです。そうですが、ただ、若くしてエリートとなった人が、それでも、10年かからないと仕事のプロにはなれないと断言したのを聞いて、ぞっとしました。

今の自分がこれから新しい道に進もうとするならば、さらに10年の下積みが必要、ということかと……。

最近では例の「おもてなし」です。日本では財布を落としてもほぼ確実に戻ってくるってよくいうでしょ。でも警視庁の数字では、現金では届け出があった額の40%にすぎない。残り60%にはいっさい触れず、都合のいい少数を大げさに持ち上げる。サッカーW杯のとき、日本人観客のゴミ拾いが日本人の美徳として話題になった。なら、鎌倉の花火大会の後を見てください。ゴミだらけです。
いいですね。最近の日本では、自画自賛ぶりが際立っていて気持ちが悪いです。自虐史観は問題ですが、かといって自賛史観もバランスを欠いています。それなのに、かつての日本はすごかった、とか、今の日本は素晴らしい、というものばかりがここ数年世の中にはあふれています。もっと中道を歩めないものでしょうかね。

それをこうして数字で表してもらえると、胸がスカッとします。アナリストらしく、客観的な数字とエピソードでものごとを把握しようとする姿勢、学びたいですね。

観光立国するなら発想の転換が必要ですよね。京都に来た外国人観光客の不満は「英語が通じない」の次が「解説がなく何を見ているのかわからない」。
いろいろなものごとを把握しようとするときに、理由の一番目に注目するあまり、二番目の理由を見過ごしてしまうことはよくあります。

「日本では英語が通じない」
よく聞く不満です。でも、これを解消するためには教育制度から変えねばなりません。ところが、それをまず解決しようとして、やれ、小学校から英語を教えろだの、必ず英語ネイティブを学校に一人は置くように、などといったことばかり、人々は語りたがります。

でも、二番目の不満である、
「開設がなくて何を見ているのかわからない」
に関しては、すぐに対応できることです。

日本には無数の翻訳者がいるのですから、彼らに歴史の解説文を英語に翻訳させて、看板を作ればいいのです。たったそれだけ。簡単にできることから始めればいいのに、それに手を付けずに大きな問題ばかりを話しあおうとする愚を悟りました。

いろいろと学べることの多い記事です。


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