2014年11月18日火曜日

セクハラ対策が未婚女性を苦しめる

最近はコンプライアンス研修を社員に毎年受けさせる会社が多くなってきました。この研修、法令遵守に加え、セクハラ禁止を衆知する内容のものが多くなっています。

日本人がセクハラをあまり意識していなかった1990年代、アメリカ三菱自動車の女性従業員がセクハラ集団訴訟を会社に対して起こしました。結局三菱自動車側は12億円を支払って和解しています。

当時の日本では、女性に同情するよりも、アメリカの訴訟社会を問題とするものが多かったのを覚えています。でもその頃からでしょうか。日本でもセクハラが「悪」である、という認識が広まるようになりました。

こうした動きを私は歓迎します。女性社員にとってだけではなく、男性社員にとっても朗報だと私は考えています。セクハラをする男性というのは暴君タイプが多く、彼らの女性へのセクハラは、部下へのパワハラとセットになっていることが多いのです。セクハラを禁止する社風は、パワハラの歯止めにもなります。

ましてや、女性にとってセクハラのない社会が居心地がいいのは論を待ちません。女性の多くにとって、好意を持たない男性から性的な目で見られたり、性的な言動を吐かれたりすることはおぞましいのです。ヘテロの男性が、ホモの男性から性的な目で観られたときに感じる嫌悪感を想像すればいいかもしれません。

もっとも、意中の男性以外から性的な目で見られることへの女性の嫌悪感は、備わった本能のせいだ、とも聞いたことがあります。優秀な遺伝子を持った子供を妊娠したい、と願う女性にとって、それ以外の男性に妊娠させられることは絶対に避けたいもの。そこで、不特定多数の男性から性的な目で見られると嫌悪感を感じるよう、本能にプログラムされている、という説もあります。

いずれにしましても、女性の活躍する21世紀、職場からセクハラを一掃しようという取り組みは、とてもいいことだ、と私は思っています。


ただ、私、コンプライアンス研修を先日受けながら思ったんですよね。
「ああ、こういう教育を入社時から受けている男性が草食系男子になるの、分かる」
と。

職場では一切、性的な感情を持ってはならない、職場を出たら、性的欲求を持っても構わない、と聞けば、至極当たり前だと思いますが、人間、そこまで器用じゃないでしょう。

性欲の強い人間は一定数いて、彼らの性欲は職場で抑圧されても職場を出ればすぐに復活します。彼らにはコンプライアンス研修が大きな効果を生みます。

問題は、もともとそれほど性欲のない人々。研修で様々に、
「女性を性的な目で見てはならない」
「女性にとって性的な目で見られることは苦痛」
という教育を受けるうちに、彼らの中では、女性を異性としてみること自体を抑制する方向へシフトしていくのではないでしょうか?

繰り返しますが、多くの人間はそれほど器用な存在ではありません。職場ではこう、退社後はこう、と人間性を180度回転させることは難しいのです。もともと優しい人ほど、研修を繰り返し受けるうちに、性欲を感じることに罪悪感を感じるでしょう。

男性が女性へ性的な魅力を感じなくなると、一緒に暮らしたい、子供を作りたい、この人を守っていきたい、という男性が本来持つ欲求を、だんだんと失っていきます。結婚を望んでいる女性たちにとっては悲報でしょう。

ほとんどの女性たちにとっても、セクハラが職場から一掃されることは大変嬉しいはずです。でも、この女性たちの欲求の総体が、まわりまわって自分たちの首をしめることにもつながっているのかもしれないというのは、やるせないですね。

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