2014年8月9日土曜日

『ドアの向こうのカルト』を読むのが止められない

今読んでいる『ドアの向こうのカルト』がめっぽうおもしろくて、ページを繰る手が止まりません。


私の実家も以前、家族全体で新興宗教に入信していたことがあります。だから、他人事として読むことができませんでした。

思い込んだら理性を失い盲信するタイプの割合は、男性よりも女性に多いようです。

我が家も母が宗教活動に最も熱心でした。主人公の家庭も同じで、彼の母が熱心なエホバの証人となり、家庭を地獄へと引きずり込む様子がいきいきと描写されています。

うちの場合といろいろな点が似ており、逆に異なる点もあり、そのどれもが興味深いのです。

新興宗教に縁遠かった方にとってはどうでもいいことでしょうが、生涯に一度でも宗教に関わったせいで大やけどを負った人にとっては、熱狂的な組織とどう対峙し、どう自己アイデンティティを保つかが、一生の課題となるでしょう。

しかし、宗教から脱出した後の人々が連帯する場所や組織は少ないのが現状。課題には1人で取り組むしかありません。その道具として、この『ドアの向こうのカルト』はとても役立つことでしょう。

それにしても、エホバの証人のことを、輸血を拒んだり格闘技を毛嫌いするという点で変わっているけれども、周囲に害を与えませんし、聖書の勉強に熱心な、比較的良好な宗教団体だと思っていた私の不明を、今は恥じています。

聖書に書いているからという理由で、子供をムチで叩くことが奨励されていたり、音楽や映画を観ることが禁止されていたり、宗教団体以外の人間関係を会員が結ぶことを極力排除するという排他性があったりと、中の人々の自由を縛り、不幸にするには十分な規則が事細かに定められているのを初めて知りました。

毎週末、2人組で布教活動をする彼らの情熱がどこから湧いてくるのか疑問でしたが、会員を追い込んで、布教活動以外に楽しみを見いだせなくするための仕組みが巧妙に作られていたのです。こういった背景を批判的に知ることが出来ます。

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