2014年7月6日日曜日

エルドアンがなぜ人気があるのか

最近トルコ料理である「ケバブ」が人気のようで、あちこちでみかけるようになりました。

マクドナルドでハンバーガーを食べるのと同じ感覚で、手軽に野菜と肉を摂取できます。それにマクドナルドより、美味いです。ハンバーガーよりケバブがいいと考える人も、増えているようです。

たまたま職場の近くにできたケバブ屋さんで、最近ケバブを買うことが多くなり、店主と話すようになりました。

トルコが本場のケバブを売っていながら、実は店主はアラブ人、という場合もあるようですが、近所のケバブ屋の店主はトルコ人だということでして、最近ですとワールドカップの話題などで盛り上がったのですが、政治についてふと、尋ねたことがあります。

「いま、トルコは大変でしょう。エルドアンという独裁的な大統領が、デモを行う人々に強権を発動して、圧力を加えているそうじゃありませんか」

日本のメディアで報道されているとおりの印象を語ったところ、店主はムッとした表情で、
「それは違うよ」
と答えました。

「違うんですか」
「違いますよ」
この店主は普段は穏やかで、とても丁寧な日本語を使います。

「エルドアンが現れるまで、トルコ経済はどん底でした。政治家は汚職を繰り返し、まともな政治が行われていなかったのです。でも、エルドアンの一派は違います」
「どのように?」
「彼らは汚職をしないのです。だから、政治がうまく回るようになり、経済も発展しています。今トルコに残っている親戚も、トルコは前に比べるととても豊かになったと喜んでいます。それに反対する人たちは、ちょっとおかしな人達ばかりです」

「へえ~」
私は日本で、首相官邸の周りを固めている人々のことを思い浮かべました。彼らを欧米のメディアは持ち上げ、日本政府を強権的と批判しているようですが、多数の日本人から支持されているのは、デモ隊側よりも政府側であるのと、同じ構図、なのかも。

エルドアンという人物は、世俗主義を標榜するトルコにあって、イスラム的価値観を信奉するイスラム穏健派に属しています。しかし、長期政権の果てに、反対派を投獄したりTwitterなどを禁止しようとしたり、といった手法はここ数年、とても嫌われ、欧米では批判の的となっています。それに、汚職が発覚したにも関わらず、それをもみ消そうとするなど、清廉潔白でならしたエルドアン一派にもほころびが出ているようです。

それでも、それまでの政権に比べたらましだということでしょう。トルコ人のナマの感情を知ることができて、得難い体験でした。

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