2014年6月26日木曜日

経営者に政治を任せない方が

韓国の国会議員が、議員が雇っていた運転手によって内部告発されたために窮地に陥っているというニュースが報じられています。

★ 韓国国会議員と運転手が前代未聞の大バトル
地検は、この捜査の一環で、議員の長男宅から6億ウォンの現金も発見した。次々と出てくる疑惑で、議員の検察召喚も近いという見方が強まっている。盗難事件で告発したはずが、何倍ものブーメランで返ってきたようなものだ。
議員の車に置いていた200万円入のカバンが盗難に遭ったのが事件の発端。その日の午後に急に辞めた運転手を疑った議員は警察に通報しました。

ところが翌日、元運転手はカバンを持って地検に出頭。
「盗んだのではなく、不法政治資金の証拠物として提出するため」
というのが元運転手の言い分です。

違法なお金だから盗んでもばれないと高をくくった運転手が、警察に通報されたために内部告発に切り替えた可能性もあるのですが、問題は汚職疑惑をかけられた議員の経歴です。
 1949年に仁川で生まれたこの議員は、延世大学法学科を卒業してサラリーマン生活に入る。当時名門だった電線会社に入社し、その後、大企業である食品会社で社長、副会長まで上り詰める。つまり、「CEO出身議員」なのだ。
経営者として辣腕を振るった実績を買われて政治家になったものの、政治権力を利用して私腹を肥やしていた疑惑がもたれています。先日海に沈んだセウォル号の許認可利権にも深く関わっていたらしいのです。

こういった報道を見聞きしますと、名経営者が果たして名政治家たりえるかどうか疑問です。むしろ、財力+権力=強大な力の魅力にとりつかれ、利権獲得に邁進する可能性が高いのかもしれません。

私の台湾人の友人に、民主主義が根付いている台湾で、民進党が圧倒的な支持を受けない理由を尋ねたことがあります。

第二次世界大戦後に中国大陸から進駐してきた国民党は、進駐後、現地人を大勢虐殺しました。また、国民党出身者の数は現地人に比べて少数です。圧政から解き放たれて民主主義体制が敷かれた今日、民進党が選挙で国民党を大敗させることは簡単なはず。

ところが彼は、
「民進党は汚職がひどい」
と顔をしかめました。民進党出身の政治家には元実業家が多く、贈賄の噂が絶えないのだとか。

「国民党のほうが清廉潔白な人物が多い」
と彼は主張します。実業家出身の政治家に、カネにまつわるスキャンダルがついて回るのはいずこも同じ、ということでしょうか

そういえばタイでも、実業家出身の政治家で元首相のタクシン・チナワットは王政派から汚職を追求され、国外追放処分となりました。タクシンは貧しいタイ東北部に大規模な投資を行って経済復興をもたらしましたが、目的は個人の利益のためだった、と疑われています。

ただ金があるので、ドバイの地にいながらタイに影響力を持ち続けているそうです。財力を持った人間の強さですね。

日本では財界人が政治家にな転身する例ははそど多くないのですが、たとえば一大病院ネットワークを気づきあげた徳田虎雄の一族が、不正疑惑で逮捕されたことは記憶に新しいところでしょう。

考えますと、アメリカでも元証券会社の社長のような人物を財務長官に抜擢するようになってから、国民間の格差が異常に大きくなったように思います。アメリカでは贈収賄で私腹を肥やすような単純な汚職はあまり行われてはいませんが、もっと巧妙な権力の乱用がまかり通っているようです。

経営力のある人間に政治を任せたいとは誰しもが考えることですが、名経営者が必ずしも名政治家たり得ず、むしろ力同士が結びついた悪影響の方が大きい実例を見聞きしますと、財界と政治は切り離しておいた方が無難なのかもしれません。

三権分立という素晴らしい思想を知っているにも関わらず、私たちはついつい、優秀な人材に全てを委ねたい魅惑に駆られてしまいます。




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