2013年10月12日土曜日

男が望んで海外移住、女は夢に乗せられる

Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics-
布袋寅泰の母親が先月9/3に亡くなった。そのため布袋寅泰の奥さんでもある今井美樹が、家族とともに緊急帰国した。

★ 今井美樹 悲しみで憔悴…布袋の母逝去で英国から緊急帰国

その後、葬式ついでにいろいろなイベントに参加しているようだ。布袋氏はイギリスに移住して音楽活動に熱心に取り組んでいるとはいえ、いまだ道半ば。日本でないと稼げない。

海外の芸能界の中で名前を売るためにも、交際費が多くかかるだろうから、夫のために、稼げる時には冠婚葬祭のついででも稼ぐ腹だろう。夫を支えるために、大したもんだ。

★ 今井美樹 英国移住は当初気乗りせず「寂しくてつらくて」

上記のインタビューの中で、今井氏は海外移住の寂しさを吐露している。
 布袋が英国で音楽活動に挑戦するために生活拠点を移した。だが、「どうして行かなきゃならないんだろうと思ってた。家族で決めたことなのに、私の気持ちは全然前に進んでいなくて、寂しくて、つらくて」と出発まで気乗りしていなかったという。
海外進出を志す日本人アーティストは多い。ダウンロードも含めた音楽ソフトの売上は日本がとうとうアメリカを追い抜いたので、日本こそが世界一の市場、その中で成功すればそれだけでスゴイと思うけれども、業界人はそれでは満足できないらしい。

日本の音楽業界は、戦後にアメリカからやってきたジャズによって多大な影響を受けた。その後ビートルズなどを聞いて育った人々が、今の音楽業界の中心に多いのだから、しょうがない。

気持ちは分かるものの、その夢に付き合わされる方は苦労する。だいたい子供の頃の夢をしつこく追い求めるのは男に多い。時代が変わり、環境も地位も変わったのに、男は子供の頃の夢を叶えようとして周囲を翻弄する。

そんな男のために苦労するのは女と相場が決まっている。男が船で海を渡り、港で女が帰りを待つ、という歌もあった。

たとえば松田聖子だけれども、聖子が渡米して音楽活動をおこなったのは、彼女自身の強い海外志向があったためだと、当時は報道されていたが、実は違う。

CBS・ソニーの若松宗雄ディレクターと言えば、聖子にとっての大恩人である。芸能界に入りたい松田聖子の上京を禁止する聖子の父を、九州の久留米に何度も通って説得したからだ。

その若松氏の夢が、アメリカ進出だった。ジャズやロックから多大な影響を受けた彼は、アメリカで仕事をするのが夢だった。

嘘だって? いやいや。彼を手助けするために、聖子が渋々渡米したことを、若松氏自身もインタビューで答えている。

★ 中国で見つけた!聖子と同じ「天才」 ―伝説のプロデューサー独占インタビュー
いや、アメリカ志向は私の考え。私が直感的に聖子はアメリカに向いていると思ったんで、私の勘一つでアメリカでやるって決めたんです。CBS・ソニーの洋楽セクションとも連携してプロジェクトを組んでね。実は、アメリカへ行くのには聖子は大反対で、成田空港でアメリカ行きのフライトまでの待ち時間、聖子とお茶を飲んでいたんだけど、聖子が「若松さん、私なんで今からアメリカへ行かなくちゃならないんですかねぇ?」って言ってたくらいですから。
聖子の偉いところは、この若松氏の強い要望を、決して周囲に明かさずに、あくまで「自分の夢」だと語って事をすすめたところ。恩人を窮地に陥れないためだ。

そのためにもう一人の恩人であるサン・ミュージックの相澤秀禎との関係が断絶したのだが、時間をかけて彼女はその絆を修復する。娘のさやかをサン・ミュージックに預けることで和解へと持ち込んだのだが、それはまた、別の話。

閑話休題。

聖子の他に、男の夢に翻弄されたもう一人のトップシンガー、宇多田ヒカルについても話そう。彼女がアメリカ進出を狙ったのも、彼女自身の願いというよりも、父である宇多田照實の強い意向のためだったと言われている。

松竹ニューヨーク支社の社員であった父(ヒカルの祖父)を頼って渡米したものの、花咲くことなく萎れた夢を、彼の代わりに叶え、渡米時代に出会った人々を見返して欲しい、という父の希望を叶えるために、宇多田ヒカルは渡米して、そして失敗した。

秋元康のことを私はそれほど好きではない。でも、ただひとつ評価できるのは、彼にはこの手の野望が希薄なところだ。彼の向く先はあくまで日本だけ。夢は美空ひばりに歌を書くこと。

プロデュースするのは日本の女子高生たちで、お客は日本の青少年たちだ。彼がプロデュースした女性たちは、その後に家庭に入り、平凡でも幸せな生活を送っていることが多い(国生さゆりが幸せになれないのは、彼女自身の性格の悪さが原因だから、しょうがない)。

★ TBSドラマ『歸國』出演の長渕剛 忘れがたき「AD殴打事件」その蛮行
長渕は一度パーティー会場を後にしたADを呼び戻し、何が気に入らなかったのか、サンドバッグのように殴りつけたのだ。当時、長渕の愛人と言われて、同ドラマでも共演していた国生さゆりも、ADにコップ酒を投げつけて「やれ、やれ」と囃し立てたという。長渕は、無抵抗のADを殴り終わったあとに、金を投げつけて「訴えられるものなら、訴えてみろ」と開き直ったそうだ。
閑話休題(脱線ばかりしているな)。

秋元康が海外を狙うとしても、ついでに東南アジアなどでも売れればいい、という程度。「日本」という風土を大切にしてアメリカなどを一顧だにしない、という彼の姿勢はもっと評価されてもいい。

いずれにせよ、夢はいつかは醒めるもの。他人の夢ならなおさらだ。松田も宇多田も、自分の幸せを守るために、やがて夢を見た男たちから距離を置いた。

布袋氏も、自分の夢を叶えるために、家族を振り回しすぎていないだろうか? 今井の幸せのためにできることを探しておかないと、いずれ愛想をつかされるだろう。

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