2013年9月16日月曜日

ウェブ漫画が進化していてびっくりなのでいくつか紹介

「Web漫画」とは、インターネット上に公開されたマンガ群のこと。お金を払えば、Yahoo!や電子書店パピルスなどで、普段書店やコンビニで発売されているマンガがインターネット上で気軽に読めるようになったのはご存知だろう。
★ コミックを手軽に楽しむ方法

だが、プロではなく、アマチュアやセミプロが自分の作品を趣味でネット上に多数アップしているのを見逃している人も多いと思う。

昔は、インターネットで発表されているアマチュア作品には良質なものが少なかった。時々思い出したように「Webマンガ」などといったキーワードでググってヒットしたものを、
「この絵はないよなぁ」
などと思いながら読み飛ばすのが関の山だった。

ところが先日、数年ぶりにウェブ漫画を調べてみると、ほとんどプロと言っても過言でもないほど面白いマンガが多数、アップされていた。

アップされた日付をみると、数年前から連載されていたものも多い。数年前にググっても探しだせなかったことを悔やまれる。

当時ググっても検索結果上位にこれらのウェブマンガが現れなかったのは、読んだ人々が感想を書いたりネット上で勧めたりして、布教に務めなかったからだろう。もったいない話だ。

ようやく多くの人々にリンクを貼られるようになり、多くの人々から読まれるようになり、私もこの作品群に出会えたのは僥倖といえる。

……という訳で、台風のために三連休の最後に在宅を余儀なくされた人々のために、面白いウェブ漫画を幾つかご紹介したい。

★ 珈琲日和
大正ロマンあふれる東京を舞台に、恋を夢見る17歳の女性と、いくつかの秘密を抱えた法律学者の卵との、美しい恋愛譚。一昔前の少女マンガを彷彿とされる構成で懐かしい。基本的に四コマなので気軽に読み始められるのも好印象。すでに完結しているので、落ち着いて読める。

この作品を書いたaprilさんのことを調べたが、よく分からず。今ではプロとして活躍している方だろうか? 『珈琲日和』自体、アニメ化やドラマ化してもおかしくない内容と量だと思うのだけれども、なぜそういう声が上がらないのだろう? 秀逸なマンガだ。

★ 奇異太郎少年の妖怪絵日記 
★ 奇異太郎君の霊的な日常
サイト「モルモル亭」より
霊感が強く、その上霊を操ることのできる奇異太郎(鬼太郎のオマージュですね)とその仲間が織りなす、怪異との日常。『奇異太郎少年の妖怪絵日記』が彼の牧歌的な少年時代を描き、『奇異太郎君の霊的な日常』が、都会にやってきた奇異太郎の日常を描いている。どちらも未完。

『霊的な日常』よりも『妖怪絵日記』の方が、私にとっては面白い。在りし日の日本の山村部の理想郷を描いていて、雰囲気が心地よい。観ようによってはハーレムもののエロ漫画なのだけれども、抑制されて描かれているために、それほどいやらしくないのがいい。

★ 百鬼村
これのせいで徹夜した。「百鬼村」と呼ばれる超常現象が日常的に起こる村に生きる人々と、化物共との共生と戦闘を描いた作品。グロい、気持ち悪い、でも面白くてスカッとする。乙一の作品に似た世界観だ。

上記の奇異太郎に出てくる妖怪も多数出てくるけれども、こちらははるかにおぞましい。村人たちが容赦なく変化を殺害していくので小気味いい。ハートフルな物語もいいけれども、このように思い切ったアクションホラーもまた面白い。

作者の死泥喪泥(しどろもどろ)氏は新都社(にいとしゃ)という、2ちゃんねる発の同人サークル出身。才能ある人が世の中には大勢いるもんだ。

★ 金魚王国の崩壊
©2011 Goldfish Kingdom
模造クリスタル」という名前の同人サークルによって創られた作品。この同人、「週刊少年リテラシー」などとも名乗っているようだが詳細不明。私は聞いたことのない名前だけれども、多くの作品が創られているので、同人誌業界では名の知られたサークルなのだろう。金魚を飼い始めてから、食物連鎖について疑問を持つようになった少女と周囲の人間関係について描いた暗い話。

面白いけれども、これからどこにいくのかよく分からない。登場人物はかわいく、扉絵も迫力があるけれども、着地点が見えないのが少々不安。

★ けちゃっぷ忍者
© だろめおん © niwango, inc. All rights reserved.
アメリカンスクールに留学した日本の忍者少女とその周囲のいかにもアメリカンな少年少女たちとのバトルな日々を描いたフラッシュ漫画。コテコテだけれども、こういった世界観が好きな人も多いはず。こなれた英語がやけに多いので、英語のセリフはネイティブに翻訳してもらっているものと思っていたが、作者の"だろめおん"氏は帰国子女のために英語が堪能だとか。いやはや、多彩な人がいるもんだ。

だろめおん氏がサンドロビッチ・ヤバ子氏と組んで作った作品『ケンガンアシュラ』も迫力があるので要チェック。サンドロビッチ・ヤバ子は格闘技にはかなり精通している人物で、瞑想して脳内で格闘シュミレーションを日常的にこなしているという。いろんな人がいるもんだね。

★ ワンパンマン
Copyright © SHUEISHA Inc. All rights reserved.
一部だけの限定公開となっているけれども、それでも十分楽しめる。怪人と立ち向かうヒーローの話。

ただし、普通はヒーロー自身が時に怪人に死の間際まで追い詰められながらも逆転するというドラマに感動するものだが、この作品はひと味違う。無敗で、どんな敵でも一発のパンチで仕留めることができるほどの実力者・サイタマ(人名)が、その強さ故に周りに引き起こす様々なトラウマを描くというもので、主人公があまりに強すぎるところが爽快でたまらない。

その原作を以前読んだことがある。面白いのだけれども、絵が下手なために途中で読むのを挫折した。ところがこちらのバージョンは、もともと週刊少年ジャンプで『アイシルールド21』というアメフト漫画を描いていた村田雄介が作画を担当していて絵に迫力がある。漫画の世界に浸ることができるのでオススメ。

こんなところだけれども、どれも面白いので、ぜひ読んで欲しい。

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