2013年8月11日日曜日

詐欺師は犯罪者の顔をしていない

昔南アジアを旅したことが会って、その時に詐欺にあったことがある。
大変愉快な男で、大きな眼の表情豊かな人間で、屈託がなく、友達になったら楽しそうだと思える人間だったけれども、彼はまっとうな詐欺師であり、私を事務所に連れて行って半監禁状態にして、数人で囲んで金を出せと迫った。

私が武道をたしなんでいたのと、「ここで死んでもいいか」という捨鉢な気持ちになっていたために相手の手首を掴んで牽制しながら数時間、断り続けたために詐欺にはめられずに済んだのだが、その時に、
「顔は当てにならない」
と痛感した覚えがある。

もちろん、脅迫が日常茶飯事となって、睨みつけることが多くなると、表情筋がそれなりに変形することがあるだろう。男性ホルモンが過剰分泌されるにつれて、人相が悪くなり、ゴリラのような顔となることはあるだろう。暴力団や警察などは、同じような臭いを放つ。

だが、詐欺師は異なる。むしろ、いつも柔和でほほえみを絶やさず、相手のことを(詐欺に嵌めるまでは)毎日のように気遣い、何か手助けすることはないか(それが相手につけこむキッカケにもなるから)いつも考えているのだから、大変穏やかで優しい顔となる。

それどころか、悪いことをしているという良心の呵責があるから、表情に幾分の憂いを与えているために、元々イケメンだと、それがさらなる魅力を与えることとなる。「ワルはもてる」という言葉がある通り、アウトローの人間は非日常的な緊張感を漂わせているために、得も言われる風情がそこに加わる。

むろん、詐欺師にもいろいろあり、わざと詐欺師的風貌を装う場合もある。それは、詐欺師的風貌で最初警戒をさせ、その後にまともなことを言うことで、
「怪しいと思っていたけれども、案外まともな人じゃない!」
と相手に思わせて逆に警戒を解くという高度な戦術なのだけれども、それは一部で、たいていの詐欺師は大変穏やかな表情をしているものだ。

★ 女性を運び屋に仕立てる「ラブ・コネクション」
 「カナダ人の恋人から頼まれた。覚醒剤が入っていたのは知らなかった」
 福岡空港で6月、覚醒剤約3・5キロ(末端価格2億5000万円相当)をスーツケースに隠して持ち込んだとして、覚醒剤取締法違反(営利目的密輸)容疑で逮捕された際、大分県の日本人女子学生(23)は、こう供述した。
 捜査関係者によると、女子学生は約2年前、語学留学先のカナダで買い物中に男から声を掛けられ、交際を始めた。以来、複数回カナダに渡航。帰国時には、「日本に着いたら携帯電話に連絡が入るから」などと言われ、バッグを外国人の知人に渡すよう頼まれた。「バッグを渡すと報酬がもらえた」という。
バカとしか言いようがないけれども、この手のお誘いは長期間海外で滞在をしていたら必ずあって、私も東南アジアを旅していた時に、
「日本人と組んで商売をしたい。ついては、この荷物をあなたの実家にそこの郵便局から送ってもらえないか。帰国した後、実家に着いたら、その荷物を私の知人に届けて欲しい」
「自分でそれをすればいいのに。なぜそれを俺に頼むの?
「この国の税法はおかしくて、外国人が荷物をおくる場合に比べて、自国民が荷物を送ると税金を異常にとられるのだ。あたなに手数料を払ってもお釣りがくるくらいなんだよ」

と依頼を受けたことがある。多分、あの中に麻薬などが潜んでいたのだろう。危ないなと思ってもちろん避けたが。
彼の顔も穏やかで、決して詐欺を行うような人間に見られなかった。

こういった経験から、
「あの人は詐欺を行うような人間には見えない」
という言葉を吐くのは世間知らずだと思うようになった。詐欺にあった人間、あいそうになった人間は、詐欺師が犯罪者の顔をしていないことを知っているからだ。

ちなみに、ネットで拾ってきた詐欺師の顔がこれ。
まじめそうで、周りにいくらでもいそうな人畜無害な顔をしている。こんな人間が詐欺師なのだ。

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