2013年7月1日月曜日

会いたいからといって会いたいと言ってどうする

Addicted To You
Addicted To You
会いたいくて会いたくて震えるのが西野カナ
会えないから会いたいのが沢田知可子
会いたいくて会えないから私だけを見てほしいのが加藤ミリヤ
会いたくて会えなくて長すぎる夜に光を探してるのがGLAY
会いたいから会えない夜にはあなたを思うほど Uh UhするのもGLAY
会いたくて会えなくて揺れまどうけれど目覚めた翼は消せないのがラルク
会いたくて会えなくて唇噛み締めるのがEXILE
会いたくて会いたくて涙が止まらない夜なのが岡本真夜
会いたくて会いたくて素直な自分でいつもいられないのがLINDBERG
会いたくて会いたくて眠れぬ夜にあなたのぬくもりを思い出すのが松田聖子
会いたくて会いたくて言葉にできないのが小田和正
別に会う必要なんてないのが宇多田
というジョークがあるほど西野カナを始めとするシンガーソングライターの作る歌詞では「会いたい」という言葉が多用されているものだが、この手の多用される言葉は、今も昔も変わらないようだ。

数十年前、なかにし礼だとか阿久悠だとかが活躍していた時代の歌謡曲も似たようなものだったようで、今よりも独自性が重んじられなかった時代、粗製濫造が甚だしく、あるマジックワードを散りばめれば、歌になると言われていたらしい。それは、
  • あなた
  • 恋い
  • わたし
  • ふたり
  • 会う
  • 泣く
  • ひとり
の12の言葉だそうで、これを様々に組み合わせて適当な言葉を間にはさめば、歌が完成するのだという。今もそれは変わらない気がしたが、いや、街頭や街の光が明るくなったせいで、星については最近、歌われなくなったことが唯一の違いといえば違いかもしれない。

ただ、私たちが記憶に残る歌詞のサビの部分を思いだそうとしたとき、上記のマジックキーワードは案外出てこない。失恋の悲しみを北国の風景に仮託したり、トランク一つで出かける旅への気持ちを歌ったり、桜が時の中で咲いたりといった歌詞が思い浮かぶが、会いたいだの愛しているだのといった当たり前の歌詞は案外、その中にはない。

「語りたいことを語るためにはその言葉を使わないで表現することが大切」
だと教えられたことがある。

言いたいことを言わずに回りくどく言うだなんて、随分迂遠な話だ、言いたいことがあるのならば、はっきり言えばいいじゃない、とその時は思ったものだが、最近その理由が分かるようになった。

他人だけではなく、自分だけを好きになって欲しいのに、他人同じセリフを吐いても、他人から抜きん出ることはできないだろう。他人が「好きだ」と言うのならば、自分は、
「嫌いになろうとしても嫌いになれない」
と言うことで、相手に異なる印象を与えることが出来る。月並みな言葉を使わないように努力することが、その人の個性となるのだろう。

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