2013年6月30日日曜日

同性愛者への憎悪

ロシア南部のボルゴグラードで先月、同性愛者が知人に殺されたという。

★ ロシアで同性愛告白の男性が暴行死、背景に見える政治と宗教
 事件の被害者となった23歳の男性は、同性愛者だと告白した直後に、複数の知人から暴行を受けた。肛門にビール瓶をねじ込まれ、服に火を放たれ、最後は石で頭を殴られて絶命した。
 事件ではこの男性の知人2人が拘束されたが、ロシアでは同性愛者への暴力事件の件数を示す公式のデータはない。事件のほとんどが報告されずに終わるか、「同性愛者への暴力」という分類分けをされないためだという。

アメリカのニューヨークでは、同性愛者憎悪の犯罪が70%増えたという。

★ 米NYで同性愛憎悪の犯罪が70%超の増加、市警が監視強化
 ニューヨーク(CNN) ニューヨーク市警のレイ・ケリー本部長は23日までに、同市内で発生した人種問題などが絡む「ヘイトクライム」(憎悪犯罪)が今年これまで前年比で30%減少したものの、同性愛者が被害となる犯罪件数が70%超増えたと報告した。
同種の報道があるたびに、同性愛者への憎悪がそれほどない日本に住むものとして、不思議な感覚におそわれる。

そりゃ日本でも、身内からオカマが出たと、親が泣く、ということはよくあったし、子供がオカマに石を投げたりすることを聞いたことがあるけれども、欧米の同性愛者への異常な憎悪は、今一つ我々の感覚になじみにくい。

ギリシャやローマの時代には西洋でも同性愛が公認されていたのだから、それがここまで変わったのはキリスト教の影響なのだろう。ユダヤ人や異教徒、同性愛者への差別の源泉ともなっているキリスト教というものを文明の大本に抱えた西洋は、難儀なものである。

もっとも、難儀な価値観が内包されているせいで社会に悪影響を与えるのはキリスト教だけではない。あれほど優秀なインド人が、未だにカースト差別を根絶できないのも、彼らが聖典とするヒンズー教の聖典『リグ・ウェーダ』や『マヌ法典』に、「人間には生まれながらの貴賤と役割がある」と書かれているからだ。

深刻な差別にはだいたいにおいて宗教が関わっていることが多い。この手の価値観から自由になりたければ、イスラム教徒がそれまでの偶像崇拝を禁じて既存宗教を徹底的に破壊したり、中国共産主義者が儒教を徹底的に否定して毛沢東主義を徹底的に教え込んだりしたような、前文明の徹底的破壊を企てなければ、なかなか根絶できないものだろう。

ロシアやアメリカだけではなく、近年、同性愛者側の権利拡大とともに、それに反発する側の反撃が年々増えているようだ。しかし、報復はさらなる報復を産むもの。リベラル側はこの件では主導権を握っているから、同性愛への憎悪へ、社会的な厳罰を与えるに違いない。かくして抗争は激化する。アメリカではリベラル側も保守側も、極端に走りがちなところがある。

社会的な厳罰だけならまだいいが、共産主義者が宗教施設を破壊したように、リベラル側による保守思想の根絶を訴える声が出てもおかしくない。アメリカ西海岸地区あたりから、
「これだけ同性愛への憎悪がなくならないのは、その思想の源泉となるキリスト教がおかしい。キリスト教徒の基盤となる教会を、社会から根絶していこう」
という動きが出てくるかもしれない。


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