2013年5月28日火曜日

ジャンプで学んだ血統主義

昔、日本には立川文庫というものがありまして、子どもたちに大人気でした。
立川文庫(たつかわぶんこ)は、かつて存在した日本の少年向け文庫本シリーズのブランド、小型の講談本である。(中略)主に少年を対象としたこの文庫の内容は、講談や戦記、史伝などであった。なかでも猿飛佐助、霧隠才蔵などの忍者ものが好まれて、こういった物語上の人物をあたかも実在の人物であるかのように定着させてしまう。(中略)立川文庫の人気は大正末期には下降していくが、後々の大衆文学や時代劇にも大きな影響を与えた。
人間いかに生きるか、というテーマは人類普遍の悩みです。子供の頃に最初にそれを教えてくれるのは、第一に親、第二に学校でしょう。そして、小さい頃に触れた物語は、それらと同じくらい子供たちに、生きるための指針を与えるのです。

太平洋戦争以前、立川文庫の登場人物たちの示す勇気、親孝行、信義、愛国心などの価値観が、その後に生きた人々の心に大きな影響を与えたことを、後年多くの文化人が証言しています。

その現代版に当たるものが、少年ジャンプではないかと私は思っています。日本人男性の中で、少年頃に少年ジャンプを読んだことのない人はどれほどいるでしょうか? ほとんどいないはずです。なにしろ公称300万部。日本が誇るお化け雑誌なのですから。

私達の価値観には、知らず知らず、少年ジャンプのマンガの主人公たちの価値観が刷り込まれています。

少年ジャンプに連載するマンガの共通テーマが「努力、友情、勝利」であることはよく知られた話です。それが、知らず知らずのうちに私たちに刷り込まれているのでしょうが、これにもう1つ「血統主義」も追加する必要があるのかもしれません。
★ ジャンプの血統主義ワロタwwwwwwwwwww
1: 風吹けば名無し 2013/05/25(土) 11:44:02.83 ID:E4iyygPi!
悟空……純血のサイヤ人。下級戦士だが父は相当な実力の持ち主
ダイ……神の使者・ドラゴンの騎士の息子
承太郎……ジョースター1世の6代孫
幽助……魔界三大妖怪・雷禅の息子
遊戯……伝説のゲームマスター双六の孫
尊師……伝説の公認会計士の息子
ゴン……伝説のハンター・ジンの息子
ルフィ……世界を揺るがす革命家、モンキー・D・ドラゴンの息子
ナルト……天才忍者である四代目火影・波風ミナトの息子
越前リョーマ……伝説のテニスプレイヤー越前南次郎の息子
夜神月……警察庁幹部の息子
奴良リクオ……妖怪の総大将ぬらりひょんの孫
まったく意識したこともありませんでしたが、確かにその通り。「努力」を謳っていたものですから、努力の重要性を鼓舞する教育的な編集方針だと、集英社の編集部を称賛していた自分が恥ずかしいです。少年ジャンプは、主人公が強い理由を、努力した結果であると描きながら、必ずその親がスゴイ人間だった、という説明を必ずつけるのです。他にも『北斗の拳』も『ろくでなしBLUES』など、主人公がスゴイのは血統や親がスゴイのだ、という理屈付けをするマンガはいくつも思い出せます。その数、異常ですよね。

本当の編集方針は語られないもの。本当の飯の種も外部に出さないもの。集英社の編集部には、外部公表用の「努力、友情、勝利」以外に、こういった知られざる「売れる要素」が伝授されているのかもしれません。逆に、少年サンデーや少年マガジンには、ここまであからさまな血統主義のマンガは思い浮かびません。むしろ、親父はダメおやじであることの方が、多いですよね。

最も売れる少年マンガ雑誌で育った少年たちは、この価値観に知らず知らず染まっていきます。それが親への敬慕の念などへとつながるならば良いことでしょうが、負の面として、創業者一族による企業私有化を許容したり、差別心を養うなどの危険性を考慮せねばなりません。

「努力」と「勝利」の間には、大きな壁があります。努力は必ず報われるものではなく、むしろ報われないことの方が多いもの。それを、子どもたちは日常のスポーツや勉強で常々痛感しています。1学年に500人学生がいれば、頂点に輝くのはたった一人。彼と戦って敗れ去った彼らの怨念を昇華させるために、落ちこぼれの主人公が努力の果てに巨大な敵を倒す、という物語が作られます。しかし同時に、少年たちは時々ふと、我に返ります。

(これって、本当なのかな?)

そんな彼らの“常識”に反することを無理やり納得させ、壁を飛躍させなければなりません。
そのために、
「親がすごかったんだ」
という理屈付けをするしかないのだとしたら、それはあまりに貧しい発想というものです。

単純な子供達には、それで納得させられやすいのかもしれません。しかし、この種のステレオタイプに大人になっても囚われていると、不自由な価値観に縛られて、真実を見る目が曇り、幸福を逃すことがあるでしょう(自戒の念を込めています)。

私たち男性は、少年ジャンプによって、ある種の価値観を刷り込まれていることに注意深くならなくてはいけません。知らず知らずのうちに個々人ではなく、親は何をしている人なのかどうか、を詮索するような人間になっていないか、などの自己点検が必要です。

偏見や思い込みは、意識的になることで、その価値観から解き放たれます。
「昔、ジャンプを読んで、血統主義に侵されてしまったのではないか?」
と、ふと立ち止まって考えてみてください。そのとき、私たちはより自由になることでしょう。

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