2013年4月15日月曜日

英語の勉強はしない方がいいとか

日本人の9割に英語はいらない
マイクロソフト株式会社日本法人の元社長に成毛眞(なるけまこと)という人物がいます。Windowsの黎明期を支えた立志伝中の人物です。

その彼が『日本人の9割に英語はいらない』という刺激的なタイトルの本を出しています。帯には、
「英語ができてもバカはバカ」
という人を喰った煽り文句が書かれていました。

その主張を端的に言えば、
「英語はコミュニケーションの手段であり、道具である。それなのに日本人は、英語でコミュニケーションをとる必要がない人まで、多大な時間とお金をかけて学ぼうとする。これはムダであり、意味がない」
というものです。

本当にそうでしょうか。

英語自体を日常生活で使う必要はないでしょうが、今では「英語を使える」かどうかが、就職活動などで人材を選別する一つの手段となっています。それに、海外との取引も年々増えていきます。英語が必要と思ってもいなかった企業で、ある時を境に英語を社員が使えることを求められるようになります。その流れは今後強まることはあっても弱まることはないように思います。その時に、
「年をとっているから英語がわかりません」
と言っても、使い物とならなりません。

似たようなことが以前ありました。キーボードを見ずに両手で操作するタッチタイピング。ワープロ黎明期にワープロを使いこなしていたのは女性が主だったので、
「あんなのは女性がやることだ」
といって全く興味を示さなかった人が、今の50代以上の男性にはたくさんいます。

彼らがもしもあの時にタッチタイピングを習っていたら、年齢を超越してチャットを楽しみ、今のIT社会の恩恵を十分に享受していたはずなのに、iPadの操作すら苦手意識を持つ人が大勢いるのが事実。定年後の余暇を費やすのに最適なシステムを使いこなせないのはもったいないと思うのですが、どうでしょうか。

英語に話を戻します。そもそも世界が狭くなったのはインターネットのお陰です。世界中の人々がいつでもどこでもコミュニケーションを取れるように世界を変えた責任の一端を担っている成毛眞からそんなことを言われてもねえ、と戸惑うばかりですが、それを狙ってのタイトルなのでしょう。
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かつて谷本真由美という経営コンサルタントが「キャリアポルノ」という概念を提唱しました。成功者の語る自分のキャリアは、ポルノと一緒で、それを見て興奮してもしょうがない、絵空事だ、という意味でしょうが、成毛眞という人物は、まさにこのキャリアポルノの体現者です。金持ちとなった彼には、歯車たちが何を必要としているのか、わからなくなっているのでしょう。

幸運の持ち主は、えてしてその幸運を、自分の判断力の結果だとおもいたがります。自分の能力のせいで幸運を引き寄せたのだと思いたがるのです。でも、マイクロソフトという超優良企業に、まだ知名度の薄いころに入社してその発展とともに歩み、社長へと駆け上がるなんてごくごく稀なケースです。宝くじに当たるよりも難しいことかもしれません。そんな幸運児の主張を聞いてもあまり意味はないように思えます。

彼のような「素晴らしい」人物の御託宣に惑わされると、人生を損することが、案外あるものです。

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