2013年4月14日日曜日

2012年ベストセラーになった実用書トップ10(5~1)

さて、紀伊国屋書店が発表した2012年のベストセラーランキングから、実用書を抜き出して、紹介する昨日の記事の続きです。

5位『実はスゴイ!大人のラジオ体操』
(著者:中村格子 秋山エリカ/出版社:講談社)
DVD付き 実はスゴイ! 大人のラジオ体操 (講談社の実用BOOK)   
一時期、ラジオ体操がかなり批判されていたことがあります。
「あんなに弾みをつけて動いていると、筋を痛めるだけ!」
「あんな運動量じゃ、時間の無駄。運動しない方がマシ」
などなど。こういった批判にめげずに、何十年もラジオ体操を推し進めてきたNHKに、どうやら春がきた模様です。
ラジオ体操を行っている両親のために購入したのですが、一緒に試してみたら、コレが意外と良かった!
ラジオ体操なんて生ぬるいと思っていましたが意識して動かす事で、なるほど、健康維持にはとてもいい体操だと思いました。
時間を取られるものだと続きませんが、これなら朝3分で出来ますし、子供の時から馴染みのある音楽だけに、ちょっぴり癒されますね。(Amazonカスタマーレビューより
ラジオ体操は1925年、アメリカのメトロポリタン生命保険が顧客の健康促進(それによって保険料の支払額を減らそうという遠謀深慮)のために開発されたラジオ放送による徒手体操がもととなっていますが、なぜそれが日本に取り入れられたかというと、この番組の聴取地域の死亡率が激減したという結果が報告されたからです。実際に効果があるから、これだけ長く続いているのです。


4位『大往生したけりゃ医療とかかわるな―「自然死」のすすめ』
(著者:中村仁一/出版社:幻冬舎)
大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)   
昨今、「ガンを治療するな!」という声が医療関係者の声が、よく上がるようになりました。ガン治療は苦痛の程度がはなはだしい上に、手術しても失敗する可能性が高く、その上治療費が膨大なものとなるために、患者、家族すべてに苦痛を強いられるものです。

それでも患者が「生きたい!」と考えるならば手術をうけさせるべきですが、患者の声は、医者によってうまく誘導された、なかば強制されたものであることが多いのも、また事実なのです。

病院という閉鎖空間で、医者以外に頼るものもなく、医者の倫理観を述べられたら、肯定せざるをえません。特に医者などは、普段から崇め奉られる人々が多いため、患者からの異議申立てをされると途端に感情的になって治療への情熱を失うようなバカも多いのです。

しかも、医療倫理は医者の都合に合わせた価値観で塗り固められており、「医者不要論」とは整合性がありません。

そこに風穴を開けようとする著者の心意気や、よし。Amazonのカスタマーレビューでも、
<食べないから死ぬのではなく死ぬ時」が来たから食べないのだ>
そうか、そうだったのか!
この言葉を3年前に聞きたかった
それまで食欲旺盛だった97歳の母が徐々に食事が取れなくなりました
私は
食べないと元気にならない、食べないと病気も治らない
そう思って母の口をこじ開けて、スプーンを押し込んでいました
母の為に・・と思ってしたことが実は母には拷問だったのですね
私が犯した行為は、母が亡くなって3年たた今でもトゲのように胸に刺さっています
などの、遺族たちの慟哭が数多く寄せられています。


3位『寝るだけ!骨盤枕ダイエット』
(著者:福辻鋭記/出版社:学研パブリッシング)
寝るだけ! 骨盤枕ダイエット (ヒットムックダイエットカロリーシリーズ)  
内容に関しては大変よい、というものが多いのですが、付属で付いている空気でふくらませる枕の質の悪さが悪評を買っている模様です。
本自体の内容はすごくよくて、枕もバスタオル2枚を重ねて50cmくらいの幅でキツめに巻いて10cmくらいの直径にして荷造りヒモでぐるぐる巻いて作ればいいだけなんだけどこれだけ付録の枕がもろいんだから、タオルでの枕の作り方も本の中に併記しておいてほしかったなと思いました。(Amazonカスタマーレビューより
という読者の恨みつらみを読むにつけ、もう少しなんとかならんもんだろうかと思っいますね。


2位『置かれた場所で咲きなさい』
(著者:渡辺和子/出版社:幻冬舎)
置かれた場所で咲きなさい   
岡山県にあるノートルダム清心女子大学の元大学学長。現在はノートルダム清心学園理事長を勤める著者の書いた本が、ベストセラーとなっていました。

彼女の父である日本陸軍中将の渡辺錠太郎は、二・二六事件で、43発の銃弾を受けて絶命したのですが、9歳の著者は、それを目の前で見るという異常な体験をしました。

それが遠因となり、洗礼を受けてシスターとなった彼女は、諦観に似た覚悟で数十年の間生き続け、ようやくたどり着いた境地を、本へとしたためました。マザー・テレサ来日時には通訳も勤めた才媛です。
「どうして咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんなに無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。」私はこの本に書かれた素敵な多くの言葉に涙し、自分自身を見失っていた事に気づくことが出来ました。(Amazonカスタマーレビューより
ただ、どうも著者自身、修道院という狭い世界で活躍した方のために、根本的なところが抜けているようです。
自分は学長だから生徒には自分からは絶対に挨拶しなかったという。しかも生徒の1人が自殺した時も学長である自分を責めることなど皆目なく、ただ悲しかったとしか書いていない。シスターであるよりも人間として最低。挨拶は改めてたらしいがそんな事は当たり前。 (Amazonカスタマーレビューより
修道女や坊主などをむやみにありがたがる人も多いですが、彼らも人間、よほど悟った人以外は一般人と変わりありません。哲学や宗教に精通しているために「生き方」という点では博識で、人格者のように思いがちですが、長年接してみると、ステレオタイプな見方にこりかたまった頑固者でしかなかった、というケースはよくあることです。

86歳なりの含蓄のある言葉を語れるようですが、批判的に読む方がよいかもしれません。


1位『聞く力―心をひらく35のヒント』
(著者:阿川佐和子/出版社:文藝春秋)
聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)  
阿川佐和子といえば「TVタックル」の司会でお馴染みの才媛です。58歳の独身でありながら未だに可愛らしく、その上「椅子」が初体験の相手だったことをテレビで堂々とカミングアウトするような、気さくな人柄です。
 まだ両親と一緒に暮らしていた頃、2段ベッドの上段が寝場所だった阿川は、はしごを使うのが面倒で、まずイスの上に飛び移ってから下に降りていたそう。ところがある日、いつものようにベットからイスに飛び移った瞬間、足を踏み外してしまいイスがひっくり返ってしまったという。
 その時、イスの脚が股間を直撃。あまりの痛さに「どうしよう」とうろたえつつも患部を確認すると・・・
「こっそり見たら出血してたんですよ。それで私、初体験がイス・・・」
その上、本も売れるというマルチタレントぶりが羨ましいです。ただこの本は、タイトルと中身との整合性がない、という指摘が読者から多く寄せられています。
ほとんど著者のインタビュー思い出話で、タイトルと内容のギャップが大きいです。
エピソードには、「たまたまうまくいった好例」も多く登場するのですが、なぜうまくいったのか掘り下げられていないので、ヒントとして参考にしづらく、「ああ、よかったのね」という感想になってしまいがち。(Amazonカスタマーレビューより
ベストセラーということで、聞く力、タイトルの通りのものを求めて買いましたが、誤解を恐れずに言うならば、ハズレでした。 他の方も書かれておりますが、これはあくまでも阿川さんの今までのインタビューの体験談であり、しかもそれらは名のしれた芸能人ばかりです。 純粋に『聞く力』を求めている方は別の書籍を買うことをオススメいたします。(Amazonカスタマーレビューより
もっとも、タイトルと内容が合っていないとしても、中身は面白かった! というものが多いようです。
阿川さんの(1)過去のエピソードと(2)そこから体得した心得から構成されています。相槌の極意、素朴な質問を大切にする事、安易に「わかります」とは、言わない等インタビューのノウハウに限定されない本物の会話力の真髄が紹介されており肝に銘じたく思いました。(読書メーターより)
彼女は「週刊文春」の連載対談『阿川佐和子のこの人に会いたい』や、トーク番組『サワコの朝』(TBS午前7:30)などで、面白いインタビューを繰り広げています。彼女の他人の懐に入る方法を盗めるものなら盗みたいものです。

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さて、いろいろと面白そうだなと思いながら見ていましたが、私が買おうと思ったのは実は上記の本ではなく、トップ10圏外となっていたこの作品でした。

『心を上手に透視する方法』
(著書:トルステン・ハ-フェナ-/福原美穂子訳/サンマ-ク出版)
心を上手に透視する方法
相手のちょっとした仕草で、相手の考えていることが分かるのだそうです。経験上、こういう心理系の本に、外れはありませんからね。本屋に行ったら、手にとってみます。

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