2012年9月16日日曜日

出会い系サイトが分析する男女のデータ 「OkTrends」

雑誌『TIME』が選んだ2011年最高のブログ25選「The Best Blogs of 2011」から一つを選んで紹介するシリーズの第3弾として、「OkTrends」について解説していきます。

「OkTrends」は、OkCupid(オーケー・キューピッド)という出会い系サイトが運営する統計ブログです。
独自調査を基にした、統計とその分析記事が売り物です。
最近は更新が滞っているようですが、2011年にはかなり人気が高かったようです。

『TIME』によれば、
出会い系サイトOkCupidが目標として掲げているのは「出会いのために数学を使う」こと。OkCupidのブログ、OkTrendsでは、出会いが魅力的になるように、数学を利用している。ブロガーであるクリスチャン・ラダーは、だいたい一ヶ月に一度しか記事を更新しないが、その中身はとてもすばらしく、OkCupidsのカップル成立用質問票のデータを基礎に、創意工夫にあふれた分析や図解が詰め込まれている。
のだそうです。

ちなみに、『TIME』は1923年の世界初のニュース雑誌で、現在全世界で340万部(Wikipedia調べ)売れている老舗雑誌。
似たような名前の『The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』や『ワシントン・タイムズ(The Washington Times)』と取り違えられやすいのですが、『The New York Times』は米国3位、103万部発行の大手新聞、『The Washington Times』は統一教会系のインチキ新聞ですのでご注意を。

そんな、権威ある『TIME』が、なぜ出会い系サイトの運営するブログを紹介するのでしょう?

どうやらアメリカでは、日本と異なり、出会い系サイトは市民権を得ているようです。
ロチェスター大学の教授によれば、アメリカでは2007年~2009年にかけて、22%が出会い系サイトで出会って結婚したといいます。

日本では、出会い系サイトを利用した性犯罪が一時期多発したために、多くの人がネガティブなイメージを持ってしまいましたが、アメリカでは事情が異なることが分かります。
なにしろ2011年の利用者は、2500万人もいるのですから!

アメリカでは性犯罪が、出会い系サイトを通さずとも多かったため、出会い系サイト系の事件が、他よりも目立たないのが、出会い系サイトをネガティブにとらえなかった原因かもしれません。

あるいはアメリカと日本の文化の違いなのかも。
Facebookのように堂々と実名やプロフィールをネットで掲載している人が多いことや、利用者が日本人よりも危機管理能力が高く、ネットの出会いが犯罪に結びつきにくかったのかも。

なんにしても、出会い系サイトという選択肢が世間的に認められていることは、出会いの可能性に幅が広がるため、うらやましいですね。

閑話休題。

OkTrendsの中で、人気の高かった記事をいくつかご紹介しましょう。
★ How Your Race Affects The Messages You Get (2009年10月5日)
(人種が、メッセージを受け取るのにどのように影響を与えるか)

★ The REAL ‘Stuff White People Like’ (2010年9月8日)
(本当に「白人が好きなもの」とは)

★ The Big Lies People Tell In Online Dating (2010年7月7日)
(オンライン上の出会いで人々がつく大きな嘘とは)

★ The Case For An Older Woman (2010年2月16日)
(年齢が高い女性の場合)

★ Gay Sex vs. Straight Sex (2010年10月12日)
(同性愛 対 異性愛)

日本で言えば週刊誌ネタっぽいテーマが、多く取り上げられているようです。
どれも下世話で、興味深いものばかりですね!


その中でも、、The REAL ‘Stuff White People Like’(本当に「白人が好きなもの」とは)を取り上げてみましょうか。
私たちは、OkCupidのユーザーから526,000人をランダムに選び、自己申告による人種ごとにグループ分けを敢行。自己紹介文(合計2億8千万語!)から選んで、統計的に他の人種グループから有意に差異のあった単語や文章を抜き出した。
それによれば、白人男性がこんな感じで、
白人女性がこんな感じ。

白人男性の上位5語は
①トム・クランシー
②ヴァン・ヘイレン
③ゴルフ
④ハーレー・ダビッドソン
⑤ゴースト・バスターズ

それぞれ、知らない方のために解説しますと、
①トム・クランシーは、アメリカの作家。『レッド・オクトーバーを追え』など映画化された作品で知られています。
ジャック・ライアンという行動力ある主人公が、家族を愛しつつもそれを置いて、凶悪な陰謀と戦う、というストーリーで人気を博しています。

②ヴァン・ヘイレンとはアメリカのヘヴィ・メタル・バンドです。その中でも有名なのが「叶わぬ賭け」という楽曲で、日産のCMに使われていました。

⑤の『ゴースト・バスターズ』は1984年の大ヒットコメディー映画ですね。

こうして見ますと、最大公約数の当り障りのないものを、とりあえずプロフィール欄に書いておこう、という意図が感じられます。
日本で言えば、好きな作家は浅田次郎、好きな音楽はB'z、好きな映画は『踊る大捜査線』と男性が書く、みたいな。

白人女性の上位5位は次の通り。
①ジョディ・ピコー
②ボート
③NASCAR
④マスカラ
⑤アイルランド

①のジョディ・ピコーは、アメリカの女流人気作家です。
『わたしの中のあなた』という作品は、映画化もされました。

白血病の娘のために、母は遺伝子操作によって、姉とまったく同じ遺伝子を持つ妹を出産します。
妹は姉のために、輸血や骨髄移植のための犠牲者となって来ましたが、腎臓移植を要求された時にそれをこばみ、両親を裁判で訴える……という話です。

③NASCARはアメリカで有名な自動車レースで、女性にも人気があるようです。

日本でたとえるならば、好きな作家は宮部みゆき、ファッションに興味があるけれども、サッカー観戦だって好きですよ、ってなプロフィールでしょうか。

面白いですね。
日本ではそれほど知られていないジョディ・ピコーという作家が、白人女性はこれほどたくさんの人に支持されているというのを初めて知りました。

逆に言えば、海外に行った時に、それなりに教養を持っていても、ヴァン・ヘイレンの音楽を全くしらなかったり、トム・クランシーやジョディ・ピコーを全然読んでいなければ、会話から脱落してしまう危険性がある、ということ。

これから海外に行かれるビジネスマンの方々は、せめて、トム・クランシーの作品を原書で読んでおいた方がいいかもしれませんよ。


あと、どれもちょっと古いですな。
今の30代から40代の男女が夢中になったものが多く、出会い系サイトを利用するアメリカの白人層が、どのあたりにあるかが、見て取れます。

データをもとにした男女分析は、洋の東西を問わず、面白いですね。






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