2012年9月10日月曜日

モンゴルの首都知事、初公務で日本大使と会談

本日は、モンゴルの国営通信社のサイト『MONTSAME News Agency』から、新首都知事、初公務(2012年8月13日の記事) をご紹介します。
ウランバートル新市長が日本の援助に感謝を表明したというニュースです。
 8月9日に、首都知事兼ウランバートル市長のE.Bat-Uul(E.バトゥール)は、二人の外国大使と会談した。新しく選ばれた市長と会見した最初の大使となったのは、日本国大使の清水武則氏。
 会談で清水大使は、首都知事に任命されたE・バトゥール氏を祝福、ウランバートル市民の生活を改善するための努力を惜しまないと表明、加えてこの問題に様々な方法で協力する準備があると述べた。
 清水大使は「 モンゴル経済は急速なペースで伸びており、日本はモンゴルに無償資金援助よりも借款供与を行う政策を維持していきたい」と述べた。
 また続けて、近い将来、ウランバートル市民の生活の改善のための融資の方法について、ウランバートル当局と意見交換をしたいと語った。
ウランバートル市長は、市民による直接選挙ではなく、市議会の議員の互選で選ばれます
モンゴル人の半数が首都に住んでいるウランバートルでは、市長や市議会は日本の都知事以上の権力を持っており、そのウランバートルで市長となったE.バトゥール氏は、市議会で民主党に大勝をもたらしたなかなかの遣手のようです。

清水武則氏は大分県出身。正式名称は駐モンゴル全権大使という役職であり、こちらも優秀な、外交官のようです

優秀な政治家と官僚の間で、順調に日蒙交流が積み重ねられていっている模様です。

ちなみに、ただで援助する無償資金援助ではなく、利子つきの融資を日本が積極的に採用する理由をご存知でしょうか。
日本は相手国の自立を促すために、あえて借款による援助を採用してきたのだそうです。

相手国にとっては、カネを返さなくてはならないために負担が大きいのですが、逆に「被援助国に甘んじていてはいけない」というモチベーションにつながります。
「悔しい」「大変だ」という感情がモチベーションになるのは、人も国家も同じです。

無償ではないので、その時は相手国に感謝される度合いが低いかもしれません。
そのため、日本のODAは不十分だ、という批判が一時期多く聞かれました。
「欧米はアフリカに無償資金援助を行なっている。それに比べて日本は、円借款ばかりで相手国のことを考えていない! 搾取することしか考えていない!」

でも、長期的にみれば、援助した国が、援助を常に期待し、改革を怠ることを防ぎます。
現在アジア諸国がアフリカ諸国よりも発展している点からも、外務省の政策は正しかったといえるかもしれません。
そして、負担を強いられる援助が、将来的には自国の利益になるということを、モンゴルの政治家はきちんと把握しているようです。
 会議の冒頭で、E・バトゥール市長は、1990年台の困難な時代、すなわち社会主義経済から民主主義と資本主義への社会的経済的な変革の時代に、モンゴルに対して思いやりあふれた援助や支援を行なってきた日本人および日本政府に、感謝を表すと共に、「日本からの援助の下で行われるウランバートルで行われる事業は、常に成功しており大変感謝している」と述べた。
 市長はまた、日本国際協力機構(JICA)の支援により発展してきた2030年までのウランバートル開発のための一般行動計画に感謝していると述べ、議会へ承認要求案を提出することを急ぎ予定していると述べた。
 同日、市長はフランス大使であるイヴ・ドローネの表敬を受けた。
このあと記事では、フランス大使がパリの都市計画経験をウランバートルに伝えたいと述べたこと、E・バトゥール氏が市議会の役職者を次々任命していったことが述べられています。

日本の援助が、こうして海外で報道されると嬉しくなります。
ODAもいろいろと批判を受けてきましたが、最近は大きく批判されなくなりましたね。
着実に良い方向へ変化していっているようです。

モンゴルは親日国としても有名。
大相撲ではモンゴル人選手が現在も沢山活躍しています。

大相撲の八百長事件で、大相撲の人気はガタ落ちになってしまいましたが、白鵬が一人気を吐き、大相撲人気を維持しようと懸命にがんばっています。
大勢の選手が活躍しており、モンゴルでは日本の相撲人気が大変高く、モンゴル人は衛星放送で、日本の相撲を観るのを楽しみにしているそうです。

モンゴル人は日本人が見ているかどうかもわからないメディアで、こうして感謝を表明し、日本のODAがいかにモンゴルにとって役だったのかを積極的に評価してくれています。
日本の援助に痛罵するような国があると、余計にこのような国家の良さが際立ちます。




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