2012年7月29日日曜日

最後は橋下のうっちゃり勝ちになるのではないか


現在文楽協会と揉めている橋下徹に対して感じていた違和感がありました。彼は、 「役所の仕事は、原則民間に開放する」 という記事で触れているとおり、役所の仕事を民間に委託して役所のコストを下げることは正しいことだ、という信念を持っています。

これまで、大阪市や大阪府の役所では不正が蔓延し、めちゃくちゃな行政が幅を利かせていました。コスト削減の意思も乏しく、彼の改革は軒並み正しいものといえました。

しかし、コストカットすべてが正しい訳ではありません。短期的にはコストパフォーマンス的に合わないけれども、長期的な視野に経てば、必ず市民の生活の質の向上に役立つものがあります。短期的な業績を求められる民間ではできないような支援を、代わりに行政が担う必要は必ずあります。

しかし橋下氏は、信念に固執するあまりに、是々非々で進めるという姿勢を放棄しています。役所には最低限の仕事だけを残して、役所はそれ以外の活動から撤退するという価値観で自縄自縛に陥ってはいやしませんか。

大阪市音楽団の廃止はまだ理解できました。吹奏楽団は他にも何百とあり、大阪市だけがプロを雇う理由はないからです。しかし、文楽はどうでしょうか。文楽を主催する団体はとても少ないのです。ウィキペディアによれば、国指定の重要無形民俗文化財である人形浄瑠璃(=文楽)は、他にはこれだけしかありません。
相模人形芝居
佐渡の人形芝居
真桑人形浄瑠璃
安乗の人形芝居
淡路人形浄瑠璃
阿波人形浄瑠璃
山之口の文弥人形
東郷文弥節人形浄瑠璃
恵那文楽
半原人形浄瑠璃
乙女文楽
何百年も続く日本固有の無形文化であり、大変価値のあるもので、失われつつある文化の存続の象徴として、大阪市が資金援助をおこなうことはとてもよいことだとお物憂です。補助金全額カットは、やり過ぎです。

文化を守る、という観点だけではありません。彼ら自由至上主義者が地方自治体や国家が、仕事をすべて民間にまかせてコストカットしていく今の流れは、人間を大切にする、という観点からも大きな間違いです。正職員として雇い、生活できるだけの給料を払っていた仕事を、アルバイトが代用するようになれば、人件費が間違いなく浮くのでコストカットできるでしょう。


しかし、私達の社会が目指す、国民一人一人の生活水準の向上という目標には、明らかに違反しています。

……そんなことを書こうと思っていたら、もっと優れた記事が先に発表されていました。

ビジネスマインデッドな行政官について

長い記事ですので、要約しますと、
自治体の首長が予算執行を「経営者感覚」で行うことはおかしい。 納税者から税金を徴収して分配するという行政の仕事は、民間では「管理部門」にあたる。「管理部門以外の人々」が働きやすい環境を整備し、その創造的な活動を支援するのが本務であるが、それ自体は何の収益も上げないし、何も創り出さない。
ところが「経営者感覚が高い」=「金を稼ぐことを過大評価する傾向がある」管理者は、ビジネスマインドを誇示しようして、コストカットのために、「労働者の平均賃金の引き下げ」のために努力を惜しまないようになる。 これは資産家と高い親和性を示す。
「主人」として君臨できる人たちにとっては、警察や消防や医療を「私企業」として自己所有し、自力で犯罪に立ち向かえず、火を消せず、病気を治せない市民たちから個別サービスごとに恣意的に課金して、ほとんど無尽蔵の収益を上げることができる。「すべての公共サービスの民営化」は資産家たちにとっては「税金を払わずに済む」だけでなく、「税金を徴収する立場になる」チャンスをも意味する。
「経営者感覚」の高い行政官は「収益をもたらさない公務は不要である」と判断し、「衆院の定員削減」、「公務員定数削減」さらには「首相公選」へと流れは続くだろう。 だが、「費用対効果の高い政治」を徹底的につきつめると、最適解は「アメリカの51番目の州になる」というあたりに落ち着くしかない。
というところでしょう。

見事な分析です。

橋下氏を応援している方々は税金負担に不満を持ち、税金でのうのうと暮らしている公務員への嫉妬に囚われた人々が多いのでしょうが、その気持を抑え、橋下氏のような新自由主義舎の唱えるコストカットが果たして自分たちの生活を本当によくしていくのか、今一度立ち止まって考えるべきでしょう。

確かに納税は苦しいです。先日請求された住民税の額を見た時は、激しい憤りおを覚えました。納以前、税が遅れた時の役人の態度に、大変不愉快な思いもしてきました。しかし、その欲求から徴税者を恨むと、やがてそれ以上の災いが己の身にふりかかります。


自分の感情と、公共心との間にあるジレンマ。それにバランスを取るようにしていかないと、橋下氏のような、エキセントリックな政治家に操られ、最終的には自己の尊厳さえも失われてしまうことになるでしょう。

ただ、文楽協会は、ここには書いていない大きな闇を抱えている可能性があるため、単純にコストカットの是非だけでこの問題を論じられないのが悩ましいところです。

この団体、公益財団法人なのに、業務・財務資料をホームページ上で公表していないからです。

行政改革の一環として、平成13年8月28日付けの「公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議幹事会申合せ」により、国の各府庁が所管する公益法人は、平成13年以降は最新の業務及び財務等に関する資料をインターネットにより公開するよう義務付けられました。これを受けて、通常の公益法人は、日本盲導犬協会のように、財務資料を公開しています。

日本盲導犬協会について

それに連動して、地方自治体が管轄する公益法人の多くも、ほとんどは財務資料をインターネットで公開しています。これは、公益法人改革という2000年から2008年にかけて行われた制度改革の中で、かなり厳しく指導されたはずなのに、文楽協会は、いまだ財務資料を公開していません。

文楽協会について

こういう団体は、通常は会計処理がいい加減な場合がとても多いのです。橋下氏がかなりの戦略家であることは、アンチ橋下の人々でも認めるところでしょう。これだけ文楽協会問題を引きずっているのは、彼には勝算があるからでしょう。内部に大きな問題を抱えていることを、橋下氏がつかんでいて、それでここまで強気に出ている可能性があります。




本日読んで、気になった記事はこちら。↓

★ グリーンランドの氷床表面、ほぼ全域で解ける
一週間ほど前まで、関東は冷涼で、クーラーいらずでした。地球温暖化なんてどこの話だ、と噂しあっていたのですが、ここ数日の猛暑は耐えられないものがありますね。世界的な現象のようで、アメリカでは猛暑のために歴史的な不作だといいます。そして、グリーンランドですら、氷がほとんど溶けた状態に。これから食品の大幅値上げになるのでしょう。


★ 危険航行容疑のシー・シェパード代表、逃亡か 保釈中にドイツから
シーシェパードも、どんどんアングラ化してきましたね。この手の運動は、どうしても先鋭化していく傾向があります。この辺りで組織のコンプライアンスを高めて行かないと、メンバーがやがて殺人行為にも手を染めることにもなりかねません。


★ 人間の胎児の遺体248体、森で見つかる=ロシア・ウラル地方

おそロシア。


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