2012年6月20日水曜日

東電と茶のしずく石鹸

茶のしずく石鹸を販売している株式会社「悠香」.

創業者の中山慶一郎は、まさか自分たちの作る石鹸が、これほど重篤な被害をもたらすとは、当初は夢にも考えていなかったでしょう。

コンセプトとしても、自然素材を重視する会社であり、人間の健康を第一に考えていたことは間違いありません。食品である小麦を細かく加水分解したことにより、まさか、ここまでひどいアレルギー反応を引き起こすなどと予想して、製品を市場に出したはずがありません。

「肌に対する深刻な悩みを聞いたことが開発のきっかけ」だと創業者は語っています

ところが、現実は深刻です。小麦アレルギーを多くの人にもたらす羽目となったのです。重傷者の数だけで、66人。被害者弁護団が結成され、集団訴訟が起こされています。

人々の幸せを願って行ったことが、想定外のミスのために、大きな被害を引き起こし、世論から袋叩きになる、という構図は、東電の原発事故に似ているな、と思いました。

東電もまた、人々に安価に安定した電力を供給しようという理想を掲げていたにも関わらず、大地震によって原発が爆発して一県の農業をほぼ壊滅状態にし、県民を将来に渡る健康被害にさらすという大きな災害を引き起こしてしまいました。このことを東電のほとんどの社員は、予想だにしなかったでしょう。

問題はそのあとで、東電も悠香も、なかなか自分たちの非を認めようとしませんでした。それがますます世間の怒りを買い、未だに2つの会社は、世間からの信頼を取り戻していません。本来だったら、まず、自社に元々、罪を犯す意図がなかったことを明言し、ただし、被害報道がもしも事実だとしたら、大変な問題であり、絶対に解決しなくてはならないことだと認識していることを示した上で、被害拡大の原因となりうるものを(たとえそれが原因ではなかったとしても)急ぎ取り除く作業にとりかかる、という姿勢が必要でしたが現実を直視できなかったのでしょう。

災害を予想できなかっただけではなく、災害を直視できなかった理由としては、巷にあふれる、
「ネガティブなことを考えてはダメだ」
とか、
「消極的な発想ばかりしていると、現実がそちらに引き寄せられてしまう」
とかいう、積極的思考が邪魔をしていたのかもしれません。

化粧品業界では、使用者からのクレームが毎日のように寄せられます。それが本物の被害であるのか、それとも好転反応と呼ばれるものなのか、判断することは困難だったのでしょう。東電でも、原発安心神話によりかかりすぎました。

上を向いて歩こうといいますが、上だけ見ていては、地べたで苦しんでいる人々に気づけませんし、上を向いたままでは謝ることがすぐにできません。難しいものです。


本日読んで、気になった記事はこちら。↓



★ あなたの「怒り」が日本を弱くしている
起こるよりも協調によって仕事を進めていくほうがよい、という話です。でもね、粘り強い交渉には時間がかかりますし、ヤル気のない、なぁなぁで物事を終わらせようと考えている相手には役に立たなかったりします。

TPOに応じた使い分けが必要ということなのかもしれません。



★ すごい…これがプロのバレリーナの素足なんだ
バレリーナの素足、というタイトルを見て、多分ごついのだろうと当たりをつけてサイトを開きましたら、予想以上のゴツさにびっくり。

すごい。血豆とタコだらけです。
何かで見たなと思って、思い出したのが、岩明均の『七夕の国』に出てくる異人の指でした。



どちらもこの世に異空間を創りだす、という点では同じですね。




★ 新連載・ローソンの海外物語(中国編):中国のコンビニで「おでん」が売れた理由
日本産の料理が、中国でも人気が出ている、という話です。日本のファミリーマートだからといって、なにも日本産のメニューに拘る必要はないと思うのですが……。



★ お金はこうして増えていく 億万長者3人の軌跡
証券会社の提灯記事のご紹介。資産を増やすためには株などの投資商品を買いなさい、というお話です。よく聞きますけれども、「株を初めて大損こいた!!」という体験談も同時に載せておかないと、信憑性はありません。



★ 母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見- ― 京都大学

「不気味の谷」と呼ばれる現象は、今広く知られています。不思議な現象で、人間に近づけば近づくほど本来ならば親しみを感じるはずなのに、ある閾値を超えると、突然、人間に似すぎていて不気味だ、と感じるようになります。赤ん坊から、その感覚は備わっているのだそうです。

詐欺師は、だます相手には友達のふりをして近づくもの。知り合いに似ているが、知り合いではない、という相手には、警戒心を抱くのは人間の防御反応として至極まっとうなのかも。



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