2012年6月3日日曜日

空気が作られる過程は、市場経済に似ている

「座談会」とは、3人以上の人々のおしゃべりを文字おこしにしたものです。雑誌でたびたび企画され、出版されることもあります。この「座談会」という形式は、日本独自の文学ジャンルなのだそうです。意外ですね。

欧米ではテーマを決めた「対談」や、著名人に尋ねる「インタビュー」がありますし、もちろん戯曲の伝統もありますので、数人の登場人物が対話を重ねる小説も多いのですが、芸能人や作家、あるいは市井の人々が、てんで勝手に話すおしゃべりが、誌面を飾ることはほとんどないといいます。面白いですね。

欧米の会話の基本はディベートだといいます。あるテーマについて、異なる意見を戦わせながら、どちらが正しいのか優劣を競い、よりよい解答を導き出すというものです。

それに比べて、日本で大切なのは、合意です。忌憚のない意見をお互いに口々に話し合う中で、感情の対立を乗り越えて合意を形成していくことが何よりも大切にされます。さかのぼろうと思えば、聖徳太子の時代までさかのぼれます。彼が「和を以て貴しとなす」という言葉に続けて、「上和ぎ下睦びて、事を論うに諧うときは、すなわち事理おのずから通ず」(上の者と下のものが協調して、話し合いを行えば、正しい方針が次第に定まるものだ)と述べています。話しあうことにより、正しい意見が自ずと定まる、というのが日本の伝統なのです。

「座談会」だけではありません。たとえば、ソーシャルメディアもまた然り。欧米の有名掲示板としてはredditや4chanが有名ですが、どの発言がどの発言に対するレスなのかが一目で分かりますし、基本的に一対一対応です。それに比べて、日本の2ちゃんねるや発言小町などでは、スレごとに好き勝手な意見が並列する方式です。

掲示板で自然に醸成されていく雰囲気、育まれた合意を、山本七平という評論家は「空気」と呼び、太平洋戦争に日本を突入させ、敗北へ向かわせた大きな要因として、否定的に捉えました。

でも、本当にそうでしょうか。日本はかつて、確かに間違えました。でも、欧米だって、国家の進路を誤ったことは何度もあるではありませんか。むしろ、ここ最近の、匿名掲示板による合意の形成の過程をみていますと、右往左往し、時には間違いをしでかしながらも、最終的な着地点は、よりよいものへと変化していっているように思うのです。先日、河本準一の母親の生活保護受給が問題となりました。当初は単なるやっかみから始まったこの議論は、今や国全体の生活保護のあり方を問うものとなり、今までメスの入れられてこなかった聖域へ切り込むきっかけとなりました。このような展開を、誰が想像していたでしょうか?

好き勝手にお互いに発言していく中で、様々な情報が集まり、活発な意見の応酬が行われ、次第に合意が形成されていく、という考え方。そして、形成された合意に信頼を置く価値観を、仮に「座談会主義」としますと、座談会主義は、ジャッジが判断を行うディベートに比べ、神の見えざる手に委ねるという点で、市場経済に近いものなのではないでしょうか。そして、市場経済に重きをおくのが現代社会ならば、私たちは、同じく座談会主義にも、肯定的な評価を与えてもいいのではないでしょうか。


本日読んで、気になった記事はこちら。↓

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胸のすく話です。振り込め詐欺は、対面で商売をするのではないため、罪悪感を覚えずに他人をだますことができます。28人の参加者は、多分、気軽にこの商売に手を染め、堕ちていった人々なのでしょう。


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★ あなたがフリーランスになる前に見せておきたい僕の下積みのお話
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